人間を襲うことはめったにないと言われるものの、「人食い魚」と呼ばれ恐れられているピラニア。どう猛で危険なイメージがあるかもしませんが、なかには草食のピラニアもいるのです。驚くことに、南米の淡水域に生息するという草食のピラニアは、人間にそっくりな歯を持っていました。
小さな身体なのに肉食で、群れで動物の死骸などを食べるピラニアは、先端がとがったナイフのような歯を持っています。しかし、南米の淡水域に生息するパクーは、ピラニアに近い仲間でありながら草食性。米テキサス州の湖で先日、パクーを釣り上げたという男性は、「そのパクーはナッツやベリーを食べている」と話しています。
そんなパクーの口を見てみると、驚くことに歯が人間のものとそっくり。上の歯と下の歯がそれぞれ1列ではなく、数列にわたって何本も生えている点は人間と異なりますが、それでも上の歯と下の歯の生え方が人間と瓜二つです。動物の肉を食べないため、人間のような尖っていない歯でも十分なのでしょう。
パクーは、体長が最大で1m以上、体重40kgほどまで成長することから、ペットとして飼育していたものを川に放流するケースが考えられるとのこと。なかには養殖施設から逃げ出した物もいるかもしれません。その結果、米国では50ある州のうち47州でパクーの捕獲が報告されているそうです。
ただし、草食とはいえ、水泳をしていた人に噛みついて死亡させる事故も起きているとのこと。かわいい顔をしても、やっぱり警戒はしなければならないようです。
【主な参考記事】
New York Post. ‘Invasive’ fish with sharp, human-like teeth discovered in rec area lake. August 27 2024