AV
2016/7/17 16:45

加熱するアナログレコードブーム! 試聴イベントは立ち見が出るほどの盛況

連休初日の7月16日、東京・八重洲にある 「Gibson Brands Showroom TOKYO」にて、アナログレコードを聴きながら、その楽しみ方を語るトークイベント「YAERECO 7」が開催されました。オーディオライター田中伊佐資さんと、ディスクユニオンJazzTOKYOの生島 昇店長がタッグを組んで、アナログレコードについて軽妙なトーク交えながら解説していくというもので、年に3回ほどのペースで開催しており、今回で第7回めを迎えます。

↑
↑オーディオライターの田中伊佐資さん(左)と、ディスクユニオンJazzTOKYOの生島 昇店長(右)

 

イベントにはティアックとオンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンが協賛しており、アナログレコードプレーヤー「TN-570」など、話題の新製品を使ってレコードの試聴ができるため、音楽ファンやオーディオファンが多数来場。会場には30席ほど用意されていましたが、アッという間に座席が埋まり、座席の数と同じくらいの立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。観客の多くは昔からレコードに親しんできたであろう50代以上の方でしたが、ベテランのオーディオファンに混じって20~30代の若い方も姿も見ることができました。

↑会場は満席
↑会場は満席

 

↑満席のため多くの立ち見も
↑座席後方には多くの立ち見も出るほどの盛況ぶり

 

田中さんによれば、「過去にも立ち見が出たことはあったが、ここまで多くの人に来て頂いたのは初めて。会を増すごとに来場者も増えており、アナログレコードの盛り上がりを感じる」とのこと。また、「試聴に使ったティアックの『TN-570』と、オンキヨーの『CP-1050』のような、常識的な価格で買えるレコードプレーヤーが出てきたことも、レコードファンにとっては喜ばしいこと」と、テクニクスやティアックなど国内メーカーによる新製品の発売を歓迎していました。

 

機器を変えて聴き比べ

イベントでは、まず2つのレコードプレーヤーの聴き比べを実施。TN-570とCP-1050でそれぞれ同じ音源を聴いて、観客にどちらがよかったか尋ねます。TN-570はモーターとターンテーブルをベルトで介してつなぐベルト・ドライブ式で、CP-1050はモーターが直接ターンテーブルを回すダイレクト・ドライブ式と、2つのプレーヤーは回転方式が異なるため、それぞれの方式の特徴も比べることができます。スピーカーは、オンキヨーの取り扱うフランスのCabasse(キャバス)というブランドのトールボーイ型「TRADITION MC40 JAVA」というモデルを使っています。

20160717-i03 (4)

 

試聴に用いた音源はジャズの女性ボーカル。2つのプレーヤーで再生したあと、会場のお客さんに挙手で意見を聞いたところ、TN-570がよかったという人がCP-1050をやや上回りました。田中さんは、「ベルト・ドライブのTN-570はボーカルの伸びがよく、CP-1050はカチッとした音。女性ボーカルなのでTN-570が優勢だったが、ロックをかけていたら違う結果になったかも」とコメントしていました。

↑手前がティアック[ TN-570」、奥がオンキヨー「CP-1050」
↑手前がティアック「TN-570」、奥がオンキヨー「CP-1050」

続いてアンプを聴き比べます。こちらは、大きさの異なるDクラスアンプ(デジタルアンプ)3機種を用意。パイオニアのフルサイズモデル「A-70A」と、ティアックのB5サイズほどの小型モデル「AI-301DA」、Deff Soundのキューブ形状の超小型モデル「DDA-AMP1」を使い、サイズによる音の違いや、デジタルアンプの個性の違いなどを聴き比べます。

20160717-i03 (6)
↑奥からパイオニア「A-70A」、ティアック「AI-301DA」、Deff Sound「DDA-AMP1」

 

試聴に用いた音源は、ローリングストーンズのアコースティックアルバム「Stripped」。プレーヤーはオンキヨーCP-1050を使っています。3台のアンプで同じ音源を聴き比べるというのは、普段はなかなか試せないので、会場のお客さんも真剣に耳をすましていました。試聴の結果、最も支持が多かったのはパイオニアA-70A。田中さんによれば、「A-70Aはパイオニアらしい押し出しの強い音、AI-301DAはフラットでプロフェッショナルな印象、DDA-AMP1は小型のボディからは想像できないほどのサウンドで、アコースティックな艶の再現は1番よかった。今回は使ったスピーカーが大きくて重いので、やはりパワーのある大きいサイズのアンプが有利だったのかも」ということでした。

20160717-i03 (3)
↑生島店長は80年代の女性シンガーソングライター佐々木好(このみ)さんの作品「心のうちがわかればいいのに」を持参。マニアックな選曲に会場も盛り上がっていました

 

以降は、観客の意見により選ばれたプレーヤーとアンプを使って、お二人が持ち寄ったレコードをひたすらかけていきます。音源は日本の歌謡曲から、ジャズ、ピアノ、ポップスまで様々。特に、田中さんが「当日の午前中に聴いて涙が出そうになって、今日は絶対この曲をかけようと決めた」という、エルトン・ジョン「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」からのキャロル・キング「つづれおり」の流れは、センチメンタルながらもアコースティックの響きが気持ちよく、あらためてレコードの音の良さを感じる選曲になっていました。

 

次回、第8回は秋ごろに開催予定ということで、アナログレコードに興味のある方、あるいは色々なオーディオ機器の機器比べを体験してみたいという方は、ぜひディスクユニオンJazzTOKYOの告知などをチェックしてみてください。

 

【関連記事】
いまアナログオーディオが熱い! 老舗レコード店スタッフが語るレコードの魅力
20160627-i02 (8)

 

アナログレコードを多彩に楽しむならコレ! ハイレゾ出力やUSB録音もできるレコードプレーヤー ティアック「TN-570」
20160707-i06 (3)
【URL】

Gibson Brands Showroom TOKYO http://gibsonsr.jp/

ディスクユニオンJazzTOKYO http://blog-jazztokyo.diskunion.net/