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2018/10/11 21:30

「400g以下・4K動画対応」のおすすめミラーレスを比較検証!オールマイティなカメラはコレだ

EVFと可動式モニターを搭載しながら、本体質量400g以下の軽量ボディで、さらに4K動画にも対応するミラーレスカメラ――そんなオールマイティな性能を有する4モデルを比較。プロカメラマンが画質・操作性・機能・対応力の4項目を5段階で評価しました。

 

【私が採点しました!】

カメラマン・永山昌克さん

写真スタジオ勤務などを経てフリーに。現在は、写真や動画撮影のほか、カメラ誌やWEB媒体でレビュー等の執筆も多数。

 

撮影の自由度重視ならEVFと可動式液晶が必須

旅行用から日常用まで幅広い用途に使えるオールマイティなカメラを求めるなら、小型軽量ボディ、EVF搭載、可動式のモニター、4K動画という4つの条件を兼ね備えているミラーレスカメラがオススメと、最新機種に詳しいカメラマンの永山昌克さんは話します。

 

「入門機ではEVF(電子ビューファインダー)が省かれている製品も多いですが、晴天の屋外や望遠での撮影時は、EVFはあったほうが明らかに便利。また、可動式モニターは、アングルの自由度が広がるため、EVF撮影では気付きにくい新鮮な構図や撮り方を発見できます。動画は、将来4Kテレビにつないでも美しく鑑賞できる4K対応が欠かせません」(永山さん)

 

【その1】

スタイリッシュなボディにシンプル操作と高機能を凝縮


富士フイルム
X-T100
実売価格9万4500円(レンズキット)

一眼スタイルを採用するTシリーズのローエンド機。上位機とはセンサー構造が異なりますが、「フィルムシミュレーション」などの機能をはじめ、発色へのこだわりを継承しつつ、より入門者向けの操作性を採用。液晶は独自の3方向チルト式です。【画素数:2424万】【連写:約6コマ/秒】【常用最高感度:ISO12800】【質量:約448g】

SPEC●レンズマウント:Xマウント●モニター:3.0型約104万ドット、チルト式、タッチ対応●EVF:約236万ドット●サイズ:W121×H83×D47.4㎜

 

↑フィルムを交換するような感覚で発色傾向を切り替えられる「フィルムシミュレーション」。全11種類が用意されています

 

↑左肩にファンクショナルダイヤルを装備。露出補正やISO感度、AFモードなど使用頻度の高い機能を割り当てられます

 

↑シャープネスは高めで、遠景の細部までくっきりと解像。日陰の影響でやや青っぽい色合いになった点は惜しいですが、発色自体は良好です

 

【プロの本音採点!】

深度合成や電子シャッターにも対応

「操作は明快ですが、持ちにくい点が残念。一方、高速連写や深度合成、電子シャッターなど撮影機能は満載。自撮りもロー&ハイアングル撮影も快適な高い対応力も魅力」(永山さん)

●画質:4
●操作性:4
●機能:5
●対応力:4

 

 

【その2】

画質と使い勝手に定評のあるEOS Kiss初のミラーレス


キヤノン
EOS Kiss M

実売価格8万8900円(EF-M15-45 IS STMレンズキット)

「EOS Kiss」シリーズ初となるミラーレスカメラ。持ち運びに便利な小型軽量ボディに、高速AFが可能な同社独自のデュアルピクセルCMOSセンサーを搭載。ユーザーのレベルに応じてメニューUIを変更可能で初級者への配慮も十分です。【画素数:2410万】【連写:約7.4コマ/秒】【常用最高感度:ISO25600】【質量:約387g】

SPEC●レンズマウント:EF-Mマウント●モニター:3.0型約104万ドット、バリアングル式、タッチ対応●EVF:約236万ドット●サイズ:W116.3×H88.1×D58.7㎜

 

↑EOS入門機では初めて「デジタルレンズオプティマイザ」を内蔵。レンズ設計データに基づいて各種収差を補正できます

 

