本・書籍
料理
2018/1/16 17:00

「大さじ1/2」は「大さじ半分」じゃなかった!

僕は、ごくたまに料理をするくらいの、いわゆる「料理をしない人」だ。

 

料理をするといっても、肉や野菜などの材料を大胆に切り刻み、煮込んだり炒めたりするくらいの、非常に大雑把な感じだ。

20922756 - illustration of bottle pouring medicine syrup in spoon

 

僕の非常に男らしい料理例

そんな感じなので、調味料などもほとんど家には置いておらず、塩、しょうゆ、めんつゆ、味噌くらい。あと、自家製のにんにく醤油がある。そのほかはケチャップ、マヨネーズくらいか。

 

例えば、野菜スープを作るとしよう。スーパーで目に付いた白菜、ブロッコリー、まいたけ、しめじ、にんじんなど適当に切る。鍋に適当な分量の水と昆布を入れ、沸騰する寸前で昆布を取り出す。そこに先ほど切った野菜を投入。あとはひたすら煮込む。

 

煮えたかなーと思ったら、味付け。計量スプーンなんてものは使わない。ボトルに入っているめんつゆと醤油をダイレクトに目分量でイン。または、大量の味噌を溶かして出来上がりだ。

 

基本、調味料などをレシピ通りに計ったりすることはない。非常に男らしい。

 

 

ラクして料理を作る本ではなかった

実力詐称レシピ 定番編』(岩崎啓子・監修/学研プラス・刊)というレシピ本がある。タイトルに惹かれて読んでみた。

さまざまなレシピが載っているが、冒頭にこう書かれている。

 

この本は、料理の腕を“詐称”したい人のために作られた。
各レシピのポイントさえ押さえれば、見た目も味もバッチリの勝負料理が出来上がり、というわけだ。

『実力詐称レシピ 定番編』より引用

 

あれ? ちょっとなんか違うな……。僕は、「面倒くさい手順をごまかして、それっぽい料理をラクして作る」レシピ本だと思ったが、そうではないようだ。どうやら、基本に忠実にやろうという本らしい。

 

まあ、基本を知らないので読めば役に立つことが書いてあるのではないかと思い、読んでみた。そして、基本中の基本のところでいきなり衝撃を受けた。

 

 

「大さじ1/2」は実は「大さじ2/3」だった

「詐称のための、きほんのはかり方」というページ。ここでは、調味料などの計り方が掲載されている。詐称どころではない。ものすごく基本的なことだ。

 

そこに、計量スプーンで液体の計り方が載っている。そこに書かれている「大さじ1/2」が衝撃的だった。

大さじ1/2
深さの2/3くらいが目安。1/2だからといって深さの半分ではないので、注意!

『実力詐称レシピ 定番編』より引用

 

そ、そうなのか……。僕は計量スプーンで醤油やごま油などを図ることはほとんどない。ほとんどないが、感覚的に「大さじ1/2は計量スプーンの半分」だと思っていた。

 

でもそうじゃなかったのだ。冷静に考えれば、計量スプーンは半球状になっているので、見た目の1/2が正確に1/2ではないのはわかる。しかし、やはり感覚的に計量スプーンの深さ1/2が大さじ1/2と感じてしまっていた。

 

目から鱗だった……。

 

 

「実力詐称」じゃなくて「実力アップ」なレシピ本

ちなみに、先日豚汁を作ってみたのだが、あまりおいしくなかった。そこで本書でレシピを確認してみた。

 

手順としてはあまり間違っていなかったのだが、豚肉の投入タイミングが違っていたようだ。

 

僕は一番最初に鍋で豚肉を炒めてから、各種野菜を入れて炒めていた。しかし本書では、まず野菜を炒め、だし汁を入れて煮込んだ後、豚肉と味噌を入れると書いてある。

 

そうか。豚肉がやけに堅くてボロボロだと思ったら、入れるタイミングが違っていたのか……。

 

実力詐称のためのレシピ本だと思ったが、実は実力アップのためのレシピ本だった。ある意味、この本自体が「タイトル詐称」なのではないだろうか。

 

【著書紹介】

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実力詐称レシピ 定番編

著者:岩崎啓子(監修)
出版社:学研プラス

料理に自信のない人が、いくつかのポイントを押さえることでそつなく作り上げるためのアンチョコともいうべきレシピブック。急に料理を披露しなければならない時など、「実力以上」の一品を振舞うためのテクが満載。リクエストの多い定番料理を網羅!

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