地味!? にうれしいファインダーとチルト液晶の変更点
電子ビューファインダー(EVF)には、0.39型/約235万ドットの有機ELを搭載。このスペック自体は既存モデルRX100M5と同じですが、自動ポップアップの仕組みが改良されました。従来は上にポップアップさせたあと、接眼部を引き出すという手間が必要でしたが、RX100M6ではボディ側面のレバーを押すというワンアクションですぐに使用可能になっています。
液晶モニターには、3型/約92.1万ドットのTFTを搭載。RX100M5の約122.8万ドットに比べるとドット数は低下していますが、操作感は進化しました。シリーズ初となるタッチパネル対応になったほか、チルト可動の範囲が拡大しています。
そのほかには、フォーカスエリアの登録機能やフォーカスエリアの「ゾーン」、ハイライト重点測光、画面全体平均測光、5段階のレーティング機能、好きな項目を登録できるマイマニュー機能などに新対応しています。既存モデルRX100M5と比べた場合、EVFの表示タイムラグの軽減や高感度ノイズの低減、瞳AFの追従性向上なども図られています。
さらに、メニューの画面デザインが一新され、細かい機能や設定へのアクセス性がよくなったことや、各種ボタンのカスタマイズがいっそう柔軟に設定可能になった点も見逃せません。
望遠撮影を気軽に楽しみたい人に最適! レンズの明るさを優先するなら「RX100M5A」もアリ
トータルとしては、ズームレンズの高倍率化に加えて、電子ビューファインダーや液晶モニターの改良など操作面にもさまざまな進化が見られ、完成度の高いコンパクトデジカメに仕上がっています。
個人的に気になったのは、これまでと同じくグリップ部が平坦で滑りやすく、持ちにくく感じることです。筆者のような手の大きなユーザーは、オプションの「アタッチメントグリップ」や8月発売予定の「シューティンググリップ」が必須かもしれません。
ズームの倍率アップにともなってレンズの開放F値が暗くなったことについては仕方ありません。レンズの明るさを優先したい人は、既存モデルRX100M5を、あるいはRX100M5の操作性と機能を向上させた後継モデル「RX100M5A」(7月13日発売/実売価格11万3270円)を検討するのがいいでしょう。
RX100M6は、24mm相当の広角撮影に加えて、最大200mm相当の望遠撮影を気軽に楽しみたい人に最適なモデルです。実売価格14万円前後はやや高めに感じますが、薄型軽量ボディながら、1型センサーとチルト式液晶、高倍率ズームというすべての条件を兼ね備えたカメラはほかにはありません。高価なりに、得られる満足感も高い――。そんな高級志向のカメラといえそうです。