TCL JAPAN ELECTRONICSは4月24日、量子ドットMini LEDの4Kテレビ2シリーズ4モデルを含む、新製品を大量に発表しました。事前に製品の説明を受けたので、その様子をレポートしていきます。まず主な製品ラインアップは下記のとおりです。
X11K/フラッグシップモデル 量子ドットMini LED4Kテレビ(98V型)
C8K/プレミアム量子ドットMini LED 4Kテレビ(98V型、85V型、75V型、65V型)
C7K/量子ドットMini LED 4Kテレビ(98V型、85V型、75V型、65V型、55V型)
C6K/量子ドットMini LED 4Kテレビ(98V型、85V型、75V型、65V型、55V型)
価格はX11Kが200万円前後、C8Kは36万円前後~(65V型)、C7Kは20万円前後~(55V型)、C6Kは14万円前後~(55V型)です。
新製品のなかでも注目なのは、プレミアムモデルに位置づけられるC8Kです。フラッグシップのX11Kと同等の高画質技術を搭載しながら、65V型で36万円前後とお手頃な価格におさまっています。また、テレビの非表示領域をほとんどなくしたベゼルレスデザインもポイントです。

フラッグシップ以外にも採用されたユニークな高画質技術
高画質技術についてのトピックは、映像内の明るい部分で光が暗い部分にもれてしまって輪郭がにじむ「ハロー現象」を抑える「全領域ハロー制御テクノロジー」を搭載。X11KとC8K、C7K、C6K(Cシリーズ)共通で内蔵された技術です。
この全領域ハロー制御テクノロジーを実現するために、2024年モデルに比べて53.8%明るくなった発光チップや、チップが発光する光を均一に調光してパネルに送るマイクロレンズ、明暗のディテールを強化するアルゴリズムなど、7つの技術を採用しています。


また、バックライトをゾーンレベルではなく、ピクセルレベルで制御する「プレサイスローカルディミング」も搭載。それぞれのバックライトで光の干渉を抑えることができるため、ゾーン制御よりも自然なコントラストを実現したそうです。こちらもX11KとCシリーズで共通。

さらにAI映像エンジン「AiPQ Proプロセッサー」を内蔵し、画質と環境に応じて映像を最適化します。シーンに合わせて明瞭やコントラストを調整する「Aiシーン」やSDR映像をHDRにアップコンバートする「Ai-HDR」、映像と視聴環境の明るさを分析して適切なコントラストにする「Aiコントラスト」など、6つの高画質化機能をそろえました。これもX11KとCシリーズ共通です。
音質においては、大画面テレビでは珍しいBang&Olufsen(B&O)と共同開発した音響システムを搭載しました。今回の製品に合わせて、スピーカーの設計からチューニングまでをB&Oが担当しています。そのためか、詳細なスピーカー構成や出力などは非公開です。B&OのスピーカーはX11K、C8K、C7Kに搭載されています。

テレビの非表示領域をなくしたC8K、フラットデザインに仕上げたX11K
注目のC8Kにおいて、独自のポイントとして挙げられるのは「Virtually ZeroBorder」です。通常テレビ画面の端に黒い非表示領域があるものですが、C8Kではこの非表示領域をほとんどなくしています。これによって、たとえば壁掛け設置をした際に、映像が浮いているかのように見え、高い没入感を得られます。Virtually ZeroBorderはフラッグシップのX11Kにはない仕様です。

ではX11Kの独自ポイントはなにかというと、本体背面の曲線をなくし、完全なフラットデザインを実現したことです。さらに本体の厚さは29.9mmとかなり薄くしています。


また、C8KとX11Kで明るさとプレサイスローカルディミングで制御するピクセルの個数に違いがあります。C8Kは5000nits/3600個以上の制御で、X11Kは6500nits/1万個以上の制御なので、見比べるとおそらく画質に違いが出てくるでしょう。
テレビにいち早く量子ドットを使うなど、独自の技術で高画質化を進めてきたTCL。今回の新製品もハローを抑える技術やバックライトをピクセルごとに制御する技術など、ほかでは押し出さない特徴をメインに据えています。またB&Oの音響システムも見どころでしょう。
それでいて、Cシリーズは大画面でも手が届きやすい価格を実現しています。高画質・高音質・大画面なテレビを少しでもオトクに手にしたいと考えるのであれば検討したい1台です。
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