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2015/10/26 11:36

36万円の革新的イヤホンが登場!! 「秋のヘッドフォン祭り」in中野で最新オーディオを体感

10月24日(土)~25日(日)の2日間にわたって、東京・中野のサンプラザ中野において、フジヤエービック主催のオーディオイベント「秋のヘッドフォン祭 2015」(入場無料)が開催されました。同イベントでは、国内外のオーディオメーカーがイヤホンやポータブルオーディオプレーヤーなどの新製品を発表するとともに、一般ユーザーがそれらの新製品をいち早く試せることで人気を呼んでいます。

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今回は、イベント会場に出品されたたくさんの新製品のなかから、注目のアイテムをピックアップして紹介します。

世界初の高遮音性コンデンサ型イヤホン シュア「KSE1500」。価格は36万円!!

イベントに出品された多くの製品で、最も来場者の注目を集めたのは、世界で初めて小型のカナル型イヤホンにコンデンサ方式のユニットを搭載した、米国シュアの最新イヤホンシステム「KSE1500」でしょう。コンデンサ型ユニットを搭載したカナル型イヤホンと、それをドライブするための専用USBDAC/アンプがセットになっており、スマートフォンやポータブルオーディオプレーヤーとアンプを接続して使用します。

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同製品は小型化が難しいとされてきたコンデンサ方式のシステムを、8年もの歳月をかけて研究開発を行ない、ようやく製品化にこぎつけたという革新的な逸品。予想実売価格も36万円前後と、ポータブルオーディオの枠を飛び越えた革新的なお値段となっています。

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iPhoneをUSB-Lightningケーブルを用いて接続し試聴してみたところ、透き通った高音と豊かな響きの重低音が高い次元で両立。繊細だけどパワフル、というアンビバレンツな音質が実現されていると感じられました。高くてとても手が出せない……という方も多いと思いますが、ぜひ一度は試聴して頂きたい製品です。

また、SE846などの従来のイヤホンとの組み合わせを想定したヘッドホンアンプ「SHA900」も発売されます。こちらはグッと身近な12万円前後になるとのこと。

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オンキヨー&パイオニアもハイレゾポータブルプレーヤー市場に参入

ソニーのハイレゾ対応ウォークマン「ZXシリーズ」の成功を受け、これまでポータブルアンプ/DACなどを発売してきたオンキヨー&パイオニアイノベーションズも、ポータブルオーディオプレーヤー市場に参入を表明。オンキヨー、パイオニアの両ブランドから発売される新製品を出品しました。

 

オンキヨーブランドの「DP-X1」と、パイオニアブランドの「XDP-100R」は、いずれも384kHz/24bitまでのPCM音源や、11.2MHzまでのDSD音源を再生可能(本体再生時にはDSDはPCM変換して出力される)。内蔵の32GBメモリに加え、2基のmicroSDカードスロット(128GB対応)を備え、最大288GBまで拡張できます。

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2機種の主な違いは、「DP-X1」のみ2.5mmのバランス接続に対応し、DACチップ「ES9018K2M」を2基搭載していること。「XDP-100R」はDACチップ1基でバランス接続には対応していませんが、本体にスピーカーを内蔵しており、イヤホン無しでも音楽を聴くことができます。価格はDP-X1が約7万円、XDP-100Rが約6万円となります。

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試聴した印象では、オンキヨーの「DP-X1」は解像度の高いフラットな音質なのに対し、パイオニアの「XDP-100R」は低音がしっかり感じられる力強い音質となっており、それぞれのブランドのイメージを反映したサウンドに仕上がっているようでした。また、どちらもアルミ製の金属質なボディが高級感を演出しており、スマートフォンには無い存在感が感じられる仕上がりとなっています。

グッと身近になったコードのUSB DAC/ヘッドホンアンプ「Mojo」

約24万円というハイエンドなUSB DAC/ヘッドホンアンプ「Hugo」を2014年3月に発売し、オーディオマニアの注目を集めた英CHORD(コード)からは、よりコンパクトになった新機種「Mojo」が登場。最大768kHz/32bitまでのPCMと、11.2MHzまでのDSDに対応し、2つのヘッドホン出力端子を装備。圧倒的な音質の良さで高い評価を受けたHugoの血統を受け継ぎながら、価格はHugoの約3分の1となる7万5000円前後を実現しています。

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iPhoneを繋いで試聴したところ、Hugo譲りの端正でスカッと見通しのよい高解像な音質が素晴らしく、このサイズでこの音!?といった驚きがありました。より手ごろな価格でハイエンド機の音を楽しめることから、オーディオマニア以外にも人気が出そうな機種です。
次回のヘッドフォン祭りの開催スケジュールはまだ未定ですが、例年春・秋の年2回開催となっていることから、来年5月ごろの開催が見込まれます。無料で最新のポータブルオーディオ機器を体感できる絶好の機会ですので、まだ参加されたことの無い方はぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

文・写真/一條 徹