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2016/5/6 19:32

【レビュー】キヤノン「PowerShot G7 X Mark II」はデジカメ界の“出木杉くん”!? バランスのとれた秀才といえる出来

いまから10年以上前、筆者はキヤノンのデジタル一眼レフ「EOS 1D」および「EOS D60」を使っていた。両機種とも画質的には満足いくものだったが、バッテリーの持ちが悪かったり、連写性能が弱かったりと、状況によってはサブ機が欠かせなかった。

 

そんなとき、キヤノンからコンパクトデジカメでありながら、高画質・高操作性が特徴のモデル「PowerShot G」シリーズが発売された。光学ファインダーを搭載するなど一眼レフユーザーに使いやすい仕様となっており、デジタル一眼レフのサブ機としての需要が高かった。

 

このPowerShot Gシリーズは年々新製品が投入され、順調に進化。2012年の「PowerShot G1 X」からは、CMOSセンサーが1.5型に。そして2014年の「PowerShot G7X」からは1型CMOSセンサーが搭載されるようになった。

 

今回紹介するのは、PowerShot Gシリーズの最新機種「PowerShot G7 X Mark II」。1型CMOSセンサーに加え、同社自慢の映像エンジンDIGICの第7世代となる「DIGIC 7」を搭載。従来を大幅に上回る処理性能により、画質だけでなく、低ノイズ化や追尾・検出性能の高精度化など、様々な面でパワーアップしている。

↑最新の映像エンジン「DIGIC 7」を搭載
↑最新の映像エンジン「DIGIC 7」を搭載

 

コンパクトながら高級感のあるボディ

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本体のサイズはW105.5×H60.9×D42.2mm、重さは約319g。1インチのCMOSセンサー搭載機としては、小型軽量の部類に入るだろう。

 

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背面液晶は104万画素の3型TFTカラー液晶。視認性は高く、晴天下でもそれなりに画像確認ができた。ボタン類を右下に配置し、右手親指の置き場所を大きめにとってあるため、ホールド感は思いのほか高い。タッチパネルとなっているので、オートフォーカスやシャッターなども画面タッチで行える。

 

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液晶はチルト式となっている。ハイアングル、ローアングルでの撮影がしやすい。

 

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上面のボタン類は右側にコンパクトにまとまっている。モードダイヤルと露出補正ダイヤルが2段式になっている。露出補正ダイヤルが独立しているのは、個人的に大歓迎だ。

 

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レンズは35mm判換算で24-100mm。普段使いで使いやすい焦点距離だ。F値はF1.8-2.8と明るく、1型CMOSセンサーということもあり、ぼけにも期待できる。なお、レンズの周りにあるコントロールリングで、絞り値や露出補正、ISO感度の設定が行えるほか、レンズのズームリングとしても利用できる。

 

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内蔵ストロボを搭載しているので、暗い室内や夜間の撮影などでも安心だ。

 

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本体側面にはWi-Fiボタンを配置。スマートフォンなどにワイヤレス接続すれば、撮った写真をその場でSNSに投稿できる。

 

キヤノンらしい鮮やかな画質が楽しめる

それでは、作例をご覧いただこう。

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100mm相当 ISO125 F4.5 1/800秒 オート

晴天での撮影。チューリップを逆光気味に望遠端で。オートフォーカスのスピードが小気味良く、テンポよく撮影できた。ピクチャースタイルは「オート」を選択しているが、派手すぎず、ちょうどいい色合いだ。

 

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24mm相当 ISO125 F4.5 1/500秒 オート

広角端の最短撮影距離は5cm。ググッとよって広角マクロ的な撮影をしてみた。さすがに広角端では、背景が流れるようなぼけになってしまうようだ。しかし、1型CMOSセンサーの効果で、背景はよくぼける。

 

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79mm相当 ISO125 F2.8 1/320秒 オート

1/2.3型のコンパクトデジカメに比べると、ぼけが楽しめるのが1型センサーの特徴のひとつ。中望遠域でのぼけは素直で、立体感のある写真が撮りやすい。コンパクトデジカメでこれだけのぼけ味が楽しめれば充分だろう。

