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2017/3/31 18:20

参加者から思わず驚きの声が――Boseの最新ノイズキャンセリング技術を学ぶワークショップで“静寂”を体験

2017年3月27日(月)、28日(火)に、東京・原宿にある「avex life design lab」でオーディオメーカーのBoseのノイズキャンセリングヘッドホン「QuietControl 30 wireless headphones」を使った体験ワークショップが開催されました。今回は、28日に開催されたワークショップに参加した体験レポートをお届けします。

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↑QuietControl 30 wireless headphones

 

クイズ形式でボーズ博士を紐解く

今回のワークショップは、エイベックス、アクトオンTV、そしてGetNaviによる合同企画。会場には、オーディオやノイズキャンセリングヘッドホンに興味のある一般の方々、約20名ほどが参加されていました。カフェスタイルの会場となっており、アルコールも含めたドリンクを飲みながら、リラックスムード。大人な雰囲気のワークショップです。

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司会進行役はavex life design labの飯崎俊彦さん。講師として、オーディオ&ビジュアル評論家の小原由夫さんとGetNavi編集長の野村純也さんが登壇しました。

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↑GetNavi編集長の野村純也さん(右)とオーディオ&ビジュアル評論家の小原由夫さん(左)

 

まずはBose社の創業者である、アマー・G.ボーズ博士にまつわるクイズから。小原さんの軽快なトークで、会場はさらに和やかな雰囲気に。

 

ボーズ博士は高校生のときからラジオ修理業を始めていたこと、Boseが初めて作ったスピーカー「2201」は大きく重く売れなかったこと、実は自動車のサスペンションの開発も行っていたことなどが講師の2人から語られます。

 

最後には、ボーズ博士はとても身長が高かったという豆知識も。写真や映像ではわかりづらいのですが、実際に会った人の話によると190cmくらいはあったのではないかということです。ボーズ博士の考え方、そしてBose社の知られざる面がわかるセクションでした。

 

ノイズキャンセリングとは? 基礎を解説

次のセクションは、ノイズキャンセリングについての基礎知識の解説です。ノイズキャンセリング技術の開発は、ボーズ博士がヨーロッパから飛行機に乗ったときに、ヘッドセットで音楽を聞こうとしたら、飛行機特有のノイズが気になって集中できなかったことがことの始まり。そのときに、ボーズ博士はノイズキャンセリングの仕組みを思いつき、ヨーロッパからアメリカに戻る間に基本的な計算式を書き上げていたということです。それが1978年のこと。

 

ノイズキャンセリングの仕組みを簡単に解説すると、ノイズの波長と真逆の波長を電気的に作り出すことで、ノイズを打ち消すというもの。基本的なノイズキャンセリングの概念は同じだが、各メーカーによりその方法は異なるということです。

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1978年にノイズキャンセリングの技術を思いついたボーズ博士。そのプロトタイプが完成するのは1986年。8年もの歳月が流れていました。最初のプロトタイプは世界初の無着陸・無給油世界一周飛行を達成した飛行機「ルータンボイジャー1号」に提供され、実際に使われました。その後1989年に航空機パイロット向けのヘッドセット「Avitation Headset」の販売が開始。これが初の製品化となります。

 

2001年には世界初のコンシューマー向けオーバーヘッド型ノイズキャンセリングヘッドホン「QuietComfort」を発売。発想から商品化まで、10年の歳月と約50億円もの研究開発費がかかったというのは、語り草になっているそうです。

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ノイズキャンセリング技術について学んだところで、一旦休憩。会場には軽食が用意され、それらを食べながら自由に歓談することができます。また、歴代のBoseノイズキャンセリングヘッドホンが展示されており、参加者は自由に閲覧可能。2006年のトリノ冬季五輪で、フィギュアスケートの荒川静香選手が使っていたことで有名になった「QuietComfort2」も展示(シルバーモデル)。Boseの方も解説員として参加しており、参加者のみなさんからの質問に答えていました。

