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2017/5/31 20:12

ミラーレス一眼の新たな可能性を体現! ソニーα9が「時代を変える1台」ともてはやされるワケ

高画素機や高感度機がそろうソニーのα7シリーズの上位モデルとして、高速連写に重点を置いた「α9」が登場した。高速データ読み出しが可能な「メモリー内蔵積層型CMOSセンサー」採用で、電子式シャッター使用時に約20コマ/秒での連写が可能。しかも、連写中に画面がブラックアウトすることもない。画面の約93%をカバーする693点の像面位相差AFにも対応し、被写体を追従しながら連写できる。

 

こうした連写性能は、従来のミラーレス一眼だけでなく一眼レフでも実現が難しく、「写真やカメラの時代を変える1台」として注目を集めている。ここでは、そうしたα9の連写性能などを実現した技術を詳細に解説する。

↑約20コマ/秒の高速連写に対応したことで、プロのスポーツカメラマンなどからも注目を集めるα9.2020年の東京オリンピックで使用される可能性も高い!?
↑約20コマ/秒の高速連写に対応したことで、プロのスポーツカメラマンなどからも注目を集めるα9。5月26日より発売中で、参考価格は53万8790円(ボディ)

 

連写性能に加えて常用ISO感度も最高51200と高め

撮像素子は2420万画素と、α7IIの2430万画素とほぼ同等だが、連写速度はα7IIの約5コマ/秒に対し、α9は約20コマ/秒と差は圧倒的だ。ただし、α9も機械式シャッター使用時は約5コマ/秒となる。とはいえ、α7IIに電子式シャッターは採用されておらず、ブラックアウトなしで撮れるα9なら、プロスポーツの撮影などにも対応できるほど。さらに、常用ISO感度も最高51200と高めで、4K動画撮影時もISO51200が使える。

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ドライブモードダイヤルの新設で素早く連写を利用可能

α7シリーズと基本デザインは同じだが、ボディの左手側天面にドライブモードダイヤルやAFモードダイヤルを新設。連写設定がより素早く行える。背面には、AFエリア選択が行える「マルチセレクタージョイスティック」が配置され、AFエリアの選択もスピーディに行えるようになった。

↑α7RII(左)とα9(右)。ドライブモードダイヤルの追加のほか、カスタムボタンや動画撮影ボタンなどの配置が変更されているが、基本的なレイアウトは従来機同様。背面のコントロールホイールが大きくなり、操作しやすくなっている。
↑α7RII(左)とα9(右)。ドライブモードダイヤルの追加のほか、カスタムボタンや動画撮影ボタンなどの配置が変更されているが、基本的なレイアウトは従来機同様。背面のコントロールホイールが大きくなり、操作しやすくなっている

 

↑電子シャッター使用時の連写は「H」で約20コマ/秒、「M」で約10コマ/ 秒、「L」約5コマ/ 秒
↑電子シャッター使用時の連写は「H」で約20コマ/秒、「M」で約10コマ/ 秒、「L」約5コマ/ 秒

 

↑動画ボタンが背面に移設され、動画撮影も行いやすい
↑動画ボタンが背面に移設され、動画撮影も行いやすい

 

メモリー内蔵の新型センサーで光を絶え間なく捉え続ける

撮影直後のブラックアウトなしでの約20コマ/ 秒連写は、新型撮像素子「Exmor RS CMOSセンサー」の採用によるところが大きい。これは、メモリー内蔵積層型CMOSセンサーという構造で、データを一時的に蓄えるメモリーを撮像素子と一体化することで、撮像素子からのデータを途切れなく映像化できる仕組みになっている。さらに像面位相差AFも採用し、連写中の高速AFも実現している。

↑従来型センサーは、画像データを直接、画像処理エンジンに送るため、エンジンの負担が増えると画面表示がブラックアウトした。新型は、メモリーにデータを蓄えることでエンジンの負担が軽減されている
↑従来型センサーは、画像データを直接、画像処理エンジンに送るため、エンジンの負担が増えると画面表示がブラックアウトした。新型は、メモリーにデータを蓄えることでエンジンの負担が軽減されている

 

フルサイズセンサーを裏面照射型にして低ノイズでの高感度撮影を実現

α9の撮像素子は「裏面照射型」と呼ばれる構造が採用され、多くの光が撮像面に届くようになっている。さらに従来はアルミだった配線を、情報伝達が速くて伝達率にも優れた銅配線とすることで、高速かつ低ノイズ化を進めている。これらの工夫により、高感度でも高い画質が得られる。

↑従来型のセンサーは、集光レンズと受光面の間に配線があり、光が遮られていた。裏面照射型では撮像面の裏に配線が置かれ、より多くの光が撮像面に届くようになった
↑従来型のセンサーは、集光レンズと受光面の間に配線があり、光が遮られていた。裏面照射型では撮像面の裏に配線が置かれ、より多くの光が撮像面に届くようになった

 

プロの使用にも耐える堅牢ボディ+豊富なオプションで撮影シーンを選ばない

α9は、オリンピックなどでの本格的なスポーツ撮影まで意識した、プロ仕様の一眼だ。ボディの堅牢性や耐久性、撮影したデータの確実な保存などに配慮した仕様となっている。マグネシウム合金ボディや防塵・防滴構造の採用はもちろんのこと、SD/MSカードのデュアルスロット搭載で、画像の転送もWi-FiやBluetoothに加えて、有線LAN接続にも対応。さらに、縦位置グリップなどのオプションも豊富に用意されている。

↑パーツの繋ぎ目にはシーリングが施され、雨天時などでも安心して撮影できる
↑パーツの繋ぎ目にはシーリングが施され、雨天時などでも安心して撮影できる

 

↑ボディシェルはマグネシウム合金製で堅牢性が高い。マウント部も強化され、重量級のレンズを装着しても安心感がある
↑ボディシェルはマグネシウム合金製で堅牢性が高い。マウント部も強化され、重量級のレンズを装着しても安心感がある

 

↑メモリーカードスロットは、SD/MSカード両対応のデュアルスロットを採用している。SDカードは、高速なUHS-IIにも対応
↑メモリーカードスロットは、SD/MSカード両対応のデュアルスロットを採用している。SDカードは、高速なUHS-IIにも対応

 

↑縦位置グリップは、専用のVG-C3EM(参考価格/ 3万6990 円)を用意。バッテリーを2 本挿入でき、長時間撮影に対応可能だ
↑縦位置グリップは、専用のVG-C3EM(参考価格/ 3万6990 円)を用意。バッテリーを2本挿入でき、長時間撮影に対応可能だ

 

α9で使いたいGマスターシリーズの超望遠ズームも登場

高画質設計レンズの「Gマスター」シリーズに100~400ミリレンズが登場。特殊低分散ガラス3枚を採用することで収差が少なく、ズーム全域で高い解像力を保つ。ボケ描写が美しく、ナノARコーティングでフレアやゴーストも発生しにくい。α9や高画素なα7RIIと組み合わせたいレンズだ。

↑ソニー FE 100~400ミリ F4.5-5.6 GM OSS 発売予定/ 5月26日 参考価格/ 53万8790円
↑ソニー FE 100~400ミリ F4.5-5.6 GM OSS。7月発売予定で、希望小売価格は税別32万円。●マウント/ソニーEマウント ●最短撮影距離/0.98m ●最大撮影倍率/0.35倍 ●フィルター径/77㎜ ●大きさ/93.9×205㎜ ●質量/1395g(三脚座別)

 

【α9外観】

正面
↑正面

 

背面
↑背面

 

天面
↑天面