日本でも人気のイヤホン・ヘッドホンのブランドSHURE(シュア)が、初のANC機能搭載ワイヤレスヘッドホンや完全ワイヤレススタイルのBluetoothアダプターなど「AONIC(エイオニック)」シリーズなど、2020年のCESで注目の新製品を発表しました。今回は、各製品の詳細をレポートします。
シュア初のNC搭載ワイヤレスヘッドホン「AONIC 50」
「AONIC 50」はシュア初のアクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)機能を搭載したワイヤレスヘッドホン。北米では春から399ドル(約4.3万円)で販売を予定しています。カラバリはブラックとブラウンの2色。
こちらには、同社が独自にチューニングした高性能なANC機能、外音取り込み機能「Environment Mode」が搭載されています。ANCは3段階、外音取り込みはオフを含む11段階からコンパニオンアプリを使って調節できます。
ゆったりとしたデザインのアラウンドイヤースタイルとしたほか、本体がとても軽量なのでとてもよい装着感が得られます。CESの会場では展示用のiPhoneとペアリングした状態でいくつかの曲を聴くことができました。シュアのガツンと来る中低域のイメージよりも、全体にバランスの取れた上品なサウンドに方向を少しシフトさせている印象です。
ANCをフルに効かせたセットアップでの消音効果はとても高く、不自然な内圧も感じません。外音取り込みもスムーズ。マイクロフォンのブランドでもあるシュアらしい丁寧なチューニングです。
Blutoothオーディオのコーデックはとても幅広く対応しています。開発を担当したシュアのトーマス・バンクス氏によるとaptX HD/aptX LL/aptX ClassicとAAC/SBCのほかに、同社の製品として初めてLDACにも対応しているそうです。
USB Type-C端子は充電用途だけでなく、デジタル接続による最大96kHz/24bit対応の有線ハイレゾ再生も楽しめます。
完全ワイヤレス化できるBluetoothアダプター「AONIC TW1」
「AONIC TW1」はMMCX互換のイヤホンを完全ワイヤレス化できるBluetoothアダプター。耳掛けスタイルとして、完全ワイヤレスイヤホンの泣き所とされている耳元での安定感を高めることを重視したデザインなのだと同社のバンクス氏がデザイン意図を語っています。
本体のふっくらとしている箇所にBluetoothレシーバーにDACやアンプが内蔵されています。先に発売されたBluetoothアダプターの「BT2」のように、オーディオSoCに統合されたアンプを使わずに、シュアが独自に選んでチューニングを図ったアンプを内蔵したことにより、キレのあるパワフルなサウンドを鳴らせるように設計していることが特徴。
BluetoothオーディオのコーデックはaptX/AAC/SBCをサポート。SE215を接続して効いたiPhoneのサウンドは立体的でクリア、切れ味も豊かでした。SE215のニュートラルなサウンドバランスがそのまま活かせるBluetoothアダプターです。MMCX互換のイヤホンを装着できますが、大柄なイヤホンはそのまま充電ケースに収納できません。SE846などシュアのSEシリーズとの互換性は確保できているとバンクス氏が話しています。
本体の側面がボタン式のリモコンになっています。左右のボタン操作を同一にして、押し込みの感度も丁寧にチューニングされているため操作性はとても良かったです。耳掛けタイプなので押し込んだときにイヤホンがぐらつく心配も少ないと思います。本機も11段階の外音取り込みがアプリから利用できます。
AONICシリーズは今春に日本でも発売が予定されています。バンクス氏は「4月頃にはまた追加でAONICの新しい製品展開を持参してイヤホン・ヘッドホンの祭典に足を運びたい」と意気込みを語ってくれました。
引き続きポータブルオーディオ業界のキーワードにもなりそうな「ノイズキャンセリング」「完全ワイヤレス」「カスタマイズ」の要素を有したシュアの新製品ラインナップは、日本でも人気を集めそう。国内発売が楽しみですね!
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