今年10月、消費税が8%から10%に増税となります。増税の影響は価格が高いほど大きいため、ハイエンドクラスのオーディオ製品を購入するなら早めにチェックしておきましょう。今回は、オーディオライターの山本 敦さんが選んだ高級オーディオ4点を紹介します。
【その1】
名門ブランドが作った完全ワイヤレスイヤホン
ゼンハイザー
MOMENTUM True Wireless
実売価格3万8540円
同社初となる完全ワイヤレスイヤホン。Bluetooth再生と思えないほどの、極めて鮮度が高いサウンドは一聴の価値があります。タッチリモコンや外音取り込みなどの先進機能も装備。音声の遅れを防ぐ「aptX_LL」(Low Latency)コーデックに対応しており、再生機側も同コーデックに対応していれば低遅延で利用できます。イヤホンは汗や水滴に強いIPX4相当の防滴仕様。
【SPEC】●再生周波数帯域:5Hz~21kHz ●対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX_LL ●出力音圧レベル:107dB/mW ●連続再生:最大4時間(充電ケース併用で最大12時間) ●フル充電時間:約1.5時間 ●質量:約13.2g
【プロがチェック】
音質、安定した接続性性能、装着感ともに待ちわびたゼンハイザーのファンを納得させる充実の完成度。専用アプリはイコライザー機能が便利だが、ほかにあまり機能をむやみに増築せずシンプルにまとめたところは好感が持てる。充電ケースも含めてコンパクトに持ち歩けるサイズ感もよし。他社の完全ワイヤレスイヤホンと比べて少し値段は高めだが、特に音質はずっと長く納得して使えそう。(山本さん)
【その2】
5ドライバーを搭載した最上位イヤホン
AKG
N5005
実売価格10万4270円
伝統あるAKGの最上位イヤホン。中高音域用にバランスド・アーマチュア(BA)ドライバー4基、低音域用に9.2mm径ダイナミックドライバー1基の合計5基を搭載したハイブリッド方式を採用。さらに、接続する機器や音楽の特性に合わせ、自分好みの音質に調整ができる「メカニカル・チューニング・フィルター」を搭載。ケーブルを交換できるMMCX端子のリケーブルにも対応。リモコン付きツイストケーブル(3.5mmステレオミニ)、ツイストバランスケーブル(2.5mmステレオミニミニ)、Bluetoothケーブルに加えて、日本仕様には、AKG純正アップグレードリケーブル「CN120-3.5」(3.5mmステレオミニ)を追加で同梱しています。
【SPEC】●再生周波数帯域:10Hz~40kHz ●インピーダンス:18Ω ●音圧感度:99dB/mW ●質量:約11.4g(ケーブル含まず) ●付属品:イヤホンケーブル3種(リモコン付ツイストケーブル、ツイストバランスケーブル、Bluetoothケーブル)、AKG純正アップグレードリケーブル「CN120-3.5」、メカニカル・チューニング・フィルター4種、イヤチップ(XS/S/M/L) 、スピンフィットイヤチップ(S/M/L)、専用キャリングケース、フライトアダプタ、クリーニングツール、USB充電用ケーブル、シリアル番号プレート
【プロがチェック】
2018年に発売されたプレミアムグレードのイヤホンのなかで、音質に機能、デザインのバランスが圧倒的に高かったAKGの新しいフラグシップイヤホン。この小さな本体に5つのドライバーが搭載されていることが信じられないほど、コンパクトで取り回しもいい。バランス接続用、Bluetoothワイヤレスリスニング用のケーブルが付属するのも◎。組み合わせるプレーヤーやアンプの実力を余裕たっぷりに引き出せる。(山本さん)
【その3】
チタンを贅沢に使った高級感漂うヘッドホン
オーディオテクニカ
ATH-AP2000Ti
実売価格14万4070円
音響特性に優れるチタン素材をハウジングに使用した有線タイプのハイエンドヘッドホン。「DLC(Diamond Like Carbon)コーティング振動板」、純鉄ヨークをまとう新開発53mm径ドライバー、「コアマウントテクノロジー(PAT.P)」と「D.A.D.S.(Double Air Damping System)構造」など、同社の持つ高音質化技術を総動員しています。独自のA2DCコネクターを採用しておりリケーブルにも対応。1.2m、3.0mの3.5mmステレオミニケーブルと、1.2mの2.5mmバランスケーブルを同梱しています。
【SPEC】●再生周波数帯域:5Hz~50kHz ●インピーダンス:44Ω ●音圧感度:100dB/mW ●質量:約300g(ケーブル含まず) ●付属品:3.5mmステレオミニケーブル(1.2m、3.0m)、2.5mmバランスケーブル(1.2m)、6.3mmステレオ変換プラグアダプター、ケース、クリーニングクロス
【プロがチェック】
本体の素材が引き出す高音質をテーマにしたヘッドホン、イヤホンを各社が続々と商品化するなかで、オーディオテクニカが発表したハウジングにチタンを採用するアラウンドイヤータイプのハイレゾヘッドホン。高域の繊細さと緻密さに加えて、堂々とした鳴りっぷりの良さと、広々としたサウンドスケープを描くパワーも特徴的。金属の質感を活かしたダンディなデザインも魅力。(山本さん)
【その4】
プロクオリティを目指した本格派イヤモニ
ソニー
IER-M9
実売価格11万8350円
ソニー ステレオイヤホン マルチBAシステム ケーブル着脱式 ハイレゾ Φ4.4mmバランス標準プラグ付属 IER-M9
アーティストが音楽を演奏する際に使うステージモニターとしても活用できるよう、正確性とグルーヴ感の再現力を徹底追求。バランスド・アーマチュア(BA)型ドライバーを5基(フルレンジ×2+ウーファー+ツイーター+スーパーツイーター)搭載。ツイーターの振動板には剛性の高いマグネシウム合金を使用しています。装着感と遮音性にもこだわったプロ仕様の本格設計を採用。リケーブルに対応しており、4.4mmのバランス接続用ケーブルを同梱しています。
【SPEC】●再生周波数帯域:5Hz~40kHz ●インピーダンス:20Ω ●音圧感度:103dB/mW ●質量:約11g(ケーブル含まず) ●付属品:3.5mmステレオミニケーブル、4.4mmバランスケーブル、クリップ、キャリングケース
【プロがチェック】
音楽を演奏するアーティストがステージ上で眺めている情景が頭の中に浮かんでくるような「生き生きとした音」を楽しませてくれるユニバーサルIEM。マルチBAシステムの音のつながりがきわめてスムーズ。装着感も抜群に心地よい。筆者は本機がフラグシップモデルの「IER-Z1R」に引けを取らない、いまのソニーの最先端を象徴するイヤホンだと思っている。(山本さん)