私は40代だけれど、20代の男友達も女友達も何人もいる。一緒に飲みに行ったり、悩みを相談したりされたり、年齢差を感じない付き合いをしている。年齢を感じるのは、飲食の支払いを私のほうが多く払ったりおごったりする時と、電車に乗り遅れそうになってダッシュしたら、彼らのスピードについていけない時、それからカラオケで歌う歌が全然違うということくらいだろうか。そんな20歳下の友人と付き合うと、どんなメリットがあるのだろう。
1.情報源になる
『ポジティブな人生を送るために50歳からやっておきたい51のこと』(麻野進・著/かんき出版・刊)でも、20歳下の友人を作ることを推奨している。例えば50代だったら30代の友人ということだ。そこには若い友人によって得られる3つの良いことが書かれてあった。まず一つは、彼らが情報源になるということだ。
年を重ねると流行りものや新しいことに手を出すのが次第に億劫になる。けれど、若い友人はアクティブで、いろいろなことを生活に取り入れている。彼らの「好きなアーティストの情報や週末の過ごし方、よく行くお店」などを聞くだけでも刺激になる。私も聴いてみたら結構よくてハマってしまった曲があるし、リアル謎解きゲームなど、新しい遊びも知ることができて毎日がより楽しくなったし、彼らの情報がいろいろなヒントにもなっている。
2.成長を見守る楽しみ
本では「一般企業で役員まで上り詰める人は、若い頃から『ジジ殺し』の素養があったと思える」と言う話が紹介されている。年上の人に可愛がられる人は、出世しやすいというのは、うなずける。例えば年上のグループと年下のグループで分かれて飲んでいる時に、挨拶もしない人もいれば、こちらのテーブルにやってきてお酒をついだりしながら楽しく語る人もいる。後者のほうがウケがいいのは間違いない。
20歳下であれば、誰でもいいというわけではない。礼儀をわきまえていて、仕事に熱心で、先行きが楽しみな人と仲良くしたいと私も思う。将来性ある若者と仲良くなると、彼らはすごいスピードで成長するので、応援のしがいもある。自分が見込んだ人が、どんどん伸びていくのは嬉しいし、さらに伸びるよう助言する楽しみもある。向こうもアドバイスを求めてくるし、お互いに有意義な関係を築けるのだ。
3.アンチエイジング効果
本では、20歳下の友人と過ごすとアンチエイジング効果がある気がすると書かれている。それは、若い友人や恋人がいる人が共通して感じる感覚である。「一緒にいるだけで元気になるような気がする」と書かれているけれど、まさにそんな感じだ。隣にいるだけで、こちらの細胞までもがつられて生き生きと動き出しているかのような感覚になる。
若い人たちは、アクティブで、夢もあり、とにかく一所懸命で、そして目一杯遊ぶ。一緒にいるとその元気を分けてもらえたようで、こちらまでパワーが出る。それをアンチエイジング効果といえばそうなのかもしれない。例えば一緒に街を歩いていて、私は疲れてお茶をしたいのに、もっとこっちも見てみようよ!と彼らはどんどん歩いていく。でもたまには彼らに付き合って思い切り疲れてみるのも心地よいものだ。
20歳下の友達は、どこに行けば作れるのか。本では異業種交流会が勧められていた。確かにそういう場には、起業を目指しているような若者がしばしば参加している。また、何らかの勉強会に出るのも、勉強と友人作りと両方できていいだろう。最近はSNSなどで読書会や勉強会や朝食会などもしばしば開催されているので、そうした場所に出向くのもいい。年上すぎて友達になってもらえるだろうかと臆せずに、積極的に親しげに話しかければ、年齢差など関係のない友情が生まれるはずだ。
(文・内藤みか)
【参考文献】
ポジティブな人生を送るために50歳からやっておきたい51のこと
著者:麻野進
出版社:かんき出版
現役50代の人事コンサルタントが語るアラフィフ(R50)世代の処世術。50代は人生でもっとも輝くゴールデンエイジである。サラリーマン人生のなかで可処分所得も多く、周囲のメンバーからは一目置かれる存在。残業は体力ある若手に任せればいいし、社内外の人脈も最大級。家庭サービスからも解放され、休日は自分のために時間が使える。プロ野球にたとえるなら実績あるFA選手だろう。ところが覇気なく老け込んでいる人も多い。出世競争に決着がついたからか?子どもが成人して気が抜けた? 親や自身の健康不安か?残り人生を惰性でやり過ごそうとしたら、下り坂を転げ落ちる可能性が高い。じつは、50代はもうひと花ふた花も咲かせることができるリソースを積み上げてきた年代だ。本書は50歳から始める黄金の30年を謳歌するためにほんの少し気づいてほしいこと、行動してほしいことをまとめたリアル50歳の教科書だ。
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