気持ちよく晴れた日にはベランダの手すりに布団がズラリ……という光景も今は昔。最近は、共働きで日中家にいなかったり、花粉やPM2.5が気になったり、なかにはマンションの規約から布団の天日干しができなかったり、というお宅も増えています。
そんななか、需要を伸ばしているのが布団乾燥機。こうした社会情勢の変化に加え、布団の湿気が睡眠環境に与える影響なども言及されるようになり、導入する人が増えているのです。今回は、なかでもひときわコンパクトで手軽に使えると好評のアイリスオーヤマのふとん乾燥機「カラリエ FK-C2」(実売価格1万3824円)を使ってみました。
ホースの両側からも温風が出るため広い範囲に温風が届く!
そもそも布団乾燥機を身近にしてくれたのは、2012年に象印から登場した布団乾燥機「スマートドライ」です。従来の布団乾燥機は、マットを布団全体に広げる必要があって面倒だったのですが、マット不要の象印の「スマートドライ」が登場し、大ヒット。その後、各メーカーからもマット不要タイプが次々とリリースされ、布団乾燥機のすそ野が広がったという経緯があります。今回使用したアイリスオーヤマの布団乾燥機もマット不要タイプ。ホースの先端を布団の中に差し込み、スイッチを押すだけで簡単に布団を乾燥させることができます。
ちなみに本機は、ホースの先端からだけでなく、両側からも温風が吹き出るため、ダブルサイズの布団に対応すると言います。あいにくわが家にダブルサイズの布団はないのですが、シングルで使えばなお乾燥効果が高まるのでは、と期待してしまいます。
「あたため」「夏」「ダニ」など多彩なモードを用意
では、実際に布団乾燥をしてみましょう。温度がどこまで行きわたっているかを確かめるため、温度計を布団の真ん中と端の2か所に置き(どちらも温度は約22℃を表示)、掛け布団をかけました。設定には「自動」と「手動」がありますが、時節柄、寒い冬に布団を乾燥したいときのための「冬」モードを選択。約65℃の高温温風で60分乾燥させるというものです。
設置も設定も簡単で、あとは60分待つだけ。ちなみに「あたため」は、高温温風で20分だけ温めるため、寒い冬でも気持ちよく布団に入れます。「夏」モードは、60分間高温温風で乾燥させた後、20分の送風で熱気を取り除くという心遣い。「ダニ」モードは、高温温風を100分間吹き出します。
布団が軽くなった印象で快適に睡眠できた
さて、60分経って運転が終了。掛け布団が気持ちふっくらした感じで、上から触ってもほのかな温かさを感じます。最初は22℃前後だった温度計は、真ん中の温度計を見てみるとエラー表示で、おそらく50℃を超えたと思われます。一方、端に置いた温度計は、40℃とほどよく温まった様子。さすがダブルサイズ用だけあって、シングルの端までちゃんと風が行き届いていました。
ちなみに湿度についても、乾燥前は48%を示していた布団の中ですが、乾燥後は19%になっていたので、しっかり乾燥してくれたようです。おかげで夜は気持ち軽くなった布団で、快適に眠ることができました。
この軽さ・サイズ感でパワフルな温風が出るのは驚き
設置も設定も簡単、しかも布団乾燥性能も満足レベルなカラリエですが、特筆したいのは、その軽さとコンパクトさ。重さ約1.8kgと軽量で、サイズも牛乳パック2本ぶん程度しかありません。象印のRF-AB20は約4.1kg、日立のHFK-V330は約4.0kgと、他社製品と比べてみれば、それがいかに軽いかがよくわかるはず。
これだけ軽いと、取り出したり、しまったり、隣の部屋へ移動したり……が実にラク。おっくうに思うことなく、それこそご年配の方でも毎日使えそう。このサイズ感で、あれだけパワフルな温風が出るとはさすがです。
アタッチメントを使えば靴もしっかり乾かせる!
本機は、布団乾燥のほか、靴乾燥機としても使えるのがウリ。先端に、吹き出し口が2つに分かれた「くつ乾燥アタッチメント」をつけ、靴の中に差し込めば、靴の内部までしっかり乾燥してくれます。
このとき使うのは、自動ではなく手動モードで、布製の靴なら高温(約65℃)で60分、革製なら送風(ほぼ室温)で120分を選択します。試しに、ふだん履いているキャンバス地のスニーカーを洗って乾燥させてみました。送風口に近い中敷きばかり乾くのでは、と心配しましたが、高温60分で見事に全体がパリッパリに乾きました!
これだけ乾くのなら、洗ったときはもちろん、急な雨に降られたとき、子どもが上履きを洗い忘れたときも大活躍してくれそう。一日中履いて、汗で湿ってしまったブーツの乾燥にも重宝します。
使ってみて実感したのが、布団乾燥機に大切なのは、手軽さと軽さだということ。乾燥性能はもちろんですが、わずか1.8kgという軽さは、面倒さを感じさせず、毎日使い続けることができます。玄関先にサッと持ち運べば、靴も乾かせる汎用性も魅力。正直、デザイン面は惜しいですが、それでも初めて布団乾燥機を使うという人、買ってもうまく使いこなせるか心配という人には、ぜひオススメしたい1台です。