ネットのコンテンツをテレビで視聴可能にするセットトップボックス(STB)を使えば、配信コンテンツに非対応の少し古いテレビでも、NetflixやHuluなどの「見放題サービス」を楽しめます。ここでは、手持ちのテレビをまだまだ使いたい人にオススメの注目の新製品&定番製品を評価しました。
●各アプリの起動時間は、時間帯を変えて同一環境で複数回測定した平均を掲載しています。また、対応サービスのアイコンは、それぞれ下記を表しています。このほかのアイコンについては後半をご覧ください。
まずは代表的「定額見放題サービス」の内容と価格を紹介
定額で映像作品を楽しめる見放題サービスは種類が多く、それぞれ強みや得意ジャンルに違いがあります。まずは各サービスの料金と特徴を簡単に紹介しましょう。
Netflix 702円/月〜
オリジナル作品が充実。「ナルコス」「フラーハウス」などの人気作を楽しめます。
Hulu 1007円/月
国内外約5万コンテンツ以上を配信。日テレ系の番組に強く、人気バラエティも多数配信しています。
dTV 540円/月
映画やドラマのほかライブなどの音楽コンテンツも充実。約12万作品を配信しています。
DAZN 1890円/月(ドコモユーザー対象の「DAZN for docomo」は1058円/月)
スポーツ専門チャンネル。Jリーグやプロ野球など年間7500以上の主要スポーツが見放題です。
Amazon Prime Video 400円/月(Amazonプライム会員の費用)
日本オリジナルのバラエティ作品や人気映画など数千本以上をプライム会員に独占配信しています。
dTVチャンネル 1382円/月(ドコモユーザーは842円/月。dTVとセットで利用する場合は、ドコモユーザーは1058円/月、それ以外は1598円/月)
エンタメ、キッズなど様々なジャンル計30以上の専門チャンネルが見放題になります。
dアニメストア 432円/月
アニメ専門の見放題サービス。過去の名作から放送中のアニメまで幅広く配信されています。
U-NEXT 2149円/月
映画・ドラマ・アニメなど11万本以上が楽しめて、70誌以上の雑誌も読み放題です。
【STBの選び方】リモコンに求める機能が重要
STBを選ぶときのポイントとして重要なのが、リモコンの機能。よく使う機能だけに対応したシンプルなものから、テレビの操作にも対応した多機能タイプまで、各製品の個性が出ているので、リモコンでどこまで操作したいかに合わせて選ぶという手もあります。
ストレージは、ゲームのようなサイズの大きいアプリを使いたい場合には容量の大きなものを選ぶ必要がありますが、動画配信サービスの利用がメインならそれほど気にする必要はないでしょう。
【その1】ルーターとしても使えるスティック型STB
CCC AIR
Air Stick 4K
1万584円
小型の本体をHDMI端子に接続して使用するスティック型STB。Chromecast機能に対応しているので、対応スマホアプリの画面をテレビにミラーリングすることもできます。4Kおよび4K HDRにも対応し、有線LAN接続時はルーターとしても利用可能。【4K:対応】【有線LAN:対応】【音声対応リモコン】【ストレージ :16GB】【GoogleHome】
【対応動画アプリ充実度】★×4
U-NEXTなどは対応アプリがなく、スマホからミラーリングが必要です。他に「TSUTAYA movie powered by U-NEXT」にも対応。
※1:アプリには非対応ですが、ChromecastもしくはAndroid TVのミラーリング機能を使ってスマホから表示可能です
【使い勝手】★×3
Netflix起動まで「約1.1秒」/Hulu起動まで「約3.4秒」/dTV起動まで「約2.0秒」
アプリによっては起動に時間がかかりました。ホーム画面はアプリアイコンがシンプルに並ぶ構成で、初めてでも使いやすいです。
【リモコン】★×3
コンパクトなリモコンから音声検索もできる
子どもでも持ちやすいコンパクトサイズの音声対応リモコンは、コンテンツ選択や再生などの基本操作が可能。音量調整はできないのが残念です。
【こんなこともできる!】有線LAN接続時はルーターにもなる
ネットへの接続は有線LANでも可能。有線接続時は本体をWi-Fiルーターとして利用することもでき、同時に8台の機器を接続できます。帯域は、2.4GHzおよび5GHzに対応しています。
【その2】テレビの操作も可能な多機能リモコンが便利
NTTドコモ
ドコモテレビターミナル
1万6848円
本体は据え置き型。ドコモの各動画サービスやGoogle Playストアでダウンロードしたゲームを楽しめます。4Kのほか4K HDR、Dolby Visionにも対応。Android TV搭載で、対応アプリがない動画サービスもスマホのミラーリング機能を使って視聴可能です。【4K:対応】【有線LAN:対応】【音声対応リモコン】【ストレージ 16GB】【GoogleHome】
【対応動画アプリ充実度】★×4
テレビアプリのないものは、スマホのミラーリング機能を使って表示可能。「ひかりTV for docomo」(※2)も間もなくスタート予定です。
※1:アプリには非対応ですが、ChromecastもしくはAndroid TVのミラーリング機能を使ってスマホから表示可能です ※2:2018年春サービス開始予定
【使い勝手】★×4
Netflix起動まで 「約2.0秒」/Hulu起動まで「 約2.4秒」/dTV起動まで 「約0.9秒」
NetflixはスマホのGoogle Homeアプリを利用したミラーリングで表示する必要があり、少々不便。複数のdアカウントを切り替えて使える点が便利です。
【リモコン】★×5
テレビの操作も可能で日本語表示が見やすい
各ボタンの説明が日本語でわかりやすいです。音声検索やコンテンツの再生/停止などの操作が可能なほか、通常のテレビリモコンとしての機能も備えます。
