スウェーデン生まれのオーディオブランドTRANSPARENT SOUND(トランスペアレントサウンド)より、強化ガラス製の透明なボディが美しいスピーカー「TRANSPARENT SPEAKER(トランスペアレントスピーカー)」が上陸しました。
ラインナップは黒を基調とした「TRANSPARENT SPEAKER」(13万8800円/税別)と、コンパクトなサイズの「SMALL TRANSPARENT SPEAKER」(6万4800円/税別)の2モデル。いずれも2019年12月10日より一部先行販売されていましたが、2月18日より一般販売が開始されました。
開発の起点は“サステナビリティ”
トランスペアレントスピーカーは、アルミフレームと強化ガラスを組み合わせた透明の筐体に、スピーカーユニットやアンプ、ワイヤレスモジュールなどを備えたBluetooth対応のアクティブスピーカー。美しいデザインもさることながら、最大の特徴は各パーツがモジュール化されており、取り外して交換することで環境負荷を減らすサステナビリティを実現していることにあります。
例えば、本機はBluetoothによるワイヤレス接続にも対応していますが、Bluetooth用モジュールを交換すれば、最新のBluetoothバージョンに対応させることができたり、Amazon AlexaやGoogleアシスタントなどの音声アシスタント機能を後から付与させたりすることができます。
従来のガジェットでは、最新技術により新しい機能が開発された場合、その機能を利用したければガジェットごと買い替えなければなりませんでしたが、トランスペアレントスピーカーの場合はモジュールを交換もしくは追加するだけで新機能を利用することができ、資源の無駄を最小限に抑えることができるのです。
スピーカーの開発・設計を行った同社のパー・ブリックスタッド氏は、「これまでの『買う→捨てる』を繰り返す直線的な消費行動を、より長く使える循環的なものにしたいという思いから本機をデザインしました」と説明。また、透明なデザインについては、「ガジェットのデザインは、表面を覆うことで内面の機械的な仕組みなどを隠すことが多いのですが、本機ではあえて透明にすることで、どんな素材を使っているか、どんなもので構成されているのか意識してもらえるようなデザインにしています」と、その意図を語っていました。
確かに、同氏の説明するように、透明な筐体を見ていると、アクティブスピーカーというものが“スピーカーユニット”と“アンプ”というシンプルな要素から成り立っていることが理解しやすくなっています。これにより、例えば故障の際など、一般的なガジェットであればどこが壊れたのか想像しにくいですが、本機なら「スピーカーユニットがダメになったのかな? それともアンプかな?」とイメージしやすく、メンテナンスも容易なのではないでしょうか。
ここで素朴な疑問がひとつ。ここまで洗練されたデザインなのに、内部の配線がむき出しになっているのはなぜなのでしょう? 配線が見えなければ、もっとデザイン性が高まるのでは……その疑問にブリックスタッド氏はこう答えています。
「確かに配線については、当初からいろいろな人に指摘されました。設計的には、配線をフレームに沿わせて見えないようにすることもできましたが、そうすると今度は『配線を隠したかったんだな』という意図が見えてしまいますよね。それに私は、この配線もスピーカーを構成するパーツの一部として敬意を表したかったんです」
つまり、配線はあえて見せるデザインにしている、ということ。細部にまでこだわりぬいてデザインされたスピーカーであるということがよくわかるお話でした。
気になる音質は、筐体から想起されるような伸びやかで透明感のある音に加え、大きい方のモデルでは大口径ウーファーによる迫力のある低音も楽しめます。静かなピアノソナタからクールなクラブサウンドまで、これ1台で様々なジャンルの音楽に対応できるでしょう。
このトランスペアレントスピーカーは、アクティブスピーカーとしてはかなり高額な部類ですが、高いデザイン性や環境にやさしいサステナビリティは唯一無二のものといえます。環境問題に関心の深い方やデザイン性の高いスピーカーをお探しの方は、ぜひチェックしてみて下さい。
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