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2017/6/17 15:30

良いウソ・悪いウソ? お世辞やゴマすりの効果を考える

嘘(ウソ)をつく人は嫌われます。本当ではない情報(ウソ)のせいで、損害を受けることがあるからです。

 

しかし、嘘のなかには「良いウソ」もあります。人間関係を円滑にしたり、相手を励ましたり、愉快な気持ちにしてくれるウソです。

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良いウソ悪いウソを科学する

お世辞や社交辞令は、それが本心ではないとしても、まったく愛想がないよりはマシです。

 

『なるほど!」とわかる マンガはじめての嘘の心理学』(ゆうきゆう・監修/西東社・刊)によれば、相手のことを思ってつく嘘は「良いウソ」だそうです。

 

なぜ「良いウソ」は、本当のことでないにもかかわらず、人を前向きな気分にさせたり、喜ばせることができるのでしょうか?

 

お世辞のメカニズム

「さすが!」「すごい!」と褒められれば、悪い気はしません。ウソでも褒められるとうれしいのは、心理学的に自尊感情がくすぐられるからです。

 

自尊感情とは、自分自身に対する評価のこと。
これが低いと「自分には価値がない」「自分なんていないほうがいい」などと考え、上手に他者との関係を築くことができません。

(『なるほど!」とわかる マンガはじめての嘘の心理学』から引用)

 

他者から「尊敬されたい」「高評価されたい」という気持ちのことを、心理学では「自己高揚動機」といいます。ヒトは褒められたい生き物であり、褒められることによって実力以上の力を発揮することがあるのです。

 

やる気を引き出す「褒めかた」

ただ褒めるのではなく、相手にふさわしい褒めかたをする必要があります。つぎに紹介するのは、400人の小学生を対象にした実験です。

 

1. 子どもをAとBのグループに分け、Aグループに対しては「頭がいいね」と才能をほめ、Bグループに対しては「よくがんばったね」とプロセスをほめた。

2. AとBそれぞれの子どもたちに「簡単なパズル」と「難しいパズル」を選択させた。

(『なるほど!」とわかる マンガはじめての嘘の心理学』から引用)

 

実験をおこなったキャロル・デュエックによれば、才能を褒められた子は「簡単なパズル」を選ぶことが多く、努力を褒められた子は「難しいパズル」を選ぶことが多かったそうです。

 

つまり「才能をほめられた子よりも、努力したことをほめられた子のほうが、より困難にチャレンジするようになる」という傾向が、認められたというわけです。
くじけない強い心を持った人間に育てる方法として、この実験結果は参考になりそうです。

 

ゴマすりの合理性

相手に気に入られるために本心ではない言動をすることを「ゴマをする」と言います。

 

「ゴマすり」もウソの一種です。「ゴマをする人=心にもないことを言える人」なので、嫌われていることが多いです。

 

ただし、ゴマをすられる側にとっては「良いウソ」なのです。自分のことを褒めてくれる心優しい部下のことを嫌う理由がありません。

 

米国イリノイ大学のウェインが100組以上の上司と部下を対象に、部下がどのように行動すれば上司が喜ぶか調査したところ、
礼儀正しく振る舞うことや仕事に精を出すことよりも、とにかくほめまくることが、もっとも上司に喜ばれたという結果ができました。

(『なるほど!」とわかる マンガはじめての嘘の心理学』から引用)

 

上司の覚えを良くしたければ、単純で古典的ではありますが「ゴマすり」が効果的なようです。ゴマをする。褒められた上司は喜ぶ。褒めたあなたも出世する。家族も喜ぶ。エブリワンがハッピーになるのですから、いわば善行であり、ゴマすりを恥じるべきでないと思いました。

 

(文:忌川タツヤ)

 

【参考文献】

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「なるほど!」とわかる マンガはじめての嘘の心理学

著者: ゆうきゆう (監修)

出版社:西東社

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