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↑歴代シリーズについて質問する参加者も

 

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↑自由に試聴することもできます

 

ノイズキャンセリングの新しい世界を体感

休憩後は、お待ちかねのノイズキャンセル最新製品「QuietControl 30 wireless headphones」(QC30)の試聴です。会場では参加者一人にひとつQC30が用意され、自分のスマホとつないで音楽を聴きながら、最新のノイズキャンセリング技術の効果を体験することができました。

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このQC30が今までのノイズキャンセリングヘッドホンと異なるのは、専用アプリ「Bose Connect」からノイズキャンセリング効果の調整が可能なところ。周囲の騒音を遮断して集中したいときは効果を最大に、駅のアナウンスなどを聞き逃したくない場面では効果を弱くすることで、様々なシーンでより便利に利用することができるのです。

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↑アプリからタッチ操作でノイズキャンセリング効果の調整が可能

 

ここでサプライズが用意されていました。参加者がQC30で音楽を聴いているあいだに、こっそり会場内に飛行機の中や電車の中の騒音を再現した音声をスピーカーで流します。そして、司会者の合図で一斉にQC30を外すと、初めて会場内に騒音が流されていたことに気付くというもの。QC30を外した参加者のみなさんは、不意の騒音に驚きながら、再度QC30を装着して「すごい!聞こえない!」とそのノイズキャンセリング効果の高さを実感していました。

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↑参加者がQC30で音楽を聴いているあいだに騒音を流します

 

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↑司会者の合図でイヤホンを外すと、そこではじめて飛行機の中にいるような騒音が流れていたことに気づきます

 

筆者も体験してみましたが、結構大きな騒音が流れているのにもかかわらず、ノイズキャンセリングの効果を最大にすると、外音はほとんど聞こえなくなりました。アプリからノイズキャンセリングのレベルを下げると、外音が徐々に聞こえてきます。

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小原さんは「ノイズキャンセリングの調整できる機種はこのQC30が初めて。外音を完全にシャットアウトできるだけではなく、外の音も同時に聞きたいときなどにも便利」と解説。また、「ノイズキャンセリングの効果を調整すれば、音楽の音量を上げなくていいのもメリット。外の音がうるさいと、つい音量を上げてしまいがちだが、大音量で聴くのは耳にはよくない。ノイズキャンセリングヘッドホンなら音量を上げなくてもいいので、難聴にもなりにくいでしょう」と、健康面でもノイズキャンセリングヘッドホンは有用であると述べました。

 

野村編集長は「街を歩きながら音楽を聞く場合は外音も入るように調整すれば、危険が減ります。また、飛行機などでは最大にすれば音楽に没入できる」と、おすすめの使い方をレクチャーしていました。

 

Boseの歴史をまとめた映像を鑑賞

続いてBoseの歴史をまとめた映画のような映像を視聴。ボーズ博士は優れた発明家というだけではなく、よき指導者でもあったということが多くの関係者の口から語られました。映像の最後には、「決して想像力を失ってはいけません。常に前進し、何かを生み出し続けるために。いつもよりよいものを夢見て、それを叶える方法を考えている。それがBoseの存在意義です」というボーズ博士の言葉も紹介されました。

 

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2013年に亡くなったボーズ博士ですが、Bose社は彼の意志を尊重し、今後もこれまでと同様、前進しつづけていくとのこと。創業者でありBoseの理念そのものだったボーズ博士の目指した音は、これからも同社の製品に継承されていくでしょう。

 

最後に、参加者全員にBoseの歴史を記したムック本「BOSE COMPLETE BOOK」と、GetNaviの最新号がおみやげとしてプレゼントされました。

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休憩時間も含め約2時間に及ぶイベントでしたが、ノイズキャンセリングヘッドホンやBoseという企業の歴史について深く学ぶことができた有意義なワークショップでした。

 

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