アイリスオーヤマは、テレビ事業に本格参入することを発表し、業界初となる音声操作リモコンを付属した4K対応液晶テレビ7機種を11月20日より順次発売します。
ラインナップは、音が聞き取りやすい「フロントスピーカーモデル」3モデル(43/49/55型)と、狭額デザインの「ベゼルレスモデル」4モデル(43/49/55/65型)で、その違いはスピーカー部分のみ。画質や機能、音声操作リモコンなどは共通となります。いずれのモデルも新4K衛星放送用チューナーは非搭載。
大型白物家電に続きテレビ事業にも本格参入
同社はこれまで、生活家電や調理家電、照明などの製品を扱ってきましたが、2013年に家電開発の基盤となる大阪R&Dセンターを設立。その後、2017年に大型白物家電事業に参入し、エアコンや冷蔵庫、洗濯機などを相次いで投入しています。
2019年には東京R&Dセンターを設立。同センターによる製品化第1号として、今回の4K対応テレビが誕生しました。
同社は2018年より液晶テレビ「LUCA」シリーズの試験販売を行っており、1年間でおよそ10万台の液晶テレビを出荷。そこでユーザーからフィードバックされた意見として、「シンプルで使いやすいものがいい」「大画面でお手ごろな価格のものが欲しい」「多機能モデルは使いこなせない」といったシンプル&低価格モデルへの需要があったことから、シンプルな機能に、アイリスオーヤマならではのユニークな機能を盛り込んだテレビを開発しました。
それが、独自の技術による音声操作リモコンを付属した4K対応テレビ。音声に反応し、赤外線コードに変換してテレビに伝送することで、様々な操作がハンズフリーで行えます。
最大の特徴は、一般の音声操作リモコンと異なり、ネット環境に接続する必要がなく、Wi-Fiがない家庭でも使用できること。わずらわしい設定も不要で、買ってすぐに誰でも使えます。また、ネットを介しないので反応が早く、タイムラグもほとんどありません。
使用できる操作ワードは27種類。ネットにつながっていないため学習機能がなく、操作ワードを追加することはできません。また、音声ワードも定型のものしか認識できないため、違うワードを口にしても認識できません。
操作方法は、まずウェイクアップワードとして「ねえ、ルカ」または「ルカ、テレビ」と音声リモコンに話しかけます。するとテレビの音量が下がるので、続いて決められたワードを話しかけます(「テレビをつけて」「音量アップ」「イチチャン(1ch)」など)。
正確な動作のために、ニューラルネットワークやディープラーニングといった最新の技術を活用し、音声認識システムを開発。操作ワードも27種類に絞り込んだことで、誤操作を防ぎます。
音声リモコンは付属のブラケットで壁に設置可能。また両面テープでも取り付けられるので、壁に穴を開けずに設置することもできます。また、通常のボタン操作用リモコンも同梱されますので、従来通りの操作も可能です。
テレビは3840×2160ドットの4K解像度で、HDRにも対応。地デジ/BS/CSチューナーを2基搭載しており、別売のUSB HDDをつなぐことで裏番組録画も可能(2番組同時録画は不可)。HDMI端子×3、光デジタル音声出力端子×1、USB端子(録画用)×2を備えています。データ放送用のLAN端子は備えているものの、動画配信サービスなどのインターネットコンテンツには対応していません。
アイリスオーヤマのテレビ事業本格参入の第1弾として、自信を持って世に送り出すという音声操作機能は、近年のトレンドとなっているIoTの思想とはやや異なるものの、ネットを介さないことで“わかりやすさ”と“手軽さ”を訴求しており、高齢者やファミリー層を中心に人気となりそうです。
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