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2018/12/3 18:30

【保存版】人気ミラーレスカメラを徹底比較! 各社独自の「機能」を簡単解説【機能編】

最近のミラーレスカメラは高機能化が目覚ましく、たとえエントリー向けの製品であっても、高速連写や4K動画、静音シャッター、Wi-Fiといった機能が当たり前のように搭載されています。いま人気のミラーレスカメラ5台を比較する本企画。第1回の外観&基本仕様編、第2回の実写編に続き、今回は「機能編」をお伝えしましょう。

↑ローエンドからミドルクラスに位置する各社の売れ筋5モデル

 

用意したカメラは、オリンパス「OLYMPUS PEN E-PL9」、キヤノン「EOS Kiss M」、ソニー「α6300」、パナソニック「LUMIX GF10/GF90」、富士フイルム「FUJIFILM X-T100」の5モデル。いずれもレンズキットが10万円前後で購入でき、ビギナーを中心に人気を集めている製品です。

 

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第1回:人気ミラーレスカメラ5台を徹底比較! 初級者が見るべきポイントをプロが解説【外観&基本仕様編】

第2回:人気ミラーレスカメラを徹底比較! 2つのシーンで「画質」を検証【実写編】

 

【その1】

全レンズ対応のボディ内手ブレ補正搭載! オリンパス「OLYMPUS PEN E-PL9

↑オリンパス「OLYMPUS PEN E-PL9」。レンズキットに付属する標準ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」を装着した状態。同社オンラインショップでの価格は、ボディのみが7万3440円、標準ズームが付属するキットが8万9640円、ダブルズームキットが10万5840円

 

オリンパス「OLYMPUS PEN E-PL9」は、今回の5モデルのなかでは唯一、ボディ内手ブレ補正を採用しているカメラです。ピッチとヨーの角度ブレ、および回転ブレの3軸補正に対応し、装着する全レンズで補正が有効になるメリットがあります。

 

特徴的な機能としては、「アドバンストフォトモード(APモード)」に注目です。このモードには、星の動きを光の軌跡として表現できる「ライブコンポジット」や建物の遠近感を補正する「デジタルシフト」、ピント位置を自動的にずらしながら連写を行う「フォーカスブラケット」といった9種類の機能が含まれており、サンプル画像を見ながら素早く選択できます。

 

人気機能「アートフィルター」については、肌のトーンをフィルム風に再現する新効果「ネオノスタルジー」など16モードを用意。画像周辺にフレームやぼかしを加えるオプションもあります。

<AF>


AFには、コントラストAFを採用。測距点は121点で、瞳優先AFや追尾AFにも対応。写真は、9点の測距点を使ってピントを合わせる9点グループターゲットモードを選んだ状態。

 

<連写>


連写は、最高8.6コマ/秒に対応。電子シャッターによる静音連写では、最高14.1コマ/秒という超高速連写も可能です。

 

<撮影メニュー>


撮影メニューでは、発色傾向を選べるピクチャーモードのほか、手ブレ補正やインターバル撮影などの機能設定ができます。

 

<カスタムメニュー>


カスタムメニューでは、各種ボタンやダイヤルのカスタマイズができます。

 

<天面の装備>


天面には、外部ストロボなどを装着できるホットシュー、撮影モードダイヤル、コントロールダイヤル、シャッターボタンなどを装備しています。

 

<フラッシュ>


ポップアップ式のフラッシュを内蔵。オート発光のほか、赤目軽減発光やマニュアル発光などもできます。

 

【その2】

高機能化しつつビギナーにも配慮! キヤノン「EOS Kiss M

↑キヤノン「EOS Kiss M」。レンズキットに付属する標準ズーム「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」を装着した状態。同社オンラインショップでの価格は、ボディのみが7万9380円、標準ズームが付属するキットが9万5580円、標準ズームと単焦点レンズがセットになったダブルレンズキットが11万2860円、ダブルズームキットが12万420円

 

キヤノン「EOS Kiss M」は、ファミリー向けカメラの定番EOS Kissシリーズでは初となるミラーレスカメラです。ミラーレス化によって、従来の一眼レフEOS Kissよりも小型軽量化しつつ、撮影機能は一段と強化されています

 

なかでも注目は、レンズ光学補正のひとつとして「デジタルレンズオプティマイザ」を搭載したこと。これは、レンズの設計データに基づいて各種収差を自動補正できる機能です。さらに、ISO感度の1/3段ステップ設定や、ホワイトバランスの色温度指定、サイレントモード、スマホへの撮影時転送、4K動画などもEOS Kissとしては初めての採用となります。

