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2021/2/26 18:45

テレビをスマートにするボーズのサウンドバー「Bose Smart Soundbar 300」レビュー

ボーズはAmazon、GoogleのAIアシスタントを搭載するシングル筐体のサウンドバー「Bose Smart Soundbar」シリーズの展開にも力を入れています。今回は2021年初に発売された5万5000円のスタンダードモデル「Bose Smart Soundbar 300」の使い心地をレビューします。

↑AIアシスタントを搭載する、シンプルなサウンドバー「Bose Smart Soundbar 300」

 

AIアシスタントを内蔵するスマートサウンドバーの入門機

ボーズは薄型テレビやビデオプレーヤー機器に接続して、手軽に迫力あるサラウンド再生が楽しめる複数のサウンドバーを発売しています。Bose Smart Soundbarシリーズは頂点の「700」とハイエンドの「500」に続く3機種目。Wi-Fi接続機能を持たず、HDMI接続とBluetooth再生に特化した「Bose TV Speaker」も昨年、ロングランヒットモデルの「Bose Solo 5 TV sound system」に代わる後継機として発売されたばかりです。

 

新製品のBose Smart Soundbar 300(以下:Soundbar 300)は、価格順に並べるとSmart Soundbar 500とTV Speakerの中間に位置するサウンドバーです。Wi-Fi機能やAIアシスタントが搭載されていないTV Speakerとはできることの違いもかなりあります。とにかくシンプルに薄型テレビの音をリッチにできるTV Speakerの魅力を下地にして、さらに約2万2000円を足せば本格的なスマートサウンドバーが手に入るイメージになるかと思います。AirPlay 2やSpotify Connectなど、Wi-Fi機能を使って音楽配信サービスのストリーミング再生が手軽に楽しめるところも筆者がSoundbar 300をおすすめする理由です。

 

シリーズ上位モデルとの主な違いはスピーカーシステムとアンプのサイズ、自動音場補正機能「ADAPTiQ」への対応の有無などが挙げられます。40〜55インチ前後の薄型テレビと組み合わせるのであれば、Soundbar 300のサイズマッチが活かせます。本体の奥行き方向のサイズはシリーズすべての機種がほぼ10cmと、置き場所を取りません。

↑40-55インチ台の薄型テレビとマッチするサイズ感

 

↑本体の奥行きサイズは約10.3cm。ラックの置き場所を過度に取りません

 

設定はBose Musicアプリから

Soundbar 300とWi-Fiルーターとの接続など、初期セットアップは「Bose Music」アプリで行います。ホーム画面にAmazon MusicやTuneInラジオなどの音楽ソースが並び、右下に表示されるサウンドバーのアイコンをタップすると本体設定や、ボーズのスマートスピーカーとのグルーピング設定のメニューに入ります。

↑ボーズのWi-Fi接続機能を持つスマートスピーカーとのグループ再生機能も楽しめます

 

↑サウンドのバランスを調整できるイコライザー機能を搭載

 

AIアシスタントはAmazon Alexa、Googleアシスタントのどちらかを選択して、サウンドバーにビルトインされているAIアシスタントに直接話しかけて音声による操作ができます。内蔵するマイクシステムはサウンドバーで音楽や映画の音声を再生しながら、ユーザーの声を正確に聞き取れる感度の良さを特徴としています。

↑感度の良いマイクを内蔵。マイクミュートもできます

 

リアルで迫力たっぷりのサウンドが楽しめる

Soundbar 300の音を聴いてみました。Netflixの作品「攻殻機動隊 SAC_2045」からシーズン1/エピソード1の冒頭、7分前後からのカーチェイスでは広々と描かれる空間に飛び交う弾丸、ジープやタチコマが前後左右に移動するサラウンド効果音が鮮明に描写されます。ドルビーアトモスやDTS:Xのような立体音声フォーマットには対応していなくても、自然に没入できて息を吞むほどにリアルなサラウンドがBose Smart Soundbarシリーズの魅力です。

↑背面にHDMI端子を1基搭載。テレビから入力される映像配信コンテンツの音声も迫力たっぷりに再現します

 

爆音にいっそうのドスを効かせて響かせたい場合など、Bose Musicアプリから「オーディオ」のメニューを選択すると高・中・低各帯域ごとに±10段階のサウンド調整が細かくできます。むしろ夜間は低音を少し抑えて、センターチャンネルをプラスしたり、あるいは「ダイアログモード」をオンにしてセリフを聴きやすくする楽しみ方も選べます。

↑ボリュームや再生ソースの切り換え操作などは付属の専用リモコンからでも行える

 

AirPlay 2に対応しているので、iPhoneのApple Musicで選曲した楽曲もSoundbar 300でシンプルに楽しめます。ボーカルにはにじみがなくとてもクリア。バンドによる演奏にも豊かな広がりが感じられるところがサウンドバーによる音楽再生の醍醐味です。

 

Soundbar 300も対応する「Bose SimpleSync」は、「Bose Noise Cancelling Headphones 700」「QuietComfort 35シリーズ」などボーズのBluetoothワイヤレスヘッドホンにサウンドバーをペアリングして音声をシェアしながら聴ける機能です。薄型テレビにBluetooth接続によるオーディオ再生を楽しむための機能が搭載されていなかった場合、サウンドバーを介して夜間でも映画やテレビの音声をワイヤレスヘッドホンを使って好きな音量で聴くことができます。サウンドバーの音声を消さずに、ワイヤレスヘッドホンと両方で音を鳴らすこともできるので、例えばリビングに集まる家族と少し離れたキッチンで手を動かしながら一緒にテレビ番組を見るという使い方も可能です。

↑サウンドバーで再生中の音をBose Noise Cancelling Headphones 700でも楽しめる便利な「Bose SimpleSync」機能に対応

 

↑Bose Musicアプリのグループ機器設定からSimpleSync対応機器としてヘッドホンをペアリングする

 

Bose MusicアプリにはほかにもSpotifyやAmazon MusicのプレイリストやTuneInラジオのお気に入りのステーションを最大6件まで登録できる「プリセット」として残して、聴きたくなったら素速く呼び出せる便利な機能があります。

↑Bose Musicアプリのプリセット機能は使わないとソン!

 

本格的なサラウンドシアターシステムに発展もできる

Soundbar 300はむやみな装飾を抑えて、薄型テレビを中心としたテレビシアターに違和感なく溶け込めるミニマリスティックなデザインも魅力的です。将来は低音をさらに強化できるサブウーファー「Bose Bass Module 500」、リアスピーカー「Bose Surround Speakers」を使って、5.5万円から始めるホームシアターを本格的なものに発展させながら長く楽しむ計画を立ててみてはいかがでしょうか。

 

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