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2024/5/4 11:30

カメラが魅力の「Galaxy S24 Ultra」と「Leitz Phone 3」は何が違う? 撮り比べてみた!

2024年4月、カメラ自慢のハイエンドスマホ2機種が発売されました。「Galaxy S24 Ultra」と「Leitz Phone 3」です。この記事では、カメラ機能にフォーカスして、両機種の個性をチェックしていきます。

↑Leitz Phone 3(左)とGalaxy S24 Ultra(右)

 

ズーム撮影が強力なGalaxy S24 Ultra

Galaxy S24 Ultraは、あらゆるシーンを1台のスマホで撮影できるように、画角の異なるレンズを4つ搭載。なめらかな高倍率ズームを可能としています。

↑Galaxy S24 Ultra。リアルタイム通訳や写真の編集などができる「Galaxy AI」が目玉機能だが、高倍率ズームが自在なカメラも特徴だ。端末価格は18万9700円(税込)から

 

Galaxy S24 Ultraのカメラの写りには安定感があり、柔軟なズームに対応できるのが魅力です。5倍~10倍にズームしても画質劣化が少なく、遠くの小動物や建物も大きく写せます。

 

Galaxy S24 Ultraのカメラ構成は、0.6倍、1倍、2倍、3倍、5倍、そして10倍という6つの画角で画質の劣化を抑えるように構成されています。ただこれは使う人が意識する必要はありません。適切な画角に適切なレンズが割り当てられるようになっているので、直感的なズーム操作で撮影できます。

↑自由自在にズームができるように、得意なズーム倍率を組み合わせた多眼カメラを採用

 

前世代モデルでは光学10倍ズームのレンズを搭載していましたが、本機では5倍ズームに抑えて、近距離での描写力を高めています。加えて、5倍ズームでの8K撮影も可能となりました。手ブレも抑えた見応えのある映像を記録できます。

↑高倍率ズームはGalaxy S24 Ultraのカメラの真骨頂

 

【Galaxy S24 Ultraの作例をチェック】(画像をタップすると閲覧できます)

 

カメラの機能ではありませんが、ギャラリーアプリでは「インスタントスローモーション再生」を新たに搭載しています。動画再生時に画面を長押しするとスローモーションで再生されるという機能です。もともとスローモーションで撮っていない動画でも、AIがコマを補完してスローモーションで再生してくれます。常に動き回る小動物が、どんな動きをしているのかを確認するときにとても役に立ちました。

 

撮影の楽しみを実感できるLeitz Phone 3

Galaxy S24 Ultraが動画もズームも撮影できる万能なスマホカメラだとすると、Leitz Phone 3はまったく違ったスタイルを追求しています。

↑Leitz Phone 3。カメラを引き立たせる外観デザインが特徴となっている。端末価格は19万5696円(税込)

 

Leitz Phone 3のメインカメラは19mm相当の単眼レンズのみとシンプルです。このカメラは、スマホとしては大判な1インチのイメージセンサーを搭載。ほかのスマホでは描けない、自然なボケ味を表現できるようになっています。

↑象徴的な単眼レンズは、ライカブランドのレンズ名「SUMMICRON 1:1.9/19 ASPH.」を冠しています

 

そしてLeitz Phone 3には、特徴的な撮影モード「Leitz Looks」があります。これは、フィルムカメラの撮影体験を、カメラアプリで再現するものです。

 

ライカのカメラレンズの風合いを、ソフトウェア処理で再現。ライカの名前を冠する「仮想レンズ」を選んで撮影します。フィルターを装着して、画面全体の雰囲気を調整することもできます。

↑レンズを切り替えながら撮る楽しみを疑似体験できるLeitz Looksモードを搭載

 

Leitz Phoneは光学的なボケ効果が入りやすいスマホですが、Leitz Looksでは被写体を認識して、画像処理によるボケ感の演出もしてくれます。前世代モデルとの違いとして、ボケ感の調整が細かくできるようになりました。

 

仮想レンズは3種類、フィルターは「なし」も含めて6種類あり、絞り値の設定は5~6種類あります。フィルターのかけ具合は大雑把で、あまり調整の余地がありません。被写体が認識されるかどうかによっても、効果が大きく変わります。そのため、印象的に写すにはどのように構図を配置するかを考えて撮影する必要があります。

 

Leitz Looksで印象的な絵を撮るためには、適切な構図を考えて、光の位置を調整して、カメラ(仮想レンズ)の特性を踏まえて適切なフォーカス位置を選ぶ作業が発生します。一見、手間に感じるかもしれませんが、これはカメラを使う楽しさでもあって、構図を予想しては撮っての試行錯誤を繰り返すことにおもしろさを見いだせるように思います。

 

プレビュー画面と撮れる写真の写りには大きな差があるのも、アナログカメラのファインダーを覗いて撮る感覚を再現しているからこそかもしれません。

 

【Leitz Phone 3の作例をチェック】(画像をタップすると閲覧できます)

 

鉄板のGalaxy S24 Ultra、試行錯誤のLeitz Phone 3

スマホカメラの利便性を、何も考えずにパッと撮れることに見出すなら、Galaxy S24 Ultraに勝るものはありません。多眼カメラによる高倍率ズームをわかりやすいUIに統合していて、画面操作に戸惑うことなく、このカメラを使いこなすことができます。

 

一方でLeitz Phone 3は、撮影の楽しみを味わうカメラになっています。Leitz Looksのプレビュー画面で写る内容と、実際に撮れる写真には大きな差があって、「どうしてこうなるの?」と戸惑いを感じるかもしれません。その戸惑いに向き合う中で、構図や被写体を意識して撮り、最後は運に任せるという撮影スタイルになっていくことでしょう。

 

いつでも安定した写真を撮れるGalaxy S24 Ultraに対して、外すことも多いが的を捉えると心を射貫く写真を撮れるLeitz Phone 3。同時期に登場しながらそれぞれ対照的な魅力を持つカメラスマホとなっています。

 

(撮影協力:市川市動植物園)

 

【フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)