 

ユーザーのレベルや使い方に応じて、メニューUIをカスタマイズできる点も親切です。ビギナー向けには、写真作例などを多用したグラフィカルなメニューが用意され、直感操作で扱うことができます。

<AF>


AFには独自のデュアルピクセルCMOS AFを搭載。測距点は143点で、瞳AFや追尾AFなどに対応しています。

 

<連写>


連写は、AF追従で最高7.4コマ/秒、AF固定で最高10コマ/秒に対応。

 

<撮影メニュー>


撮影メニューでは、記録画質やアスペクト比のほか、レンズ光学補正、タッチシャッター、電子水準器などの設定ができます。

 

<カスタムメニュー>


カスタムメニューでは、M-Fnボタンなど多くの操作ボタンのカスタマイズができます。

 

<天面の装備>


天面には、ホットシューと撮影モードダイヤル、M-Fnボタン、シャッターボタン、動画ボタンなどを装備しています。

 

<フラッシュ>


ポップアップ式のフラッシュを内蔵。オート発光のほか、赤目軽減発光や調光補正などができます。

 

【その3】

動体撮影に強い高速AF&快適連写! ソニー「α6300

↑ソニー「α6300」。レンズキットに付属する標準ズーム「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」を装着した状態。同社オンラインショップでの価格は、ボディのみが8万6270円、標準ズームが付属するキットが9万7070円、高倍率ズームが付属するキットが12万9470円

 

ソニー「α6300」は、2014年発売の「α6000」の基本デザインを継承しつつ、画質や機能の強化を図って2016年3月に発売されたモデルです。その後2016年12月には、さらに高機能化した「α6500」も登場。α6300は、α6500とは異なりタッチパネルやボディ内手ブレ補正は非搭載ですが、連写やAF性能はほぼ同等であり、コストパフォーマンスで有利といっていいでしょう。

 

機能面での注目は、画面のほぼ全域をカバーする、425点もの位相差AFセンサーを備えていること。最高11コマ/秒の高速連写と合わせて利用することで、複雑な動きをする動体撮影であってもシャッターチャンスを逃さず捉えられます。

 

そのほか、ウェブを経由してさまざまな機能を追加できる「PlayMemories Camera Apps」や、広ダイナミックレンジの動画が撮れるS-Log撮影、13種類の「ピクチャーエフェクト」などを搭載しています

<AF>


AFは、位相差検出AFとコントラストAFのハイブリッド式。瞳AFや追尾AFにも対応しています。

 

<連写>


連写は、AF追従で最高11コマ/秒のハイスピードを誇ります。

 

<撮影メニュー>


撮影メニューでは、画像サイズやアスペクト比、スマイルシャッター、サイレント撮影などの設定ができます。

 

<カスタムメニュー>


カスタムメニューでは、3つのカスタムボタンやFnボタン、コントローラーホールなどに割り当てた機能の変更ができます。

 

<天面の装備>


天面には、ホットシューと撮影モードダイヤル、コマンドダイヤル、シャッターボタンなどを搭載しています。

 

<フラッシュ>


ポップアップ式のフラッシュを内蔵。オート発光のほか、赤目軽減発光や調光補正などができます。

 

【その4】

夜景や美肌対応のセルフィー機能を搭載! パナソニック「LUMIX GF10/GF90

↑パナソニック「LUMIX GF10/GF90」。レンズキットに付属する標準ズーム「LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.」を装着した状態。同社オンラインショップでの価格は、標準ズームと単焦点レンズが付属するダブルレンズキットが11万3184円

 

パナソニック「LUMIX GF10/GF90」は、2017年に発売された「LUMIX GF9」の後継モデル。最大180度まで可動するチルト式液晶や胸ポケットサイズの小型軽量ボディを受け継ぎながら、さらに自撮り機能(セルフィーモード)を強化してします。

 

新機能の夜景セルフィーモードでは、自動的に連写と画像合成を行って、人物と夜景の両方を最適な明るさで撮影可能になっています。また、広角4Kセルフィーモードでは、従来の4Kセルフィーモードよりも広い画角での撮影が楽しめます。

 

そのほか、人肌を美しく補正する「ビューティ効果」や、画像処理でボケを作りす「背景コントロール」、ピント位置を後から選択できる「フォーカスセレクト」などの機能も搭載しています。

