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2018/1/22 17:00

常識のアップデートを止めるな。お金ではなく信用を稼げ。キングコング西野式「現代の錬金術」とは

年明け早々、酷いニュースが世間を賑わせた。
成人式当日の朝、振り袖業者が行方を眩ませて一切連絡が取れなくなったという、いわゆる「はれのひトラブル」だ。

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成人式といえば、特に女性にとっては特別な思い入れがあるイベント。何年も前から着物の準備をしている人も多い。また、本人たちはもちろん、両親にとっても感慨深い日だ。すべての成人たちを皆が祝福するハレの日に、あってはならない「はれのひ」の裏切り。そんな中、立ち上がった一人の男がいる。お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣氏である。

 

 

アンチも多いが支持者も多い「西野亮廣」という人間とは?

西野氏といえば、yahoo!ニュースでお目にかからない日はないほど、日々話題となっている人物。以前は、“アンチが多く何かと炎上する芸人”という認識だったが、彼が発信するブログやFacebookの投稿を見ていると、圧倒的な努力と発想と行動力に驚く。今回は「リベンジ成人式/あらためて成人を祝う会」の開催を実現させた。はれのひ被害に遭われた人たちに、着物を無料で提供(着付けヘアメイク付き!)&船上ディナークルーズをプレゼントするという太っ腹な企画だ。

 

言うだけなら誰でもできる。批判するのも、誰にだってできる。でも、アイデアを実際に行動に移して、さらに成果を出すことは、並大抵の人にはできない。彼の思想がつまったビジネス本『革命のファンファーレ~現代のお金と広告~』(幻冬舎・刊)から、これからの時代のお金の稼ぎ方について考えてみる。

 

 

これからの時代は「信用力」がモノを言う

お金を稼ぐな。信用を稼げ。

「信用持ち」は現代の錬金術師だ。

(『革命のファンファーレ~現代のお金と広告~』より引用)

 

かつては、「大好きなモデルの○○がおすすめしてるから、絶対効果ありそう! 私も買う!」という女性は多かった。けれど、アフィリエイトという言葉が広がり、ブログで紹介したりリンクが貼ってある商品が売れると、その分ブログ運営者にお金が落ちるというからくりが、一般にも知られるようになった。そうなると、「本当におすすめしてるんじゃなくて、稼ぎたいから紹介してるだけか!」と、なんだか裏切られた気持ちになる。そうなると、たとえ本当に薦めたい商品を紹介しても、「どうせこれもお金目的でしょ」と思われてしまいかねない。信用をなくすことで、結果お金を稼ぐ機会を失うことになるのだ。

 

このことに関して、「お金は信用を数値化したものである」と西野氏は述べる。そのため、彼は「タレントとして信用を勝ち取るために、“嘘をつかない”ことを徹底した」のだという。嘘は、感情でつくよりも、環境によってつかざるをえないケースが多々ある。おいしいと思えない料理を「おいしい!」とレポートすることは、嘘になる。「おいしい」以外の言葉でレポートする能力はないため、西野氏はグルメ番組の仕事を受けないのだそうだ。

 

そしてもうひとつ、「自分の意思を明確に表明する」ことも意識していると西野氏。これらの徹底した行動が「信用」を生み、結果として著書のヒットや個展の動員数などに結びついている。

 

 

「無料公開したら売れない」という常識を払拭した試み

一昨年出版された『えんとつ町のプペル』(西野亮廣・著/幻冬舎・刊)は、なんとインターネットで完全無料公開された。まさに常識破りだ。タダで中身を見せたら、売れなくなるのではないか? そんな声も多数あったようだが、実際には売上が激増したという。

 

絵本は多くの場合、子どもに読み聞かせをするために購入される。Webでいくら中身が見られるからといっても実際に読み聞かせをするには難しく、“物質としての価値”が絵本にはあること。母親たちにとって、絵本は他のジャンル本と違い、買ってから失敗したくない。確実に子どもが喜ぶ本だけを購入したい。そんな理由を考慮した上での、無料公開だったのだ。

 

以降、作品の無料公開は少しずつ増えてきており、販売戦略のスタンダードとなりつつある。これまでの常識は、これからの非常識なのかもしれない。

 

 

既存の概念にとらわれず、時代の変化に柔軟に対応していくこと

ほかにも、西野氏は『えんとつ町のプペル』の著作権をも放棄している。事前に断りなく、そしてギャランティを支払うことなく、自由に絵本を原作にした劇をやったり、グッズを販売したりしてもOKというもの。著作権を設けることで得られるお金は放棄し、そのかわりに、お金を出して広告を打たずとも、作品をより多くの人々に知ってもらうことを選んだのだ。信用時代の宣伝は、広告ではなく口コミだとも彼は著書で述べている。

 

今年に入ってからは、1文字5円で購入したポイントを使って、気持ちを贈りたい、ありがとうを伝えたい相手に文字を送る「レターポット」というサービスも開発、リリースされた。貯まったレターは換金できない。そのかわり、自分への信用が可視化できる。見返りを求めるのではなく、恩送りをすることで、結果自分の信頼を”貯信”できるのだ。

 

 

自分にも人にも「嘘をつかないこと」が大切

私自身、このコラムでは自分が面白いと思った本、ぜひ人に薦めたいと思った情報だけをピックアップして、毎週したためている。自分が本当に感じたことしか書いていない。嘘はない。西野氏の言葉を借りれば、「信用持ち」になりたいからだ。

 

どんな職業においても、「思ってもいないことを述べて商品・サービスを売る」には限界がきているのかもしれない。

 

営業職であれば、販売すべきモノやサービスが決まっているだろうから、「売りたくないモノは売らない!」という選択は会社員として正直難しい。私も以前、営業職をしていたからよくわかる。消費者に「売るために嘘ばっかり並べて!」と思われてしまえば、次の購入はないだろう。だからこそ、その商品やサービスを使って自分が感じたこと、心から人に薦めたいと思う点を見つけ出し、自分なりの言葉で販売することが大切である。時には、欠点だと思われる部分を述べてもいいかもしれない。嘘偽りなく、誠心誠意取り組む姿勢こそ、積み重なって大きな信用につながるのだ。

 

新しい時代を生き抜くため、お金と信用の関係を今一度見つめ直してみてはいかがだろうか。

 

 

【著書紹介】

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革命のファンファーレ 現代のお金と広告

著者:西野亮廣
出版社:幻冬舎

クラウドファンディングで国内歴代最高となる総額1億円を個人で調達し、絵本『えんとつ町のプペル』を作り、30万部突破のメガヒットへと導いた天才クリエイターが語る、”現代のお金の作り方と使い方”と最強の広告戦略、そして、これからの時代の働き方。

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