料理の横にそっと添えられているパセリ。鮮やかな緑色はお皿に彩りを添え、料理を一層美味しそうに見せてくれるものの、その存在は引き立て役止まり。とある調査では、約8割の人がパセリは“食べない”と回答し、その結果を知ったパセリ農家の人たちの悲しみが話題になったことも……。そんな“食べない食材”の代表に定着してしまったパセリですが、実は非常に栄養価が高い食材。“食べない”なんてもったいない!のです。
栄養たっぷり!健康・美容効果に優れた緑黄色野菜
パセリといえば、日本ではカーリー・パセリとも呼ばれる葉が縮れた品種が主流ですが、洋食でよく使われるイタリアンパセリやエスニック料理でおなじみの中国パセリ(コリアンダー)もその仲間。いずれも、ちょこんとお皿に添えられたりスープに浮かべられたりすることが多く、いつも脇役。それゆえ、さほど栄養もなさそう……。と思っている人も多いのでは? ところがパセリは、野菜の中でもトップクラスといえるほどに高い栄養価を持つ緑黄色野菜なのです! 免疫力を活性化させる働きを持つβ(ベータ)カロチンやビタミンC、抗酸化作用があるビタミンEなどがたっぷり含んでいるので、風邪などの予防はもちろん、美容にも良い効果が期待できます。また、カリウムや鉄分などのミネラルも豊富なので貧血予防にも効果的。さらに、アピオールという精油成分が含まれていることから、口臭予防や食欲増進などに有効と言われているのです。
パセリだって、主役にも、味の要にもなる!
前述のように、パセリはとっても栄養価が高い野菜。いつまでもお皿の隅にちょこんと添える存在にしておくなんて、もったいない! もっと、積極的に取り入れるべき野菜なのです。とはいえ、生の房のまま食べるか、料理の仕上げにパラパラとかける食べ方くらいしか知らない。また、独特の苦みや青臭さが苦手という人も多いことは否めません。そんなパセリを短時間でおいしく変身させ、たくさん食べられる方法をとことん紹介しているのが、レシピ本『パセリ食堂』。
例えば、豚肉:パセリ=2:1と、たっぷりのパセリを混ぜた「パセリ餃子」はかみしめるほどに、爽やかな風味が広がり美味! いつもとひと味ちがった餃子がヤミツキになること間違いなし。茹でたパセリとカリッと焼いた油揚げに、めんつゆと白練りごまで味つけをすれば「パセリのごま汁おひたし」があっという間に完成。ゴマだれとパセリの相性は抜群。まるでホウレン草や小松菜のように、パセリを主役としていただくことができます!
ソースやふりかけにもなるから、飽きずに食べられる!
ツナ缶に細かく刻んだパセリを混ぜ、マヨネーズで味つけすれば茹で豚とも相性のいい万能ソースに。パセリを刻んでオイルにつけるだけの「パセリオイル」は、ガーリックトーストやイタリアンなおつまみに大活躍。また、カラカラに乾燥させたドライパセリを、他の食材と混ぜればふりかけにするのもオススメです。すぐに使わない分は、ジップ付きのビニール袋に入れて冷凍すれば、1~2週間は保存も可能。
ごはんに、スープに、おかずにサラダに、ソースと幅広く使えるうえ、栄養価も抜群。万能食材パセリ、ぜひ美味しく食べましょう!
(文:カキヌマヨウコ)
【文献紹介】
パセリ食堂
著者:枝元なほみ(著)
出版社:PHP研究所
彩りだけなんてもったいない! パセリが大好きになる絶品レシピ! パセリは栄養豊富な緑黄色野菜。ビタミンやミネラルが豊富で、彩りをよくするだけでなく健康効果も期待できるほか、いつものメニューをワンランク上の味わいにもしてくれます。しかも、メイン&サブおかずのほか、スープや、サラダ、ごはんものなど、いろいろなものに使える優れもの。刻まずに軸をよけたパセリとグレープフルーツの相性が抜群の「丸ごとパセリのサラダ」パセリバターでコクと風味がアップする「サーモンのパセリバターソテー」パセリが主役の体にやさしいおかず「パセリのごま汁おひたし」ハーブの代わりにパセリを入れて「丸ごと玉ねぎとパセリのスープ」など、パセリってこんなにおいしかったんだ!と驚くこと請け合いの54のレシピを紹介。
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