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2018/11/21 19:30

2019年は「AIアシスタント内蔵ヘッドホン」がブレイクの予感! ボーズ「QC35 II」で使い勝手を検証した

2018年も次世代を引っ張るであろうポータブルオーディオの新しい製品・サービスが次々に誕生しました。数多くあるトピックスの中から、今回は来年からまたさらに盛り上がりそうな「AIアシスタント内蔵ヘッドホン」の魅力を深く掘り下げてみたいと思います。

 

2017年の秋にLINE、Google、Amazonのスマートスピーカーが立て続けに日本で発売されてから、AIアシスタントを声で操作できる機能を搭載するデバイスが増えています。スマートスピーカー以外ではテレビやシアターバーに波及しつつありますが、ポータブルオーディオではヘッドホン、イヤホンにもAIアシスタントを内蔵する製品が発売されました。

↑Google Home(左)とAmazon Echo(右)

 

代表的なモデルを挙げると、トップバッターは2017年11月末に日本でも発売されたボーズのヘッドホン「QuietComfort 35 wireless headphones II(以下:QC35 II)」でした。これに続くかたちでソニーの「WH-1000XM2」(ヘッドホン)と「WI-1000X」(イヤホン)、JBLの「EVEREST 710GA/310GA」(ともにヘッドホン)、「EVEREST 110GA」(イヤホン)にJabraの「Elite Active 65t/Elite 65t」(ともに完全ワイヤレスイヤホン)、Bragiの「The Dash Pro」(完全ワイヤレスイヤホン)など、AIアシスタント内蔵の輪が広がりました。

 

これらの製品のカタログにはAIアシスタントを「内蔵」、または「搭載」したヘッドホン・イヤホンと記されていたりもしますが、製品単体でクラウドにあるAIアシスタントにつながる機能を持っているわけではないので、間にスマホとのBluetooth接続が必要になります。本体のリモコンのボタンを押してスマホのAIアシスタントを呼び出せる機能は、既に多くのヘッドホンとイヤホンが実現していますが、いわゆる「AIアシスタント内蔵」と呼ばれるタイプの製品はどこが違うのでしょうか。

 

その答えは、先に名前を挙げたAIアシスタント内蔵の製品はペアリングしたスマホにBluetooth Low Energyで常時接続しているため、これまでの製品と比べてAIアシスタントの起動が速くできて、会話をスムーズに認識できるところ。

 

例えばボーズのQC35 IIの場合は左側イヤーカップの側面に搭載する「アクションボタン」をシングルクリックするだけで時刻を読み上げて、スマホに届いている通知を音声で読み上げてくれます。ボタンを長押しするとAIアシスタントが起動するので、スマートスピーカーのようにウェイクワードを発声する手間が省けます。例えばAIアシスタントに「銀座にある美味しいトルコ料理のお店」や「新宿から横浜までJRで移動する方法」を検索してもらっている間がぎこちなく感じられないようにチャイムが鳴ったり、AIアシスタント内蔵ならではといえる使い勝手の良い音声インターフェースが整っています。

 

ボーズ

QuietComfort 35 wireless headphones II

実売価格3万9960円

 

↑左側ハウジングの側面に搭載された大きめのボタンが「アクションボタン」。右側の3つ並ぶボタンの中央が「マルチファンクションボタン」になります

 

ヘッドホンにAIアシスタントが内蔵されると何が便利になるのでしょうか。ボーズのQC35 IIを使って実験してみたいと思います。

 

人気のヘッドホンに高級感漂う限定カラー登場

QC35 IIは2017年の11月末にボーズが発売した、独自の高性能なアクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載するBluetoothワイヤレスリスニング対応のヘッドホンです。レギュラーカラーのブラックとシルバーのほかにも、2018年10月に新しい“限定カラー”の「トリプルミッドナイト」と「ミッドナイトブルー」が発売されています。

↑ボーズ「QC35 II」の限定カラー「ミッドナイトブルー」(左)と「トリプルミッドナイト」(右)

 

限定モデルはどちらも濃紺の高級感漂ようボディカラーを特徴としていますが、ミッドナイトブルーはイヤーカップが下側半分が光沢仕上げ。ロゴがゴールドになります。

↑QC35 IIの限定モデル「ミッドナイトブルー」。金色のブランドロゴと、下側半分が光沢処理のハウジングが特徴です

 

トリプルミッドナイトは全体がマットな濃紺。販売はボーズの直営店とオンラインストアから数量限定で展開されます。トリプルミッドナイトはAmazon.co.jpでも取り扱われるようです。

↑こちらは「トリプルミッドナイト」。全体がマットなミッドナイトブルー仕上げ

 

音楽再生だけじゃない! 便利に使える音声アシスタント

QC35 IIは2018年の夏に実施されたソフトウェアアップデート以後にはアクションボタンからGoogleアシスタントだけでなく、アマゾンのAlexaも呼び出せるよう設定が選べるようになりました。今回はGoogleアシスタントの操作からテストしてみます。

 

