書店やスーパー、飲食店で見かける「手描きPOP」みなさんもこのポップの一行に誘われてついつい購入してしまった・・・なんて経験ありませんか? この手描きPOP、ただ「安い!」「お得!」と書かれてあるだけではなく、売るためにちゃーんと手法がありました。
『たった1行で繁盛店に変える!つい買いたくなるPOPの極意』(沼澤拓也・著/実業之日本社・刊)を読んでみると、あれ? これってビジネスでも使えるんじゃない? なんてコツがたくさん見つかったので、今回は知っているようで知らない!? 手描きPOPをビジネスでも活用できるコツをお伝えしていきます。
悪いことは先に、良いことは後に伝える
早速ですが、みなさんは以下の文章でどちらの方が好感を持てますか?
A:美味しいですが、賞味期限が近いです。
B:賞味期限が近いですが、美味しいです。
内容としてはどちらも「賞味期限が近い」「美味しい」ということを伝えていますが、なんとなくBのほうが手に取りやすく、むしろラッキーくらいに思えてしまうようなお得感も感じます(笑)。
「っていうか、美味しいですだけでいいのでは?」
と思った方も多いかもしれませんが、良いことのみ伝えてしまうと、後からクレームが発生してしまうことがあり、お店としてはマイナスポイント。しかし、一緒に悪いことも伝えられた方がお客さんとしては「あえて言ってくれている」という感情になり、「好印象」や「信用」につながるというのです!
プレゼンの際にもこのコツは、応用できそうですよね!
たまに「問いかけて」みる
いきなりですが、クイズです。
日本で一番「生しいたけ」の生産量が多い都道府県はどこでしょうか?
突然なに? と思った方、真剣にクイズの答えを探そうと思った方、「知っているよ」と答えを言おうと思った方、いろんな方がいるかと思いますが、大事なのはクイズの答えではありません!
このように、人間はクエスチョンマーク(?)がついた問いかけの文章についつい気を引かれてしまう習性があるんだとか。なので手描きPOPでも「ご存じでしたか?」「困っていませんか?」「そろそろ●●●してみませんか?」なんて言葉が多いのです!
企画書の中にも、本当に知ってほしいところをクイズ形式にしてみたりすることで、注意を引くことができるので、記憶に残る提案ができるかもしれませんね。
文字よりも「図」で伝える
”お客さまがつい買いたくなるためには、店側が記憶に働きかけることが重要なのです。つまり、右脳を刺激することがより購買意欲を高めることにつながります。”
(『たった1行で繁盛店に変える!つい買いたくなるPOPの極意』より引用)
人間の脳の働きは、左脳で文字を読み、右脳で図形を認識しています。左脳では計算や分析を行い、右脳でイメージを捉え記憶を司っているため、手描きPOPは購買意欲をアップさせるそうなのです!
つまり、以下の写真のように左側のような文字を「書いて」伝えるのではなく、右側のような図に似た文字を「描いて」伝えることで、イメージとして文字を伝えることができます。特に四角い漢字を「描く」際には、重心を下に台形のようにして書くと、安心感が与えられ、より購買意欲が増すそうです。
いつもパソコンのフォントだけで企画書を作っている方は、手描きPOPのように手描き文字を入れてみるのはいかがでしょうか? さすがに全てをPOPにしてはどれが重要かわかりませんので、「ここぞ!」という時に活用してみるといつも以上に伝わるでしょう!
『たった1行で繁盛店に変える!つい買いたくなるPOPの極意』には、スーパーでよくみるフォントの上手な描き方のコツやおすすめのペンなども紹介されています。「自分には関係ないかな〜」と思っているそこのあなた! ぜひ一度読んで見てくださいね。
※ ちなみに、忘れている方もいるかもしれませんが、先ほどのクイズの答えは「徳島県」でした。
(文:つるたちかこ)
【参考文献】
たった1行で繁盛店に変える!つい買いたくなるPOPの極意
著者:沼澤拓也
出版社:実業之日本社
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