初めてスマホアプリに対応
本体のリモコン操作のほかに、RHAのワイヤレスイヤホンとして初めてiOS/Android対応のモバイルアプリ「RHA Connect」による楽曲再生のコントロールと本体設定、およびファームウェア更新などに対応しました。
アプリを開くと左右イヤホン、およびケースのバッテリー残量がパーセント数値で表示されます。メインメニューは画面の下に並ぶアイコンを選択。左から2つめのアイコンを選択するとANCとアンビエント、ANCオフのモード選択が行えます。ちなみにイヤホンのリモコンでANCとアンビエントを切り換える操作は左側パネルのダブルタップになります。
アプリにはTrueControl ANCの音質をカスタマイズできるイコライザーも搭載されています。プリセットはデフォルトの「中性」を含む5種類。効果はいずれも極端にかかるものではなく、もともと素性の良いイヤホンのサウンドを丁寧に色づけして、高域や低域を聞きやすくする意図が感じられるプリセットとなっています。ユーザーが設定を自由に変更してプリセットのほかに残せないのが残念ですが、今後アップデートで追加されることを期待しましょう。
ほかにもイヤホンの着脱に連動して音楽再生を一時停止・再開させる「装着検出」、本体リモコン操作の一部カスタマイズや日本語を含む音声ガイダンスの言語選択もアプリから行えます。
解像度が高く力強い、バランスのとれたサウンド
RHAのTrueControl ANCは、雑味がとても少ないクリアなサウンドが特徴。渇いた喉を潤すミネラルウォーターのように、ゆっくりと自然に音が鼓膜に染み渡っていくような心地よい感覚があります。ANCのオン・オフを切り換えてみてもチューニングにブレがないので、音楽リスニングに限らず映画鑑賞、ビデオカンファレンスなど様々な用途に腰を据えて使い込みたくなるイヤホンです。
RHAのイヤホンらしい艶やかな中高域の再現力はクラシックの弦楽三重奏を聴くとよくわかります。女性ボーカルの滑らかな質感、ジャズピアノのシルキーな質感表現もお手の物。インパクトがタイトに引き締まっていて、出足もスムーズな低音はロックやEDMのアップテンポな楽曲にフィットするだけでなく、ジャズやクラシックの落ち着いた楽曲にもしっくりときます。TrueControl ANCは特定の音楽ジャンルや音源に得手不得手が偏らない、まさしくオールラウンダーだと言えるでしょう。
ANCの効果はエアコンのファンノイズ、自動車のロードノイズなど低音域の持続する騒音をきれいに消し込んでくれます。人の声に対する効果は少しマイルドな印象でした。ANC機能のレベルは固定されているイヤホンなので、ざわつく人の声をもう少し抑えたい場面ではパッケージに同梱されている低反発フォームタイプの高遮音性イヤーピースに交換してみると良いでしょう。
アンビエント機能はアプリを使って強弱を4段階から選択できます。レベルを最大にしてもマイクの性能が良いため不快なマイクノイズが感じられません。外を歩きながら使う時には取り込みレベルを最大に設定するとアンビエント音にも注意を向けながら安全に音楽リスニングが楽しめます。
TrueControl ANCは価格が税込3万4900円というプレミアム価格帯に位置するモデルですが、音質や機能面でのクオリティはどれも秀逸でバランスがよく、他社の製品と明らかな差が実感できました。長く愛用できる1台であることを考えれば納得の行く買い物になると思います。
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