【こんなこともできる!】使い方をテレビ上で確認できる「eトリセツ」が便利
取扱説明書をテレビ画面上で閲覧できる「eトリセツ」アプリを搭載。紙の説明書やWebサイトを見なくても、テレビの設定方法や使い方をすぐに確認できるので便利です。
【その3】プライム会員サービスとの連携が充実
Amazon
Fire TV
8980円
4Kおよび4K HDRに対応。Amazon Prime Musicやプライムフォトなど、プライム会員向けサービスとの連携が充実しているので、特典をたっぷり活用したい人にはうれしい。Amazon Echoからの音声操作は、日本語未対応となっている(2018年3月現在)。【4K対応】 【音声対応リモコン】【ストレージ :8GB】※3
※3:別売のイーサネットアダプタを使えば有線LANにも対応可能
【対応動画アプリ充実度】★×5
主要な見放題サービスにはおおむね対応。YouTubeアプリは利用できませんが、Firefoxなどのブラウザからアクセスすれば視聴可能です。※4:ブラウザでの視聴に対応
【使い勝手】★×4
Netflix起動まで 「約1.1秒」/Hulu起動まで 「約3.4秒」/dTV起動まで「約1.0秒」
アプリによっては起動に少し時間が必要。ホーム画面にはPrime Videoの「次に観る」などが表示されており、別サービスをメインで使うなら少々うるさく感じるかもしれません。
【リモコン】★×4
使いやすいボタン配置の音声対応リモコン
リモコンからの音声検索に対応。ボタンの配置やストロークが程よく、今回試したなかで最も使い勝手が良く感じました。音量調整に対応していない点が惜しいです。
【こんなこともできる!】
プライム会員ならクラウド上の写真も閲覧できる
Amazonプライム会員向けフォトストレージ「プライムフォト」の写真を表示したり、スライドショーを楽しんだりできます。また、FirefoxやFire向けプラウザ「silk」を使ってWebの閲覧も可能です。
【その4】Siri搭載リモコンで様々な操作ができる
Apple
Apple TV 4K
2万1384円(32GB)、2万3544円(64GB)
据え置き型で4Kおよび4K HDRに対応。各動画アプリはApple TV用のApp Storeから入手する。リモコンの音声認識機能にはSiriが使われており、コンテンツの検索以外にも様々な操作を音声で行えます。【4K対応】【有線LAN対応】【音声対応リモコン】【ストレージ :32/64GB】
【対応動画アプリ充実度】★×4
バンダイチャンネルやauのビデオパスも対応。テレビアプリのないサービスはAir Playで表示するため、iOS端末かMacが必要です。※5:アプリは非対応ですが、AirPlayを使った表示には対応。AndroidおよびWindowsデバイスからの表示は非対応
【使い勝手】★×5
Netflix起動まで「約0.9秒」/Hulu起動まで「約0.9秒」/dTV起動まで「約0.9秒」
いずれのアプリもすばやく起動するので、ストレスなく使えます。音声操作では、再生中の映画の情報を尋ねたり、字幕を切り替えたりもできます。
【リモコン】★×5
タッチパッド搭載の手のひらサイズリモコン
コンテンツの選択などをリモコン上部のタッチパッドから行えて快適。音声認識のSiriも優秀。iPhoneをリモコン代わりに使えるアプリも用意されています。
【こんなこともできる!】AirPlayでiOSの画面をテレビに表示
iOSが標準対応するミラーリング機能の「AirPlay」を使えばiPhoneなどの画面をテレビに表示することも可能です。また、「写真」アプリでは、iCloudフォトライブラリの写真を閲覧できます。
【その5】スマホからのシンプルな操作で手軽に使える
Chromecast
4980円
手のひらサイズの本体をテレビのHDMI端子に接続して使います。専用のホーム画面などはなく、スマホからの操作でChromecast対応アプリの画面をテレビに表示して視聴する方式。4K対応の上位モデルChromecast Ultra(9720円)も用意されています。【GoogleHome】
画像提供:Google
【対応動画アプリ充実度】★×4
スマホからの表示に対応(※6)
他と違ってアプリを使用せず、スマホ側のアプリ画面をテレビにミラーリングして視聴します。利用できるサービスは多いです。※6:スマホのアプリ画面をミラーリングして視聴する方式。ミラーリングには、アイコンで表示したもののうちPrime Video以外のサービスが対応しています
使い勝手:★×3
Netflix起動まで「約2.0秒」/Hulu起動まで 「約2.0秒」/dTV起動まで「約2.0秒」
表示には各アプリから2回のタップが必要になり、一手間かかる印象。タップ後は瞬時に表示されます。使い慣れたスマホアプリで操作できる点は便利。
リモコン:-
リモコンは同梱されずスマホで全操作を行う
専用のリモコンはなく、スマホに「Google Home」アプリをインストールして、リモコンとして使用します。再生などはアプリをそのまま操作すれば問題ありません。iOS、Androidともに対応。
【こんなこともできる!】Chromeブラウザからネット閲覧もできる
PC版のChromeブラウザからは、画面をテレビに映すことができるので、大画面でネットを楽しみたいときに役立ちます。Chromeブラウザなら、WindowsでもMacでも利用可能。
【おまけ】PS4をSTBとして使うこともできる!
SIE
PlayStation 4
実売価格3万2378円
PlayStation 4は、STBとしても使うことができます。主要見放題サービスに対応し、上位モデルのPlayStation 4 Proと4K対応テレビを組み合わせれば、一部サービスで4K画質での視聴も可能。
【対応動画アプリ】