AV
カメラ
2018/1/8 18:00

10万円前後の「ミラーレス一眼」で最も万能なのはどれ? オリンパス/富士/ソニー/キヤノンを4項目比較

最近のミラーレス一眼は、一眼レフを超える勢いでカメラ市場を牽引中。特に熱いのは、実売10万円前後のミドルクラス機です。今回は、そんな人気の中級ミラーレス一眼4モデルを同時にテストし、その総合性能=万能性を検証。4項目を5点満点で評価しました。

 

【テストした人】

カメラマン 永山昌克さん

雑誌やWEB媒体で撮影と執筆を行う。休日は小さなカメラを持って子どもの成長記録を撮ることに余念がない。

 

画質とAFはハイレベル!操作性はそれぞれ個性アリ

「ミラーレス一眼は、携帯性に優れるがスピードや操作性に課題がある」と言われていたのは昔の話。最近のミラーレス一眼は、画質はもちろん、使い勝手の面でも一眼レフに引けを取らないレベルに達しつつあります。今回のミドルクラス4製品のテストでは、大きく進化した最新ミラーレス一眼の実力をまざまざと感じることができました。

 

特に感心したのは、動体に対してもしっかりと追従するAFと連写のレスポンスのよさです。オモチャの電車のほかに、本物の電車や走り回る子どもの撮影も試したが、いずれもストレスを覚えることなく、快適に撮影が楽しめました。

 

操作に関しては、メーカーごとに個性があり、人によって向き不向きが別れるでしょう。EVFやチルト可動の有無、ボディサイズや質量、グリップ感などにも差があるので、これらは要チェックです。

 

ファインダーを重視して一眼レフ、趣味性を優先して高級コンパクトという選択もありますが、なんでも撮りたいと考えるなら、「万能」なミラーレス一眼がオススメです。

 

【その1】

強力な手ブレ補正と握りやすいボディが魅力

20171222_yamauchi_45

オリンパス

OM-DE-M10 MarkⅢ(画像右)

実売価格8万4860円(ボディ)、10万6450円(ダブルズームキット)

小さなボディに強力な5軸手ブレ補正を内蔵。薄型ながらしっかりと握れるグリップを備えるほか、左右のバランスが取れた正統派デザインも魅力。メニュー画面などのUIが前モデルよりシンプル化し、ビギナーでもわかりやすくなりました。SPEC●レンズマウント:マイクロフォーサーズ●EVF:約236万ドット●サイズ:W121.5×H83.6×D49.5㎜●有効約1605万画素●4/3型センサー●3.0型チルト式液晶●約410g

 

20171222_yamauchi_46

「AP」モードを新搭載。星空や夜景を手軽に美しく撮れる「ライブコンポジット」などの独自機能をスムーズに選べます。

 

【CHECK01】画質:4

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ほかの3台より画素数がやや少なく、細部表現では少し不利。クリアな色と滑らかな階調には好印象。

 

【CHECK02】AF:3 合焦率50%

20171222_yamauchi_11

位相差AFに非対応のため、室内の動体AFは苦戦。屋外での電車の撮影では、まずまず良好な性能でした。

 

【CHECK03】操作性:4

20171222_yamauchi_49

大型のダイヤルや光軸上に配置したEVFなど、カメラとしての使い勝手は上々。さらにチルト式液晶も備えます。

 

【CHECK04】スマホ連携:4

20171222_yamauchi_02

BluetoothやNFCは非搭載。画面に表示させたQRコードを使って素早くWi-Fi接続ができるのが◎。

 

【その2】

高画質と高速連写を両立した小型モデル

20171222_yamauchi_45

富士フイルム

X-E3(画像左)

実売価格10万7990円(ボディ)、14万2250円(レンズキット)

X-T2などの上位製品と同等のセンサー&エンジンを搭載しつつ、レンジファインダーカメラ風の薄型軽量デザインを採用。高精細なEVFやタッチ対応液晶を備えており、AFや連写も従来機より大きく進化した。ストロボは非搭載。SPEC●レンズマウント:Xマウント●EVF:約236万ドット●サイズ:W121.3×H73.9×D42.7㎜●有効約2430万画素●APS-Cセンサー●3.0型液晶●約337g

20171222_yamauchi_50

連写スピードは、メカシャッターで最高8コマ/秒。さらに、電子シャッターでは14コマ/秒という超高速に対応します。

 