 

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50mm相当 ISO125 F2.8 1/320秒 オート

羊と鯉のぼり。ピントのあっている羊と、背後で風にたなびく鯉のぼりの遠近感がきちんと出ている。青空の色が若干明るめな傾向にあるので、青空の青をもっと濃くしたい場合は、露出を少しマイナス補正するといいだろう。

 

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58mm相当 ISO125 F3.2 1/160秒 スタンダード

いちごをマクロ撮影。いちごの実に生えている毛(めしべの跡)もしっかりと描写されている。

 

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34mm相当 ISO125 F8 1/800秒 「ディテール重視」

青空を泳ぐ大量の鯉のぼり。F8まで絞り、画面全体にピントが合うように調整。ピクチャースタイルを「ディテール重視」にしているためか、若干輪郭が不自然か。色合いは標準よりもちょっとだけ鮮やか。空の青が濃い。

 

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27mm相当 ISO1600 F5.6 1/20秒 オート

お蕎麦屋さんで高感度撮影。新映像エンジン「DIGIC 7」は高感度に強く、このようなシーンでも気軽に撮影できる。ISO1600ならば、ノイズや解像度の低下、色合いの変化もあまり感じない。

 

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26mm相当 ISO6400 F4 1/80秒 オート

ISO6400での高感度撮影テスト。。ジャイロセンサーによる光学手ブレ補正に加え、センサーの画像情報からブレ量を判断して除去するアルゴリズムを併用した「デュアルセンシングIS」を搭載し、暗い場所などでも4段分の補正効果を実現している。空や橋の暗い部分を見るとノイズが見受けられるが、解像度の低下は思ったほどない。等倍で見るようなことをしなければ、充分使える画質だ。

 

バランスのよさが際立つ機種

シンプルなボディデザインに、充分コンパクトと呼べる本体のサイズと重量。そして明るい4倍ズームレンズ搭載。これに、1型CMOSセンサーが搭載されており、画質は良好。正直、隙がないデジカメだ。バッグの片隅に入れておき、シャッターチャンスにさっと取り出して使う日常カメラとしても、一眼レフカメラのサブ機としても活躍してくれるポテンシャルを備えている。手軽にきれいな画質で撮影したいというライトユーザーから、作り込んだ写真を撮りたいヘビーユーザーまで、幅広い層に対応できるだろう。

 

以前のPowerShot Gシリーズに憧れていたものとしては、ファインダーおよびホットシュー※がある「PowerShot G5 X」に心が惹かれるものの、手軽さと高画質を重視するのなら本機がベストチョイスだ。

※ 別売のフラッシュなどのカメラアクセサリーに電源を供給できるアダプター

 

ここ最近の1型CMOSセンサー搭載機のバランスのよさには眼を見張るものがある。フルサイズはもちろん、APS-CやマイクロフォーサーズのほうがCMOSセンサーのサイズは大きいが、この1型CMOSセンサーの画質と筐体サイズのバランスのよさはほかにはない特徴といえるだろう。旅行やイベントなどに手軽に持ち出せる高画質なコンパクトカメラとして、ライトユーザーからヘビーユーザーまで、様々な人にオススメできる優等生な1台だ。

 

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キヤノン
PowerShot G7 X Mark II
実売価格8万1040円

1型センサーと24-100㎜相当F1.8-F2.8の大口径レンズを採用。最新の映像エンジン「DIGIC 7」の搭載により、手ブレ補正や高感度撮影時の解像感が向上している。4段分の手ブレ補正効果を実現した「デュアルセンシングIS」で、暗い場所でもブレずに撮影できる。

 

【SPEC】
撮像素子:2010万画素/1型高感度CMOSセンサー
レンズ:24~100mm相当(35ミリ判換算)、F1.8~2.8
モニター:3型/約104万画素
サイズ:W105.5×H60.9×D42.2mm/約319g(バッテリー等含む)

 

【URL】
キヤノン http://canon.jp/
PowerShot G7 X Mark II http://cweb.canon.jp/camera/dcam/lineup/powershot/g7xmk2/

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