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2020/3/26 21:30

圧倒的じゃないか! 高音質を極めたゼンハイザーの完全ワイヤレス「Momentum True Wireless 2」

ゼンハイザーが第2世代の完全ワイヤレスイヤホン「Momentum True Wireless 2」を5月中旬に発売します。価格はオープンですが、3万6000円前後での販売が見込まれています。本機をいち早くハンズオン、試聴してきたファーストインプレッションをお届けしたいと思います。

↑ゼンハイザーの最新完全ワイヤレスイヤホン「Momentum True Wireless 2」。カラーはブラックとホワイトの2色が揃います

 

↑ブラックモデル。デザインは前モデルを基本的に踏襲していますが、サイズが小さくなりました

 

ゼンハイザー初の完全ワイヤレスイヤホン「Momentum True Wireless」は、日本では2018年12月に発売されました。他社製品に比べて価格はハイエンドですが、音質も飛び抜けてプレミアムな“ゼンハイザーらしい”完全ワイヤレスイヤホンとして、数多ある製品のなかで存在感を出しています。

 

新モデルは初代機の最大の特徴でもあった“妥協のない高音質”を継承した第2弾の完全ワイヤレスイヤホンです。クアルコムのオーディオ向けSoCを搭載して、アクティブ・ノイズキャンセリングと外音取り込み機能、ペアリングしたスマホと連携するボイスアシスタント機能などを実現しました。カラバリはブラックのほかにホワイトを追加しています。

↑落ち着いたホワイトのカラバリモデル

 

ゼンハイザーが独自に開発した7mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載。耳に装着した時に安定したフィット感を実現するエルゴノミクスデザインのシェルは、前モデルから直径サイズを2mmコンパクトにしています。充電ケースも並べてみると新製品の方がわずかに横幅がスリムに。

↑左が新製品、右が前のモデル「Momentum True Wireless」です

 

↑イヤホンも新モデルでは直径が2mmほど小さくなっています。左が新製品、右が前モデル

 

サイズはコンパクトになっているのに、イヤホンに内蔵するバッテリーで約7時間の連続音楽再生ができるようになりました。前のモデルは約4時間だったことを考えると大幅なジャンプアップです。ケースで充電しながら使えば約28時間の連続リスニングも可能。

↑充電ケースを並べたところ。左のふたつがMomentum True Wireless 2。ブランドロゴがホワイトになりました

 

左右のイヤホンをつなぐ通信技術は前のモデルでは近接磁界誘導を使うNFMIとしていましたが、今回のモデルはクアルコムのSoCの通信感度が高まり、なおかつ駆動時の消費電力が低く抑えられることからBluetoothに変更されています。通信アンテナの設計にも基板上にレーザー光によって回路を形成するLDS(Laser Direct Structuring)の技術を使い、筐体内部の設計を最適化しているとのこと。

 

なおクアルコムのSoCを採用していますが、Snapdragonシリーズの最新SoCを搭載する一部スマートフォンとの間で左右同時接続を実現する「Qualcomm TrueWireless Stereo Plus」には非対応としました。

 

イヤホンの機能設定、イコライザーの調整などにはゼンハイザーの「Smart Control」アプリを使います。本体左右の側面に配置されているタッチパネルリモコンによるコマンド操作はアプリからカスタマイズもできます。

↑ロゴマークのある面にタッチパネルリモコンを搭載

 

小さくなっても高音質は健在

今回筆者はオーディオライターと記者向けに開催されたセミナーに参加して、「Momentum True Wireless 2」のサウンドをひと足早く体験してきました。前モデルと比較もしながら、新製品が進化したポイントを報告したいと思います。

 

まずは装着感から。直径が2mm小型化されると、耳に着けた時のフィット感はかなり変わります。小さくなったなという手応えは十分に感じられました。筆者は前のMomentum True Wirelessのシェルが外耳の形状にカスタムIEMかと思うほど納まりが良かったので、新しいモデルを装着すると筐体と耳の肌との間に少しスペースが空く感じがします。それでもフィット感は十分に安定しているし、遮音性能に影響もないのですが、イヤーチップのサイズはMからLに変えた方が安定感が高まりました。

↑Momentum True Wireless 2を装着したところ。外耳の形に合わせて気持ちの良いフィット感が得られます

 

新しいMomentum True Wireless 2はIPX4相当の防滴設計になります。リモコンパネルはタッチ操作の感度がちょうど良いバランスにチューニングされているので、体を動かしながら正確な操作ができると思います。

 

ノイズキャンセリング機能をオンにしてみると、人の話し声から特急電車の走行音のように持続的に響く低いノイズまでバランスよく消し込んでくれるのがわかります。機能を切り替えた時に耳に感じられるプレッシャーがとても少なく、長時間リスニング向きのノイズキャンセリング機能に仕上がっている印象。ノイズキャンセリング機能が音楽のリスニング感に影響を与えないように、イヤホン本体の外側に搭載するマイクだけで集音するフィードフォワード方式のデジタルノイズキャンセリング機能に絞って搭載したそうです。耳穴の中の遮音性についてはシェルやノズルの形状、シリコン製のイヤーチップによるパッシブなノイズキャンセリング効果と合わせて整えるという考え方。

↑ANC機能専用のマイクをハウジングの外側に配置しています

 

機能のオン・オフの切り替えはイヤホンのリモコン、またはアプリから操作できます。

↑リモコンのボタン操作は左右ともにカスタマイズが可能

 

外音取り込みはノイズキャンセリング機能を搭載するイヤホンとは切っても切れない間柄にあります。特にイヤホンを身につけて、街中で歩きながら音楽を聴く場合には外音取り込み機能は常時オンにして安全を確保しながら使いたいもの。その外音取り込みはマイク由来のノイズも少なく、環境音を自然に取り込めるバランスが印象的でした。

 

ゼンハイザーのMomentum True Wireless 2は外音取り込み機能をオンに切り替えた場合に音楽再生を継続するか、一旦ストップするか設定を選ぶことができるイヤホンです。アプリから「Transparent Hearing」を選んだ場合に、「音楽の再生を続ける」かどうかをトグルボタンのオン・オフによりスイッチします。

↑Smart Controlアプリから外音取り込み時の音楽再生を切り換えられます

 

イヤホンのサウンドは筆者が持参したiPhone 11 Proに接続して聴きました。Momentum True Wireless 2はaptXのほか、AACとSBCのオーディオコーデックに対応しています。iPhoneにつないだ場合はAACコーデックによりベストパフォーマンスを引き出します。

 

前モデルに比べると、ボーカルや金管楽器のメロディなど中高音域がとてもクリアで伸びやかになっています。ベースやドラムスの低音はアタックが鋭く、音像がタイトに引き締まっていました。Momentum True Wirelessもかなり音質の良い完全ワイヤレスイヤホンですが、「2」では透明感がまた一段と上がった印象です。ジャズバンドが音楽を演奏する空間が広々と描かれ、楽器の音の輪郭が緻密に再現されます。余韻の階調表現もとてもきめ細やか。

 

先代のMomentum True Wirelessは女性の音楽ファンにも多く関心を集めていたものの、本体のサイズが少し大きかったことから購入を諦めたという声もメーカーに寄せられていたそうです。サイズが小さくなって、サウンドは一段とスケールアップした「Momentum True Wireless 2」は”ホンモノの高音質”を楽しめる完全ワイヤレスイヤホンとして、男女を問わず多くの音楽ファンに注目されるのではないでしょうか。

 

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