【CHECK01】画質:5

20171222_yamauchi_51

緑や肌の色が美しい発色。高感度画質も低ノイズで、キットレンズも隅まで精密に解像する一段上のものです。

 

【CHECK02】AF:4 合焦率80%

20171222_yamauchi_07

画面の広範囲をカバーする位相差AFによって、快適なAF性能を実現。追従特性のカスタマイズも可能です。

 

【CHECK03】操作性:3

20171222_yamauchi_42

一般的な十字キーは非搭載。スティックとタッチパネルで各種設定を行う独自のスタイルは少々とまどいます。

 

【CHECK04】スマホ連携:4

20171222_yamauchi_03

Xシリーズでは初めてBluetoothに対応。スマホと常時接続しておき、必要なときに素早く連携できます。

 

【その3】

4K動画撮影にも対応した最上位APS-Cセンサー機

20171222_yamauchi_04

ソニー

α6500(画像右)

実売価格15万3720円(ボディ)

APS-CセンサーのソニーEマウント機として最上位に位置し、発売以来、高い評価を得ている人気機種。小型ボディにEVFとチルト液晶を備えており、ボディ内手ブレ補正も搭載。防塵防滴仕様で、秒間最大約11コマの連写にも対応します。SPEC●レンズマウント:Eマウント●EVF:約236万ドット●サイズ:W120×H66.9×D53.3㎜●有効約2420万画素●APS-Cセンサー●3.0型チルト式液晶●約453g

20171222_yamauchi_05

動画は全画素読み出しの4K記録に対応。6K相当の情報量を凝縮して4K記録する仕組みで、非常に高精細な映像が得られます。

 

【CHECK01】画質:4

20171222_yamauchi_06

良好な解像感と見栄えのする発色で、滑らかな階調が見事。標準ズームは、周辺画質がやや甘いのが惜しいです。

 

【CHECK02】AF:5 合焦率 93%

20171222_yamauchi_00

4Dフォーカスシステムと呼ぶ425点の位相差AFを搭載。動き回る被写体にもほぼ確実に追従してくれました。

 

【CHECK03】操作性:3

20171222_yamauchi_08

カスタムボタンが豊富で、ダイヤルの操作感も良好。タッチパネルの反応の悪さと液晶の横長さがやや残念。

 

【CHECK04】スマホ連携:4

20171222_yamauchi_14

Bluetooth非搭載も、Wi-Fi、NFC、QRコード接続に対応。カメラにアプリを入れて機能拡張も可能です。

 

【その4】

独自構造のセンサーで高速&広範囲AFを実現

20171222_yamauchi_04

キヤノン

EOS M6(画像左)

実売価格8万7450円(ボディ)、8万8660円(EVFキット)、9万8450円(レンズキット)、10万4230円(ダブルズームキット)

一足先に発売された最上位機EOS M5から、内蔵EVFを省き、外付けオプションとすることで小型軽量化を実現。わかりやすく簡潔にまとまったUIや、オプションのアダプターを介して一眼レフEOS用のレンズが使える点も魅力です。SPEC●レンズマウント:EF-Mマウント●EVF:外付け(実売2万1920円)●サイズ:W112×H68×D44.5㎜●有効約2420万画素●APS-Cセンサー●3.0型チルト式液晶●約390g

20171222_yamauchi_09

最大180度回転するチルト液晶を採用。アングルを問わず、快適に撮影可能で、自分撮りまで無理なく行えます。

 

【CHECK01】画質:4

20171222_yamauchi_10

オート露出とホワイトバランスに安定感があります。どんなシーンでも押すだけで見栄えのいい絵が得られました。

 

【CHECK02】AF:4 合焦率83%

20171222_yamauchi_11

独自の「デュアルピクセルCMOS AF」に対応。動体に対しても的確にピントを合わせ続けてくれました。

 

【CHECK03】操作性:3

20171222_yamauchi_12

ダイヤルで素早く露出補正できるのは◎ですが、特筆すべき点は少なめ。右肩のカスタムボタンは押しやすいです。

 

【CHECK04】スマホ連携:4

20171222_yamauchi_13

Bluetoothにも対応。撮ってすぐスマホに写真を転送したり、スマホをリモコンにして撮影したりできます。