一攫千金を狙う人々が採掘に押し寄せるゴールドラッシュ。米国を舞台に、そんなゴールドラッシュが再び起こるかもしれません。南部のアーカンソー州にすごいお宝があることが判明したのです。
米国地質調査所の調査でわかったのは、同州に眠るリチウムの鉱山。量にすると500万トンから1900万トンはあるとみられます。
リチウムは、電気自動車(EV)のバッテリーに必要な金属。ガソリン車からEVが主流になっていく今後は、ますます需要が増えていく存在です。驚くべきことに、今回見つかったリチウムは、米国で今後10年間必要になるEVのニーズの9倍に相当する量。2030年までの世界のEVの需要を満たすほどといいます。
しかし、これだけのお宝があっても、現在、アーカンソー州ではリチウムの商業生産は行われていないのが実情。そこで米国エネルギー省は、リチウム採掘会社と協議を行うほか、最大2億2500万ドル(約340億円)を投じてリチウム処理施設を建設するプロジェクトを検討しているそうです。
ただし、リチウムの生産には土壌や水を汚染させ、周辺地域の人々や動物に健康リスクをもたらす可能性があり、プロジェクトには環境保護庁の承認が必要とのこと。
それらの問題がクリアになってプロジェクトが始まれば、一昔前のゴールドラッシュさながらに、多くの人々がリチウム生産の仕事のためにこの地域に集まってくることになるかもしれません。
【主な参考記事】
Daily Mail. Southern state could become ‘white gold’ boom town after $150 billion lithium reserve discovery. October 23 2024