<AF>


AFは、コントラストAFを採用。AFモードは、49点AFや顔・瞳認識AF、追尾AFなどに対応。AFエリアを細かくカスタマイズできるカスタムマルチAFや、微小な光源にピントを合わせる星空AFなどの機能もあります。

 

<連写>


連写は、メカシャッターの場合、AF固定で5.8コマ/秒、AF追従で約5コマ/秒に対応。電子シャッターの場合は、AF固定で10コマ/秒、AF追従で約6コマ/秒となっています。

 

<撮影メニュー>


撮影メニューでは、発色傾向をカスタマイズするフォトスタイルのほか、さまざまな特殊効果を与えるクリエイティブコントロール、花火や星空を美しく撮る比較明合成などの機能が選べます。

 

<カスタムメニュー>


任意の機能を割り当てられるFnボタンの設定画面。Fnボタンは、画面上のボタンも含めて8つもあります。

 

<装備>


天面の左には、ピント位置を選べるフォーカスセレクトボタン(Fn3ボタン)を装備。自撮りの際はシャッターボタンとしても利用できます。

 

<フラッシュ>


ポップアップ式のフラッシュを内蔵。オート発光のほか、赤目軽減発光や調光補正などができます。

 

【その5】

フィルム感覚で発色傾向が選べる! 富士フイルム「FUJIFILM X-T100

↑富士フイルム「FUJIFILM X-T100」。レンズキットに付属する標準ズーム「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」を装着した状態。同社オンラインショップでの価格は、ボディのみが8万460円、標準ズームが付属するキットが9万4500円、ダブルズームキットが10万7460円

 

富士フイルム「FUJIFILM X-T100」は、一眼レフを思わせる外観デザインを取り入れたX-Tシリーズのエントリー機です。同社のミドルクラス以上の製品はダイヤルを多用したアナログ操作が特徴になっていますが、本モデルに関してはビギナーでも取っ付きやすいよう一般的な操作系を採用しています。

 

撮影機能についても上位製品に比べると簡素化されていますが、それでも同社ならではの「フィルムシミュレーションモード」などは継承。フィルム交換の感覚で、11種類の発色傾向を選択できます。

 

そのほか、100~400%を選べるダイナミックレンジ設定や、顔が正面を向いた瞬間に撮影できる「フェイス・オート・シャッター」、12種類の特殊効果が選べる「アドバンストフィルター」などに対応しています。

<AF>


AFは、コントラストAFと位相差AFを併用するハイブリッド式。AFモードは、7×13のエリアから選択できるシングルポイントAFのほか、ゾーンAFやワイド/トラッキングAFなどが用意されています。

 

<連写>


連写は、最高で6コマ/秒に対応。また、15コマ/秒で撮影された4K動画から好きなコマを静止画として切り出す「4K連写」機能もあります。

 

<撮影メニュー>


撮影メニューでは、フォーカスや感度、画質モード、ダイナミックレンジのほか、シャッター方式(メカ/電子)やタッチパネルなどの設定ができます。

 

<カスタムメニュー>


カスタムメニューでは、FnボタンやFnダイヤルのカスタマイズのほか、液晶上のフリック操作にさまざまな機能を割り当てられます。

 

<装備>


天面には、ホットシューと撮影モードダイヤル、Fnボタン、シャッターボタンなどを装備。左端は、カスタマイズ可能なFnダイヤルです。

 

<フラッシュ>


ポップアップ式のフラッシュを内蔵。オート発光のほか、赤目軽減発光や調光補正などができます。

 

【まとめ】多種多様な機能をもつカメラから、自分に合った選択を

今回取り上げた5製品はいずれも非常に多機能であり、押すだけのフルオート撮影から本格的なマニュアル撮影まで幅広く対応しています。人物から風景、スナップ、静物までオールマイティに活躍するカメラといっていいでしょう。

 

そのうえで、各社独自の撮影機能も見どころです。例えば、OLYMPUS PEN E-PL9ならアートフィルター、EOS Kiss Mならデジタルレンズオプティマイザ、α6300ならPlayMemories Camera Apps、LUMIX GF10/GF90ならセルフィー機能、FUJIFILM X-T100ならフィルムシミュレーションなどが挙げられます。

 

機種選びの際は、画質やデザイン、使い勝手などを検証することはもちろんですが、こうした各機種ごとの独自機能をしっかりとチェックしておくことが欠かせません。デジタルカメラ全体の画質性能が底上げされた昨今、「機能」はある意味、カメラの個性が最もはっきり表れるポイントといえるでしょう。

 

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協力:楽天市場