富士フイルムのミラーレス一眼は、長年フィルムを製造し続けてきたメーカーだけに、そのノウハウを生かした「フィルムシミュレーション」や、独自のカラーフィルター配列を用いた「X-Trans CMOSセンサー」を採用するなど、独自性が高い。また、光学性能や鏡筒の材質感、操作性にこだわったXマウント交換レンズに魅了されるファンも多い。近年は中判ミラーレスの発売でも注目を集めている。ここでは、そうした富士フイルムのミラーレス一眼の代表機種を、上級・中級・初級にわけて紹介。それらの特徴について解説する。
【上級機】像面位相差AFや高精細なEVF採用で快適・確実な撮影を実現
Xシリーズミラーレス一眼の旗艦モデルとなるのが「FUJIFILM X-T2」。2430万画素のAPS-Cサイズセンサー「X-Trans CMOS Ⅲ」を搭載し、卓越した高画質を誇る。高速・高精度な像面位相差AFや高精細なEVFなども採用され、快適で確実な撮影を実現。4K動画撮影にも対応する。
【こちらもおすすめ!】EVFとOVFを切り替えられる「X-Pro2」
同社のもう1つの旗艦ミラーレス一眼が、X-Pro2。EVFとOVFを切り替えて使用できる、エレクトロニックレンジファインダー機。クリアで広いファインダー像が特徴だ。2018年1月現在の参考価格は21万1550円(ボディ)。
【中級機】小型軽量ボディでも写りは上位モデル譲り
同社の中級機「FUJIFILM X-T20」は、小型軽量のボディに、直感的に操作できる各種の専用ダイヤルを配置。上位モデル譲りの2430万画素APS-Cセンサー「X-Trans CMOS Ⅲ」と「X-Processor Pro」を搭載しており、画質的にも遜色はない。4K動画撮影機能にも対応する。
【初級機】初心者でもアクティブに撮影が楽しめる軽量モデル
同社の初級機「FUJIFILM X-A3」は、EVF非採用の小型軽量モデルで、レトロなデザインが大きなウリ。1/32000秒まで対応した電子シャッターを搭載するなど機能が充実しており、自撮りに便利な180度回転チルト液晶モニターも装備する。中・上位モデルと違ってX-Trans CMOSセンサーは非搭載ではあるが、タッチ操作に対応するなど必要十分な機能をもつ。初心者でもアクティブに撮影が楽しめる軽量モデルといえる。
【富士フイルム一眼・5つの特徴】独自センサーにより精細で色再現に優れる
富士フイルムのデジタルカメラは、以前から独自センサーを用いることで、同社ならではの写りや高感度性能を実現してきた。Xシリーズのミラーレスカメラも同様で、最近のカメラでは「X-Trans CMOS Ⅲ」が用いられている。また、写真用フィルムの特徴をデジタル写真の仕上がりにフィードバックした「フィルムシミュレーション」なども魅力となっている。
■特徴1/独自センサー
中・上級モデルには、独自の「X-Trans CMOS Ⅲ」を採用する。このタイプのセンサーの特徴は、非周期性の高い(周期パターンを複雑化した)カラーフィルター配列を採用している点。通常のセンサーはローパスフィルターでモアレや偽色を低減するが、若干解像力が低下してしまう。その点、このセンサーなら光学フィルターなしでもモアレや偽色を抑制でき、センサーの解像度を限界まで引き出すことができる。
■特徴2/フィルムシミュレーション
富士フイルムは、PROVIA、Velvia、ASTIA、といったカラーリバーサルフィルムを作り続けてきた。それらの色や階調を再現した描写が得られる仕上がり設定が「フィルムシミュレーション」。カラーネガやモノクロのフィルムなどを想定した設定も用意されている。
■特徴3/専用操作ダイヤル
機能ごとの専用操作ダイヤルを装備している点も、Xシリーズの特徴だ(X-A3は除く)。右手側にはシャッタースピードと露出補正、機種によっては、左手側にドライブや感度ダイヤルも備える。これらのダイヤルで各機能が直感的に設定できるほか、電源オフ時でも設定状態が確認できるというメリットもある。
■特徴4/高感度
「X-Trans CMOS Ⅲ」と画像処理エンジン「X-Processor Pro」の組み合わせは、高感度性能にも寄与する。この点に関しては、実はカタログなどではあまり強調されていない。だが、実際に使用すると、ほかのAPS-Cサイズ機よりも高感度域での解像感に優れ、低ノイズで撮影できる。
特徴5/4K動画
フルHD動画に加えて、X-T2とX-T20は4K動画(3840×2160)撮影機能を搭載。動画でもセンサーの特徴が生き、高精細でモアレやジャギーの少ない動画撮影が堪能できる。また、撮影中に絞りや露出補正などの設定変更も可能で、本格的な撮影が行える。
協力:楽天市場