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2020/9/1 19:15

音の“キモ”がほかとは違う! ゼンハイザーが2万円台の完全ワイヤレス「CX 400BT」発売

ゼンハイザーが、音質を徹底追求した完全ワイヤレスイヤホン「CX 400BT True Wireless」を9月下旬に発売します。価格はオープンですが2万3500円前後で購入できそうな期待のミドルレンジモデルです。

↑CX 400BT True Wireless

 

ゼンハイザー入門にも最適なミドルクラスのTWS

カラーバリエーションはブラックとホワイトの2色展開になります。今年の4月に発売された「MOMENTUM True Wireless 2(以下:MOMENTUM TW2)」に続く、ゼンハイザーの3つめの完全ワイヤレスイヤホンです。

 

CXはゼンハイザーのミドルレンジクラスの定番モデルが冠するシリーズ名です。音質とシンプルな機能性のバランスがとてもよいシリーズなので、国内外でポータブルオーディオの入門層にも多く支持されています。

↑CX 400BT True Wireless(ブラック)

 

↑CX 400BT True Wireless(ホワイト)

 

上位モデルが搭載するアクティブ・ノイズキャンセリングや外音取り込みの機能は省かれていますが、ゼンハイザーが自社で設計・開発してチューニングを追い込んだ7mm口径の高音質ダイナミック型ドライバーが本機にも搭載されています。自社開発のドライバーを搭載する完全ワイヤレスイヤホンはまだあまり多くないだけに、ゼンハイザーが本気で音質にこだわってこのイヤホンをつくった意気込みが伝わってきます。

↑側面にブランドロゴを配置。耳に触れる側に緩やかな曲面を設けています

 

ワイヤレスイヤホンにとってもうひとつ音作りの核となるシステムICチップには、クアルコムの製品を採用しています。スマホなど音楽プレーヤー機器との接続はaptXのほか、AAC/SBCの各コーデックに対応しています。音楽プレーヤー機器とのワイヤレス接続は片側イヤホンを基点とするリレー方式になりますが、上位のMOMENTUM TW2と同じく感度の高いLDSアンテナを積んだことで、音途切れやノイズの混入が少ない安定した接続性能を実現しているそうです。

↑ケースも片手に収まるサイズ感としています

 

初代機にもよく似た力強いサウンド

aptX接続に対応するGoogle Pixel 4aと、AAC接続によるリスニングをiPhone 11 Proをリファレンスにして音を聴いてみました。音質は明るくてパワフル、元気なサウンドです。力強さと繊細さの両方を持ち合わせており、音楽の輪郭を正確に、かつ丁寧に描き分けます。結果、ボーカルや楽器の生演奏を間近で聴いているような、真に迫るイヤホンリスニングが楽しめました。

 

高域の見晴らしや細かな音の粒だちの良さは上位機種のMOMENTUM TW2の方がさすがに上手であるように感じますが、中低域の鋭いアタックと肉付きの良さは初代の「MOMENTUM True Wireless」にもよく似ていると思います。どのジャンルの音楽も楽しく聴けるイヤホンですが、特にロックやポップス系の楽曲を聴いてみたファーストインプレッションは良いものでした。

↑右側の大きい方が上位機のMOMENTUM True Wireless 2

 

↑CX 400BTは上位機に迫る高い質感としています

 

イヤホンの形状は長時間の音楽リスニングを続けていても耳に負担がかからないよう、人間工学に基づく設計を重視しながら装着感を高めています。耳に触れる内側部分に緩やかなカーブを付けて優しいフィット感に整えています。シリコン製イヤーピースのサイズはXS/S/M/Lの4種類が付属。

 

機能充実のアプリと連携

ゼンハイザーのワイヤレスヘッドホン・イヤホンが対応する「Smart Control」アプリはCX 400BTの設定操作にも対応しています。無料のアプリをダウンロードして、アプリから接続設定やイコライザーによる音質調整ができます。

 

今年の夏に実施されたソフトウェアアップデートにより、音質調整は円形のオブジェクトをグラフィックイコライザーの中で任意の位置に動かして好みのバランスに設定できるモードのほかに、高中低域3つのスライダーを調整するモードの2つが揃いました。カスタマイズしたイコライザー設定に名前を付けてプリセットとして保存すると繰り返し使えます。またアプリにはイヤホンを接続するプレーヤー機器をリストから選んで簡単に切り換えられる機能も新設されました。

 

シリコン製イヤーピースによるパッシブな遮音性能も高いので、音が漏れることなくストレートに鼓膜を刺激する力強さが実感できます。外音取り込み機能が搭載されていないので、屋外でのリスニング、オフィスや自宅でビデオ会議の場面などに使う場合は周囲に気を配りたいところです。

 

コンパクトでフィット感が高いイヤホンなので、スポーツシーンで使いたくなるかもしれません。ところが残念ながらCX400 BTのイヤホン本体は防滴・防水性能をうたっていません。本体に水滴が付着した場合は乾いた布などで速やかに拭いて使うことをおすすめします。

 

本体の左右サイドパネルにはタッチセンサーリモコンが内蔵されています。上位のMOMENTUM TW2と同様にタッチ操作に対して機敏に反応してくれます。リモコンのボタン操作に割り当てるコマンドはSmart Controlアプリから自由に設定を変更可能。

 

イヤホンの内蔵バッテリーによる連続音楽再生は約7時間、ケースによる充電を足すと約20時間に到達します。MOMENTUM TWS2と使い勝手の上では肩を並べるスペックです。フル充電に必要な時間は約1.5時間。10分間のスピードチャージで約1時間の連続再生が楽しめます。

↑充電ポートはUSB Type-C

 

同価格帯TWSのリファレンスになれる音質

独自開発のダイナミック型ドライバーの量産を安定軌道に乗せて、2万円台で購入できる手頃なCX 400BTにも展開してきたゼンハイザーの底力には脱帽しました。最新の音楽作品も力強く鳴らすことができて、音質面の完成度がとても高いイヤホンであることを誰もが実感できると思います。ドイツの老舗・ゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホンを気軽に楽しんでみたい方の期待にベストマッチするモデルではないでしょうか。

 

本機をふだんから音楽を聴く時の「基準の音」にできれば、将来ゼンハイザーの上位製品や他社製品と音を比べてイヤホンの買い増しを検討する場面でも、きっとCX 400BTを使っていてよかったと実感もわいてくるはずです。

 

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