本・書籍
2017/12/24 16:00

沈黙の狩人が狙うものとは?

先月、取材で出かけた九州の大分で、私は不思議な看板を見た。
その名も「回天神社」。
知っているヒトは知っているのだろうが、私にはさっぱりわからなかった。

16415229 - the army and it's weapon on land, sea and air

 

「回天神社」という不思議な言葉にひきつけられ、とりあえず現地に足を運んでみて、驚いた。

 

「回天」とは、太平洋戦争の末期、戦況の不利をなんとかして挽回しようと、苦肉の策で考え出された人間魚雷の名称だというではないか。
本来は人間は乗らない魚雷を改造し、手動で操縦できるようにされており、母艦である潜水艦から発進された後、体当たりで敵艦に突っ込むのだ。

 

100名を超える若者達が、回天魚雷に搭乗し、戦死した。
彼らは身動きもとれないような狭い魚雷に乗り込み、海の藻屑と散ったのだ。
回天神社は彼らの御霊をまつった場所だったのだ。

潜水艦について、知りたくて…

自分には「回天」はもちろんのこと、「回天」を発射した潜水艦についても、ほとんど知識がないことに気づき、『最強 世界の潜水艦図鑑』(学研プラス・刊)を読んだ。著者の坂本明は、フリーランスのライターで、イラストレーターとしても活躍している。とくに兵器に詳しく、潜水艦についての著述はライフワークとして、取り組んでいるテーマである。著者はすでに2011年、『最強 世界の潜水艦図鑑』を上梓したが、今回、新しい原稿を加え<完全版>として刊行した。

 

450点ものイラストと写真が掲載されており、実際に、大きな潜水艦の中に紛れ込んだような気持ちになる。潜水艦が好きな人はもちろんのこと、知識がなくても、海底の奥深くまで潜水したように興奮し、同時に、息苦しさをも体験するだろう。

 

 

現代の潜水艦のすごさを体感

現代の潜水艦について読み進めるうち、潜水艦という兵器が驚くほどのスピードで進化していることに驚いた。著者もこう述べている。

 

海軍戦力として採用されてから100年以上になる潜水艦は、試行錯誤と多くの犠牲を糧に驚くべき進化を遂げている。二度の世界大戦と東西冷戦期を経て、潜水艦はその時代の最先端のテクノロジーを取り入れ、最新兵器と組み合わされてきた。いまや潜水艦は軍艦の種類という枠を超え、“最も重要な戦略兵器”と呼ばれるものもある”

(『最強 世界の潜水艦図鑑』より抜粋)

 

 

北朝鮮の潜水艦についても知らなくては

潜水艦について学ぶことは、技術の進歩を実感することにつながる。当然のことながら、国を守ることについて考えるときも、潜水艦の知識が不可欠だ。

最近、繰り返される北朝鮮のミサイル発射に不安を感じない人はいないだろう。地上のミサイルも脅威ではあるが、潜水艦を使って、海中から弾道ミサイルが発射される可能性についても考えておくべきだ。

現在、北朝鮮の保有する潜水艦は1960年~1970年代の旧ソ連や東側諸国の潜水艦をベースに自国で開発したもので、性能の点からいえば、海上自衛隊の潜水艦の能力が勝るという。しかし、著者は以下のように指摘する。

 

だが、大きな脅威となる危険性もある

(『最強 世界の潜水艦図鑑』より抜粋)

 

今こそ、最先端の潜水艦の情報をきちんと把握しておくべきだと、『最強 世界の潜水艦図鑑』を読みながら、改めて思う。「回天神社」での体験が、私をこの本に誘ってくれたことに、私は何かの必然を感じている。

 

 

【著書紹介】

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完全版 最強 世界の潜水艦図鑑

著者:坂本 明
出版社:学研プラス

構造と動く仕組み、魚雷等の兵器、戦い方から乗組員の任務と生活までの様々な知識が得られる雑学パートと、世界の歴代主要潜水艦ファイルからなる大好評のオールカラー潜水艦図鑑に、自衛隊潜水艦の図解頁を加えた改訂版!

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