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2016/10/26 15:00

“乗る楽器”に“音を奏でる車いす”――2つのヤマハが描く未来デザイン【動画】

音叉マークでお馴染みのヤマハ、ヤマハ発動機のコラボレーションによって実現した「Two Yamahas、One Passion デザイン展2016」が、六本木ヒルズの大屋根プラザで開催された。会場には両社のデザインコンセプトモデルに加え、音響装置「&Y02」のワールドプレミアなど製品が盛りだくさん! 個性的なデザインで観客たちを魅了した。新時代へ向けたヤマハの“ヴィジョン”を含めて紹介していこう。

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乗り物を音で表現する「モビリティ」を世界初披露

19個のスピーカーが取り付けられたケージが交差する「&Y02」は、モーターサイクルを思わせるハンドルとアクセル、ブレーキ、クラッチを操作することで音楽を操作し、空間内の乗員が不思議な移動感覚が体感できる「楽器」だ。楽器のヤマハ、モーターサイクルのヤマハ発動機――両社のテクノロジーが見事に融合した作品で、当日は「&Y02」のオリジナル楽曲を担当した作曲家・難波 研氏によるパフォーマンスも披露された。

 

また、会場には人気のモーターサイクル「ボルト」とともに、往年のカフェレーサー・スタイルをイメージしてデザインされたエレキギター「REVSTER」が展示。見事なまでのクラフトマンシップに来場者たちは興味津々だった。モーターサイクル×エレキギターの組み合わせは永遠の憧れであり、幅広い年齢層のファンを魅了するに違いない。

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↑「REVSTAR」シリーズは音だけでなく外観も個性的なラインナップ

デザイナーの情熱が新たな時代を生みだす

ほかに、会場で目を引いたのが電動アシスト付き車いす「&Y01」だ。同モデルの特徴は、背面部に搭載されたヨットの帆のような「TLFスピーカー」と、両側に装備されたパーカッションによって音を奏でることができる点。デザインも優雅で美しく、介護や通院などに対する従来イメージを払拭。使用者に対して明るくポジティブなイメージを与えてくれる。

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↑会場に展示されていた「&Y01」。白を基調としたデザインとヨットの帆のような「TLFスピーカー」が特徴的だ

 

会場にはもう1つ、電動アシスト付き車いすが展示されていた。「02GEN」という名の本モデルは、機能性はもちろん、座った姿勢の美しさや人と車いすの一体感といった“魅せたくなるデザイン”を追求して開発されたとのこと。

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↑人と調和するデザインの「02GEN」。フレームやホイールにはスキントーン系アイボリー、キャスターにはつや消しレッドゴールドアルマイト塗装が施されている

 

デザインを担当したヤマハ発動機・デザイン本部の前園さんによると「車いすに乗ることが苦痛であってはダメなんです。美しいデザインと機能性が融合すれば、きっと外出する機会が増えるはず。音を奏でる&Y01、美しいデザインの02GEN。使い手の個性に寄り添うことで新たなる世界を感じて欲しいと思っています」と語ってくれた。健常者だけでなく、ハンディキャップを持つ人に対しても新たなる提案を続けるヤマハ。その”優しさ”と”思い”を表現したモビリティは、これからの世界を変えていくに違いない。

 

近未来の遊びを”カタチ”したコンセプトモデルたち

会場では02GEN以外にも「GEN」の名前が与えられたコンセプトモデルたちを展示。ランウェイをイメージしてデザインされたスクーター「04GEN」、トリシティの3輪技術と電動アシスト自転車の技術を融合した「05GEN」、日本独特の縁側をイメージしたモビリティ「06GEN」など、デザイナーの思いを直感的に表現した作品ばかりだ。

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↑ランウェイを華麗に舞う女性をテーマしたという新しいコミューター「04GEN」。軽やかな外装が美しい

 

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↑「衣」をもとに発想したという電動アシストモビリティ「05GEN」。上部に備えられたルーフで軽い雨や日差しをしのぐことができる

 

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↑内と外の境が曖昧な空間「縁側」をコンセプトにした「06GEN」。内部はリビングルームを思わせる質感だ

 

会場で「04GEN」を手掛けたヤマハ発動機・デザイン本部の並木さんに開発秘話を聞いた。「自転車のデザインは普遍と思われていますが、まだまだ残されていることは多いのです。トリシティで培ったフロント2輪のテクノロジーと、PASの電動アシストの技術を融合させ、新たなる乗り物としてデザインをしてみました。以前は試作のために膨大な時間と莫大なお金が掛かりましたが、今は3Dプリンターを使って細かい部品でも簡単につくることができるようになりました(笑)。技術の進化は新たなるデザインをサポートし、デザイナーの自由な発想が未来を支えて行くのだと思っています」と語ってくれた。

 

本イベントには乗り物、音楽、そしてデザインと、さまざまな興味をもつたくさんの人が来場。取材に訪れていたメディアも多く、その注目度の高さがうかがえる内容だった。