↑バリアングル液晶はタッチ操作に対応。AF測距点の移動やメニューの項目選択、コマ送りの操作などに使用できます

 

↑記憶色に近い鮮やかな空の色が好印象。ホワイトバランスも適切で色かぶりはありません。解像は周辺がやや甘いですが、中央部はシャープに描写されます

 

【プロの本音採点!】

AFなどの操作レスポンスは快適

「快適な動作やトレンドを押さえた機能、明快な操作性が魅力。4K動画だと画角が狭まるのは残念ですが。液晶が上下左右に可動し、幅広いシーンに対応できます」(永山さん)

●画質:4
●操作性:5
●機能:4
●対応力:4

 

【EOS Kiss Mの詳しいレビューはコチラ】

「Kiss」の名前はダテじゃない!! キヤノン渾身のミラーレス「EOS Kiss M」丸わかりレビュー!

 

 

【その3】

クラシックな外観デザインと取っ付きやすい操作が◎


オリンパス
OM-D E-M10 MarkⅢ

実売価格9万1490円(EZダブルズームキット)

E-M10シリーズの3代目となるエントリーモデル。動画やアートフィルターなどの機能をいっそう強化しつつ、操作性を入門者向けに改良。フィルムの一眼レフOMシリーズを思わせるレトロな外観デザインも魅力です。【画素数:1605万】【連写:約4.8コマ/秒】【常用最高感度:ISO25600】【質量:約410g】

SPEC●レンズマウント:マイクロフォーサーズ●モニター:3.0型約104万ドット、チルト、タッチ対応●EVF:約236万ドット●サイズ:W121.5×H83.6×D49.5㎜

 

↑様々なエフェクトを加えられる「アートフィルター」を搭載。加えた効果をライブビューで見ながら設定できます

 

↑天面の左端にショートカットボタンを装備。モード選択画面や撮影設定画面をワンタッチで素早く呼び出せます

 

↑彩度やコントラストを強調しすぎないナチュラルでクセのない描写です。画像周辺部がやや甘い描写になったことは少々不満に感じます

 

【プロの本音採点!】

ビギナーでも安心のシンプル操作

「凝った機能をAPモードに集約するなど、初級者向けの配慮が◎。タッチ操作は快適ですが、自撮り非対応なのは残念。ボディ内手ブレ補正により、対応力は優秀です」(永山さん)

●画質:3
●操作性:5
●機能:3
●対応力:4

 

【その4】

スポーツなど動体撮影にも最適な高速連写と快適AF


ソニー
α6300

実売価格9万1270円(パワーズームレンズキット)

防塵防滴対応のマグネシウムボディに、高速連写や4K動画、静音撮影などの高機能を凝縮。AFは、像面位相差AFとコントラストAFの2つを使い分ける「4D FOCUS」に対応。動きの速い被写体もストレスなく撮影可能です。【画素数:2420万】【連写:約11コマ/秒】【常用最高:ISO25600】【質量:約404g】

SPEC●レンズマウント:Eマウント●モニター:3.0型約92万ドット、チルト式、タッチ非対応●EVF:約236万ドット●サイズ:W120×H66.9×D48.8㎜

 

↑連写は、AF追従で最高11コマ/秒のハイスピードに対応。動きの速い被写体の決定的瞬間も逃さず撮影できます

 

↑電子ビューファインダーをボディの端に配置し、高さを抑えた横長デザインを採用。バッグにも収納しやすい形状です

 

↑周辺部はややソフトですが、中央部は高精細な写りとなりました。発色はオートホワイトバランスが日陰の影響を受けて、わずかに青っぽいです

 

【プロの本音採点!】

アプリ追加で機能拡張が可能

「文字が小さく、煩雑なメニューは気になるものの、アプリで機能拡張できるのはユニーク。画質や撮影機能は上位機同等ですが、ボディ内手ブレ補正などは非搭載です」(永山さん)

●画質:4
●操作性:3
●機能:4
●対応力:3

 

構成・文/松本牧子 作例/永山昌克

 

協力:楽天市場