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2018/1/16 15:00

なぜ犬は“うんち”を食べてしまうのか?

今年は戌年! 「うちの子の年だ! 巷は猫ブームだけど、やっぱりうちの犬がいちばん!」と思っているワンコの飼い主さんは多いはず。私もそのひとりで、愛すべきラブラドールのお母さんなのだ。

 

うちの犬は娘の妹としてわが家にやってきたのだが、育ててみてわかったのは、ふたり(いや、一人と一匹)のキャラクターがそっくりになったということ。犬が飼い主の性格に似るというのはどうやら本当のことらしい。

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ドッグランで犬観察

争いごとがきらいな平和主義、寂しがり屋、甘えん坊、でも頑固な一面も。これはわが娘とわが愛犬の共通した性格だ。

 

で、まわりの犬友だちを観察していても、みんな飼い主と犬の性格は似ているように思う。以前、ドッグランで出会った70代のおばあちゃんが「これが私の人生の最後の愛犬よ」と言って紹介してくれたのは、なんと大型犬の強面のボクサー。どうしておばあちゃんは自分の体力に合わせた小型犬を選ばなかったのだろうと思ったが、まぁ、犬種の好みは人それぞれだ。

 

さて、ボクサーはノーリードではかなりアクティブに走り回り、活発な犬なので、私は正直、おばあちゃんが犬に引っ張られて転んだりしないか心配していた。が、「さぁ、帰るわよ」とおばあちゃんがリードを持ったとたんに、ボクサーは急におとなしくなり、ゆっくりのんびりの動きになるのだ。その後、何回か顔を合わせたがボクサーの性格はどんどんおばあちゃんに似ていった。

 

ドッグランのおもしろいところは、いろんな飼い主と犬を観察できることだ。私が通ったドッグランは大型犬も小型犬も一緒に駆け回って遊ぶところだった。そこでは、気弱なマスティフ、勝気なマルチーズ、優しいシェパード、みんなからポリスと呼ばれ犬たちのまとめ役になっていたミニチュアダックス……など、犬種が持つ遺伝的な性質とはかなり違う犬たちと多く出会った。

 

 

犬の性格は生活環境によって作られる

教えて! 獣医さん 犬の悩みなんでも相談室』(佐藤貴紀・著/学研プラス・刊)によると、人間と同じように犬もそれぞれ性格が違うそうだ。

 

私が実際に病院に来る犬たちと接していて思うのは、「犬は飼い主さんの性格に似る」ということです。明るくて元気な飼い主さんの犬は、ちょっとやんちゃで活発なイメージ。一方で、物静かなおばあちゃんが連れてくる犬は、おっとりした性格の子が多いように思います。

(『教えて! 獣医さん 犬の悩みなんでも相談室』から引用)

 

犬の性格を決める要素は2つ。ひとつはその犬種の歴史からくる先天的なもの、もうひとつは、育った環境によって作られる後天的なものだと佐藤先生は解説している。

 

たとえばテリア系の犬は小動物を追いかける仕事をしていたので、好奇心旺盛で何事も諦めない性格。また、チワワやマルチーズやトイプードルは愛玩犬として生まれた犬種なので、やや受け身の性格。だたし、それら犬のルーツによる遺伝的な性格は、あくまでその傾向が強いというレベルの話だという。

 

後天的な性格とは、遺伝的な影響ではなく、その犬の生活環境によって作られていくものです。(中略)散歩が少なく室内にいる時間が多い犬は、社会性が不足しているため、ストレスがたまりやすく、内気で問題行動を起こす犬に育つ可能性が高くなります。(中略)犬はいつも飼い主さんのことを見ていて、飼い主さんの行動が性格に影響を与えることもあります。毎日のように犬を厳しく叱ったり、犬の見ている前で家族同士がケンカしたりすれば、攻撃的な性格になる恐れもありますので注意しましょう。

(『教えて! 獣医さん 犬の悩みなんでも相談室』から引用)

 

なるほど、“犬の振り見てわが振り直せ”なのかも?

 

なぜ犬は“うんち”を食べてしまうのか?

さて、本書はQ&A方式で、犬を飼い始めたときに、飼い主が直面するさまざまな疑問に佐藤先生が答えてくれている。犬の気持ちと習性、犬の行動と理由、犬の体と健康、お世話のコツなどありとあらゆるケースが取り上げられているのでとても参考になる。

 

なかでも私が注目したのは“食糞”の項目だ。うちのラブラドールは生後半年から2歳になるまで、あちこちで“うんち”を食べてしまい、その頃とても悩んでいたのだ。

 

この行為は犬にとって異常なことではありません。犬は人間のように「うんこ=汚い」とは考えていないのです。

犬がうんちを食べる理由

・確かな目的や理由はなく、遊び感覚でなんとなく
・栄養分が残っていそうなので、食べ物だと判断した
・飼い主さんにかまってもらいたい、注目してもらいたい

(『教えて! 獣医さん 犬の悩みなんでも相談室』から引用)

 

うちの犬の場合は食いしん坊なので、たぶん食べ物だと勘違いしていたのだろう。食糞をさせないためには、すぐ片付けることがいちばんの方法だそうだ。思い出すと、当時、私はビニール袋を何枚も持ち、道すがら、またドックランでも、犬より早くうんちを見つけて先に拾っていたが、やはり解決法はそれしかないようだ。

 

 

犬に薬をあげるのはひと苦労

もうひとつ、私が犬育てで苦労してきたのが薬を与えること。ドッグフードの中に薬を入れて食べさせてしまう飼い主が多いと聞く。気にせず、食べてしまう犬はいいが、うちの犬はしっかり薬だけを器に残す。ならば、とチーズの中に隠したり、バナナの中に隠して与えてみたが、どちらもチーズとバナナを食べて、器用にも最後に薬だけをプッと吐き出してしまうのだ。

 

結局、犬が私を噛むことはないと信頼し、口を強引に開け、手を突っ込んで喉の奥に錠剤をポトリの直接入れる方法をとったが、これは当然犬にとってストレスになる。「おくすり、くすり」という単語を耳にすると、うちの犬はそれが自分に関係ないときでもスタコラ何処かに逃げていくのだ。

 

本書によると、犬は苦味を嫌い、甘みを好む傾向にあり、最近ではおやつのような味になっている薬もあるそうだ。こういうタイプを選べば、大半の犬が抵抗なく食べてくれるそうだ。

 

このように本書は飼い主の悩みを獣医さんが解決へと導いてくれる。犬を飼い始めたばかりの人だけでなく愛犬家歴が長い人も「なるほど」と読める一冊だ。

 

 

【著書紹介】

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教えて! 獣医さん 犬の悩みなんでも相談室

著者:佐藤貴紀
出版社:学研プラス

飼い主さんの悩みに答えます!「犬のストレスの解消の仕方は?」「ドッグランは本当に犬にとって楽しい場所?」「お留守番はさせちゃだめ?」「やさしくなでても噛み付かれるのはなぜ?」「車酔いを治したい」など。動物病院の現場からのレポートもあり。

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