安定感が増し就寝中も外れにくい
Sleepbuds IIの本来の使い方である入眠サポートは、初代機が既に高いレベルに到達していた音の聞こえ方、快適な装着感を引き継いでいます。外耳のくぼみに引っ掛けるスタビライザーを一体にした柔らかいシリコン製イヤーチップも、形状を見直したことから耳に装着した時の安定感が増しました。朝起きた時に本体が外れていることも少なくなったので、目覚ましアラームの設定が無駄になりません。
アプリには多彩なマスキングサウンドが収録されています。飛行機のジェットや風力発電機のタービン、雨音や滝の音など「ノイズを消すためのノイズ」も効果的だと思いますが、筆者は自然をテーマにした落ち着けるヒーリングサウンドの方をよく使っています。
スマート耳栓として目覚めている時間に使ってみた
Bose Sleepbudsシリーズはスマートな耳栓であるという原点に立ち返れば、“眠りたい時”以外にもユーザーの役に立つ場面が色々あります。
Sleepbuds IIではドライバーが強化されたことによりマスキングサウンドの力強さと明瞭度がアップしており、その効果は目覚めているあいだにも発揮されます。屋外でSleepbuds IIを装着してマスキングサウンドを再生してみたところ、ざわつく人の声や機械の動作音など様々なノイズが自然に消えました。ワイヤレス・ノイズキャンセリングイヤホンに近い使い方ができます。
とはいえ音楽再生用のイヤホンではないため、ノイズを消した状態で好きな音楽を聴くことはできません。けれどもその代わりにアプリからマスキングサウンドを再生する時間を決めれば、あとは本体のバッテリーが続く限り“かけっぱなし”にできます。マスキングサウンドはループ再生を続けるので、楽曲が途切れたら次に聴きたい曲を探して再生する手間がかかりません。音楽再生のように歌詞やメロディに集中を奪われることもないので、目の前の作業により深く没頭できる効果はSleepbudsシリーズの方が高いといえるかもしれません。
コンパクトな本体はイヤーチップとともに耳にぴたりと密着するので、非常に高いパッシブな遮音効果が得られます。おかげでマスキングサウンドのボリュームを必要以上に大きくしなくてもよいので、長時間使い続けても耳に過度な負担がかかりません。マスキングサウンドにも疲れてきたら、再生を止めてもイヤーチップが環境ノイズを高レベルにブロックしてくれます。
ペアリングしているスマホに着信があると、Sleepbuds IIが音を鳴らして知らせてくれる機能もあります。電話の取り逃しが防げるので、一人での在宅・リモートワークも安心です。読書や模型を作ったり、集中を必要とする趣味を楽しむ時にも心置きなくSleepbuds IIが使えます。
本体は防滴仕様なので、汗や水滴への耐性も備えています。リラグゼーションサウンドを再生しながら室内トレーニング、ストレッチやヨガを楽しむ際にも最適でした。ただし、スポーツ用途を想定した耐久性は持たせていないので、取り扱いには十分注意が必要です。筆者は本機を歩きながら使ってみましたが、本体とイヤーチップが耳の肌に触れてこすれる音も少しするので、そこは割り切って使う必要があると感じました。
ボーズのSleepbuds IIは、ビジネスパーソンの睡眠ライフだけでなく在宅・リモートワークもサポートしてくれる強力なスマート耳栓です。製品のネーミングにとらわれることなく、自由にかつ積極的に色んな使い方をしてみると本機の真の価値が掘り起こせると思います。
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