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2014/11/13 0:00

気難しい女性社員と上手くやる方法とは?

あなたが男性の場合、こんな経験はないだろうか。

 

いつも朗らかな女性社員が、ある時自分に対していきなり全身から“怒りのオーラ”を発している。「どうしたの? 怒ってる?」と聞いても、彼女は無表情で「別に」としか答えてくれない。

 

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はたまた、ある部下の女性に何か頼み事をしょうとしたら、いつも内容を言う前からムスっとした顔をされる。

 

一見、感情的、仕事にやる気がない、とも捉えられがちなこれら女性社員の態度。男性からしたら不可思議に映ることもあるかもしれないが、そういった態度にはれっきとした理由があると、働く女性の視点で社会を読み解くエッセイストでタレントの遥洋子氏は説く。

 

氏は自著『気難しい女性との接し方』の中において、そんな女性社員たちの気難しい態度を、「なぜ、突然理由もなくムクれてしまうのか」から「なぜ、セクハラだとすぐ騒ぐのか」までの22通りを挙げ(そんなにあるのか!)、それぞれの理由と対処法を記している。
そして、すべての気難しい女性に共通する3つの要素があるという。

 

 

気難しい女性に共通する3つの要素

 

一つ目は、“気の強さ”。男性たちが築き上げた企業という男性型組織の中で、男性の補佐的労働に甘んじずに主体的労働を選択する女性たちは、一様に気が強い。この人は気が強いな、と思う女性が周りにいるかもしれないが、その人だけが気が強いのではなく、主体的な労働を行う女性は皆、気が強いからこそそこにいるのだと氏は言う。

 

二つ目は、”自省のなさ”。ミスをしても、非を認めない、謝らない、譲らない。それは、働く女性は“励ましシステムの砂漠地帯”だからであると氏は指摘する。男性には自信をなくしても励ましてくれる環境がある。ホステスさんや女将さん、妻や子ども、尊敬する先輩が暗黙の励ましをくれる。けれども、女性にはロールモデルもなければ、ホストはドンペリ開けて騒ぐだけ。男性にとっては味方となる恋人や家族も、働く女性にとっては敵になり得る。そんな環境の中で自省をしようものなら、彼女たちはポッキリと折れてしまうのだという。

 

そして最後の三つ目は、“女の子”。ビジネスの場なのに女子高生のようなノリで話をしたり、駄々っ子になったり、泣いてしまったり。これは決して、“女性だから”生じていることではなく、前述した背景と同じく、働く女性が置かれている環境によるものだと氏は説く。女性社員が困っている時に男性社員が代わりに闘ってあげたり、女性社員のミスに対して手を緩めたりすることによって、“女の子”が生成されるのだ。

 

 

働く女性は野武士。まず“おにぎり“をあげよう

 

では、これから彼女たちにどう接すればよいのか。

 

氏は、日本の企業環境の中で生成されてしまった気難しい女性社員たちは、男性型組織に従順にならない“野武士”であり、彼女たちを手なづけるためには、まず“おにぎり”をあげよ、と指摘します。そして、おにぎりのまたの名は、“愛”なのだと。

 

「いつもどおり不機嫌な顔をして出社してきた女性がいました。その女性社員の顔を見た名君は、クスッと笑って、『また今日も不機嫌なんだから』とその不機嫌を受け入れたのでした。(中略)叱られるのではなくクスっと笑われた女性は、はにかんだように素直に不機嫌面をやめたのを私は目撃しました」(同著より抜粋)

 

野武士にはまずおにぎりを与えて、こちらが味方であることを伝えることが大事。そして、気難しさは、必ずしも短所ではないと氏は言う。日々闘っている彼女たちとタッグを組んだら、最も裏切らない、最強のビジネスパートナーになり得る、と。

 

国際的に見たらまだまだ立ち遅れている、日本社会における女性の活躍。男女平等の概念が当たり前になった現代でも、国の政策として「女性の活用」を高々に掲げなければならないほど、日本の企業ではまだまだ女性を上層部などの責任ある立場に置くことを躊躇している。

 

日本の社会は、真の意味での女性の活用をまだ分かっていないのかもしれない。野武士を味方につけるためにも、まずは、同著を手本として、おにぎりを握る練習から始めてみてはいかがだろうか。

 

 

(文:ツジコ エリコ)

 

 

【文献紹介】

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気難しい女性との上手な接し方
著者:遥洋子
出版社:朝日新聞出版

ミスをしてもぜったい謝らない・指摘されると逆切れする・理由もなく突然ムクれる・途中から感情論に変わる…こんな女性との対応で仕事で困った経験はありませんか? 論客としても知られる著者が、そういった女性が、なぜそのような不可解な行動に出るのか。どう接すれば仕事はスムーズにはかどるのか。気難しい女性との上手な接し方について綴った「こんな人いるいる」と納得できて、ためになる一冊。

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