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2016/11/30 15:00

4月の発売以来プロ&ハイアマが絶賛するニコン「D500」を改めて検証! 冬ボーナスで“買い”なのかを判定!

今年4月の発売以来、プロやハイアマチュアから絶大な支持を得ているニコン「D500」。本機はAPS-Cサイズセンサーを搭載する同社製一眼レフカメラのフラッグシップ機だ。その最大の特徴は、153点のAFシステムと約10コマ/秒の高速連写によって、動きの速い被写体も瞬間を逃さず撮影できる点にある。

 

今回は、そんなハイスピード一眼レフ「D500」で秋ならではの風景とスポーツシーンを撮影し、その実力をいま一度検証してみた。秋の新製品も続々と発表されるなか、本機が冬のボーナスで“買い”な一台なのかどうかを実写を見ながらチェックしていこう。画像をクリックすると拡大表示可能なので、気になる方はじっくり見ていただきたい。(ただし、長辺が3000ピクセルになるようリサイズしている)。

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↑ニコン「D500」。装着しているのはキットレンズの「AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR」。左は9月に発売された新・望遠ズーム「AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR」

 

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馬だろうが野球だろうが確実に捉え続けるAF追従性が圧巻

まずは乗馬場を訪れ、目の前を駆け抜ける馬を試し撮り。ドライブモードを高速連写にしたうえで、シャッター速度を1/1000秒に、フォーカスモードをAF-Cに、AFエリアモードをオートにそれぞれ設定し、レンズは望遠ズームを使用した。

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↑ AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR 270mm相当 ISO450 F5.3 1/1000秒 スタンダード

 

感触としては、迫力と躍動感のあるカットを簡単に撮ることができた。ある程度動きを予測し、被写体をフレーム内に収め続けることさえできればピントを外すことはほとんどない。画質モードRAW(14ビットロスレス圧縮)の場合、公称値どおり200コマまで途切れることなく連写できる点も秀逸だ。高画質の高速連写でもデータの書き込みに待たされることなく、次々に訪れるシャッターチャンスを狙うことができるだろう。

 

画質面では、毛並みや衣服の質感をきっちりと再現できる細部描写力の高さと、抜けのいいクリアな発色を確認できる。曇天のため、感度はISO450までアップしたが、暗部ノイズはほとんど気にならない。

 

続いて少年野球を撮ってみた。同じく10コマ/秒の高速連写を使うことで、狙いどおりボールが手から離れた瞬間を捉えることができた。

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↑ AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR 345mm相当 ISO110 F5.6 1/1000秒 スタンダード

 

次の写真は、浜辺を走りまわる子どもをシルエットで捉えたもの。一般的にピントが合いにくいとされる逆光条件だったが、AFは吸い付くようにピタリと合焦し、拡大すれば光にきらめく髪の毛の1本1本が分かるほどシャープな写りが得られた。

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↑ AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR 277mm相当 ISO100 F16 1/800秒 スタンダード

 

軽快なレスポンスは動体以外の撮影でも大活躍

次は動体以外の被写体でその実力のほどを見ていこう。D500は、APS-Cサイズの有効2088万画素CMOSセンサーを搭載する。同じDXフォーマットでも「D7200」や「D5600」「D3400」といった下位モデルは有効2416万画素センサーを採用しており、それに比べて画素数はやや少ない。画素数よりも連写などの処理速度を優先したためだ。

 

とはいえ、風景撮影に不向きというわけではない。次の写真はキットレンズのワイド側を使用し、F8まで絞り込んで撮影したもの。四隅までくっきりと解像し、小さな葉や枝など被写体のディテールを精密に描写できていることがわかるだろう。

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↑AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR 24mm相当 ISO100 F8 1/30秒 スタンダード

 

続いて、望遠ズームを使って葉の部分をクローズアップ撮影。特に明るいレンズではないが、背景にはきれいな玉ボケが生じ、奥行きを感じさせる写真となった。ピントを合わせた紅葉部分のシャープネスも良好だ。

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↑ AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR 450mm相当 ISO100 F6.3 1/125秒 スタンダード

 

それでは高感度時の描写はどうだろう。次の2枚の写真はISO800~1100という高感度で撮影したものだ。低感度のカットに比べると暗部のざらつきはやや増えているものの、それでも汚い印象はなく、狙いどおりの細部描写となった。

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↑ AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR 112mm相当 ISO800 F8 1/125秒 スタンダード

 

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↑ AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR 330mm相当 ISO1100 F5.6 1/160秒 スタンダード

 

AF-Pレンズの登場で4K動画機能が真価を発揮

ここまではD500の静止画について検証してきたが、4K対応の動画機能にも注目したい。上の写真でも使用している「AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR」は、AF駆動にステッピングモーター(パルスモーター)を採用した新ラインナップ「AF-P」レンズの1つ。AFの駆動音が非常に静粛なため、動画用にもってこいのレンズといえる。

この動画では奥から手前へとピント位置を急激に変化させたがAF駆動音はほぼ聞こえない。これならば撮影時の音をそのまま生かしたい場合でもレンズの駆動音が気になることはないだろう。

 

今回の検証では、動体から風景、クローズアップまで様々なシーンを狙ったが、いずれも軽快なレスポンスによって気持ちよく撮影を楽しめた。連写とAFだけでなく、起動や再生、メニュー選択などすべての操作がスピーディである。

 

惜しいのは、ライブビュー時のコントラストAFがあまり速くないこと。せっかく液晶のチルト可動やタッチパネルに対応しているのに、コントラストAFは少々もたつく。ここは今後の改善に期待したい部分だ。

 

とはいえ、ほかに目立った弱点はなく、同社DXフォーマットのフラッグシップとして高い完成度といっていい。ボディのみで20万円を超える価格は手ごろとはいえないが、スピードと画質を重視する人なら、価格に見合った満足感が得られるだろう。発売当初に比べると少し価格が落ち着いてきている点にも注目だ。

 

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