Android OSの場合はQC35 IIをスマホにBluetooth経由でペアリングすると、Googleアシスタントをセットアップするよう自動的に促されます。画面に表示されるガイダンスに従いながら設定を進めていけば特に迷うこともないはずです。iPhoneの場合はApp StoreからGoogleアシスタントのアプリをあらかじめダウンロードしておきます。

 

もっともポピュラーな使い方として、ヘッドホンに内蔵するAIアシスタントから音楽配信サービスと聴きたいミュージシャンの楽曲を音声で指定して再生ができます。音楽配信サービスはGoogle PlayミュージックとSpotifyのほか、YouTube Music、うたパスに対応しています。Googleアシスタントからデフォルトの音楽サービスを指定しておくと、QC35 IIの場合はアクションボタンを長押ししてから「クイーンのウィーウィルロックユーを再生して」と発生するだけで、楽曲の検索・再生がスタートします。

↑日本でのサービスが始まったばかりのYouTube MusicもGoogleアシスタントからの音声による楽曲の呼び出しに対応するサービスです

 

その他のヘッドホンからの音声操作に対応するサービスは、Googleアシスタントの設定メニューから「サービス」の中に並ぶものが対象となります。音声・ビデオ通話の受発信、ならびにニュースや天気、カレンダーの予定の検索と音声による読み上げが便利です。

↑音声でGoogleカレンダーに予定の入力ができます

 

同じホームネットワークに接続されているスマート家電機器はヘッドホンとスマホを介して音声でも操作ができます。また複数のタスク(操作)を「おはよう」といった具合に、1つのワード(コマンド)に登録しておくと「OK グーグル、おはよう」と話しかけて、スマート家電などをまとめて操作できる「ルーティン」が使えます。

 

Google翻訳アプリとの連携も思いのほかスムーズでした。例えばヘッドホンからGoogleアシスタントに「フランス語を通訳して」とコマンドを入力すると、Google翻訳アプリが自動的に日本語からフランス語への通訳モードの状態で立ち上がります。あとはGoogle翻訳アプリの「会話」機能に従って、こちらはヘッドホンを装着した状態で日本語で翻訳したいフレーズを話しかけて、会話の相手にはアプリのマイクアイコンをタップした後に、スマホのマイクに向かって話しかけてもらってトークを開始します。

 

翻訳の精度は高いのですが、音声認識を間違うと誤った意志が相手に伝わってしまうため、少し注意が必要です。もし旅先で実用するのであれば、ただ相手に無言でスマホのマイクを向けるだけでなく「プリーズ、サンキュー」ぐらいの声かけを事前に交わすマナーも心がけたいところです。

↑Google翻訳との連携も便利ですが、会話相手を不安にさせない礼節も大切です

 

ボーズのQC35 IIは、左側のアクションボタンを使ってGoogleアシスタントだけでなくAlexaを呼び出すこともできます。スマホにAmazon Alexaアプリをインストールして、Bose Connectアプリでボタンの設定を決定します。Alexaを使う場合も音楽配信サービスからの検索と再生、Web検索やスマート家電の操作など基本はGoogleアシスタントの場合とほぼ一緒になります。

↑Bose Connectアプリからアクションボタンに割り当てる機能が選択できます。AIアシスタントはGoogleアシスタントとAlexaに対応しています

 

さらにQC35 IIの場合、本体右側に搭載されているマルチファンクションボタンを長押しすると、従来と同様にペアリングしたスマホからメインのAIアシスタントが呼び出せます。例えばiPhoneの場合はSiriが起動します。上手に使いこなせばGoogleアシスタントとSiriの二刀流になります。

 

ヘッドホンの場合も使い込むほどAIアシスタントの便利さが実感されるでしょう。ただ現状でいくつか課題も見えています。ひとつはGoogleアシスタントでキーワードをWeb検索すると、結果がスマホの画面に表示されるだけなので、結局ポケットやバッグの中に入れたスマホを取り出さなければならないことでしょうか。Wikipediaで答えがヒットすると音声で検索結果のダイジェスト版を読み上げてくれるので、同様のヘッドホン仕様に最適化した音声による返答のインターフェースを統一したいところです。

 

音声コマンドを入力するときに、QC35 IIのような密閉型のヘッドホンの場合は屋外にいると自分の声が聴き取りづらく感じます。通話用マイクをオンにして話者の声も聴き取りやすくするなど、ヘッドホンやイヤホン側にもいくつか改善したいポイントがありそうです。

 

もしかするとAIアシスタントを内蔵するポータブルオーディオ機器はウェアラブルスピーカーのように自分の声や外の音も聞こえるタイプのデバイスの方がより相性が良いのかもしれません。ボーズは2018年の春に「音のAR(拡張現実)」をテーマに掲げたメガネ型のウェアラブルデバイス「Bose AR」のコンセプトモデルを発表しています。

↑ボーズが今年プロトタイプを発表した“音のAR体験”を実現するスマートグラス「Bose AR」。来年の進展が楽しみなデバイスです

 

2019年にはAIアシスタントを組み込んで、また一歩進んだ形で発表されるのでしょうか。ポータブルオーディオとAIアシスタントの連携は、これからますます目が離せなくなりそうです。

 

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