一眼レフなどのレンズ交換式カメラの醍醐味は、使用レンズによって写真表現が大きく変わることだ。とはいえ、どんなレンズが最適かつ高性能なのかがカメラ本体に比べてわかりにくく、レンズ選びはなかなか難しい。もちろん、使用するカメラのマウントによって使えるレンズは限られるし、どんな種類(広角、望遠、マクロ、高倍率ズームなど)のレンズが必要かも、撮影する被写体や撮りたいイメージによって大きく変わってくる。
さらに、交換レンズにはカメラメーカー純正品だけでなく、レンズメーカーの製品も数多く存在している。そこで今回は、10万円以下のレンズに絞って、筆者が“優秀だけどお買い得”と感じている10本をノミネート。特に優秀な5本については、実際に使用した感想をもとに順位付けした。今回は、ノミネートした10本と第5位のレンズを発表!
![↑超広角から超望遠まで、10万円以下でもさまざまなタイプの交換レンズが選択可能だ。なかでもベストなレンズは……](https://getnavi.jp/wps/wp-content/uploads/2017/07/20170725_kohno_001.jpg)
【評価ポイント】レンズの種類を重視して使用感や性能をチェック
レンズのノミネートにあたっては、まずレンズの種類を重視。これは、どんなに優秀でも「大口径望遠ズームだけになった」という結果を避け、標準、広角、望遠、マクロ、高倍率ズームなどをまんべんなく選ぶためだ。それでいて、レンズキットやダブルズームキットとは一味違う描写や表現が得られ、使用感や操作性も良好、かつ多くの人にとってお買い得感が得られる実売価格“10万円以下”の製品を選んだ(下の表参照)。ノミネートの過半数をレンズメーカー製が占めたが、仕様や性能にこだわりながら費用を抑えようとすると、やはりレンズメーカー製に分があるということだ。
![↑F値の明るさも重要だが、手ブレ補正機能の有無もポイント。やや暗めのレンズでも手持ち撮影できるシーンが多くなる](https://getnavi.jp/wps/wp-content/uploads/2017/07/20170725_kohno_002.jpg)
![↑ズームやフォーカスのリングの操作性も重要だ。また、鏡筒が長く伸びる高倍率ズームなどは「ズームロック機構」もほしい](https://getnavi.jp/wps/wp-content/uploads/2017/07/20170725_kohno_003.jpg)
![↑10万円以下という制約を設けたため、10本のうち6本をレンズメーカー製が占めた。また、4本の純正レンズのうち3本はマイクロフォーサーズ用となった](https://getnavi.jp/wps/wp-content/uploads/2017/07/20170725_kohno_a.jpg)
【第5位】タムロン 28〜300mm F3.5-5.6 Di VC PZD
フルサイズデジタル一眼レフの普及に合わせて外観デザインを一新。LDレンズ4枚を使用するなど、描写や機能にも磨きをかけた小型軽量な高倍率ズーム。手ブレ補正も強化され、簡易防滴構造も採用した。
![↑●対応フォーマット/フルサイズ ●対応マウント/キヤノンEF、ニコンF、ソニーA ●レンズ構成/15群19枚 ●最短撮影距離/0.49m ●最大撮影倍率/約0.29倍 ●フィルター径/67㎜ ●大きさ/96×74.4㎜ ●重さ/540g ●参考価格/6万1430円](https://getnavi.jp/wps/wp-content/uploads/2017/07/20170725_kohno_005.jpg)
【機能・性能】LDレンズなどの採用で小型&高画質
本製品は、3枚のガラスモールド非球面レンズ、LDレンズやUXRレンズなどの採用により、高性能化と同時にさらなる小型化も達成。AF駆動に超音波モーター「PZD」を採用することで、AFの高速化と静音化も実現している。また、AFモードのまま切り替えナシでMFが可能なフルタイムマニュアルフォーカスにも対応した。特にこのレンズは手ブレ補正「VC」が強力で、F値は暗めながら広角から望遠まで手持ちで安心して使える。7枚羽根の「円形絞り」や、逆光でもクリアでヌケの良い描写が得られる「BBARコーディング」なども採用され、高倍率ズームとは思えない優れた描写が得られる。
![↑長さ96㎜で重さ540グラム。フルサイズ対応の高倍率ズームとしては非常に小型で軽量。この1本で300ミリまでをカバーできるのはありがたい。常用レンズとして非常に魅力的](https://getnavi.jp/wps/wp-content/uploads/2017/07/20170725_kohno_004.jpg)
【実写】望遠端の絞り開放でもシャープな写り
「28~300mm」の高倍率ズームは、利便性や速写性の高いレンズだ。だが、フルサイズ対応だと大きさや重さが心配。事実、純正を選ぶとキヤノンが1600g超、ニコンが800g超となっている。本製品は望遠端の開放をF6.3に抑えることで(前述の2本はF5.6)500g台を実現。軽快なフルサイズ対応高倍率ズームを探すと、この製品にたどり着くだろう。さらに、最新の光学技術を駆使した設計&作りで、望遠端で絞り開放というシビアな条件でも、画面周辺までクリアでシャープな描写が得られた。また、補正効果に定評のある手ブレ補正機構「VC」もファインダー上でその効きが実感できる。
![↑上がワイド端の28mm、下がテレ端の300mmで同じ位置から撮影。ズーム倍率約10.7倍で広角端「28ミリ」では、目の前の風景が広く写せる。望遠端「300ミリ」では、望遠鏡のような感覚で被写体を大きく切り取れる](https://getnavi.jp/wps/wp-content/uploads/2017/07/20170725_kohno_007.jpg)
![↑近づけない被写体もズームで大きく写せる。これが高倍率ズームの醍醐味で、中望遠域までの標準ズームとは違う強み。また、その際の描写は、シャープさだけでなく周辺光量やボケ描写に関しても納得いく写り。300mm相当 シャッター優先オート(F6.3 1/250秒) ISO1800 WB:オート](https://getnavi.jp/wps/wp-content/uploads/2017/07/20170725_kohno_005-1.jpg)
(次回に続く)