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2018/2/22 22:00

吉原はいつの時代も繁盛していた? 吉原についての間違った知識4選

「吉原(よしわら)」と聞いて、皆さんはどんなことを思い浮かべますか?

 

今でいうネオンがギラギラとして、美しい女の人が綺麗な着物で男の人たちと豪遊して…、旦那さんがこっそり吉原に行ったのが奥さんにバレてこっぴどく怒られるけどまた夜には大好きな花魁の元へ…、なんて男の人にとっては「いい時代だよな〜」と思っちゃう人も多いのではないでしょうか?(笑)

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国立国会図書館蔵

 

落語好きな私にとっては、豪華絢爛で毎日浮かれた人たちが陽気でドンチャン騒ぎをしていた場所という印象だったのですが、『吉原と日本人のセックス四〇〇年史』(下川 耿史、 永井 義男・著/辰巳出版・刊)によると実はそれは真の姿ではないというではありませんか!!  今回は、真の吉原の姿に近づけるための4つの事実をお伝えさせていただきます。

 

 

①吉原は大火事のせいで移転をした?

吉原は江戸時代にできた幕府公認の遊廓で、現在の東京都台東区千束(浅草寺の裏あたり)にあったなんてことはご存知の方も多いはずですが、この吉原には「元吉原」と「新吉原」のふたつがあったということはご存知でしたか?

 

江戸時代を通じて、元吉原の期間は約四〇年、新吉原は約二百年だった。このためもあって、一般に吉原というときは新吉原を指している。元吉原と吉原で区別することが多い。

(『吉原と日本人のセックス四〇〇年史』より引用)

 

「そうそう、火事で燃えたから移転したんでしょ? これくらい知っているよ〜」と思った方もいるかもしれませんが、実は火事の前から移転話はあったそうなんです。「元吉原」は今の日本橋周辺にあったため「ビジネス街に遊廓があっちゃ…」という配慮や、土地の価値が高くなってきたので移転しようとしていた時に、火事になってしまったんだとか。意図的なのか、偶然なのか、これはこれで裏がありそうですよね!

 

 

②吉原は庶民も楽しめる遊廓だった

時代劇では、町人たちも気軽に吉原で遊んでいるように描かれていますよね。いわゆる庶民が簡単に行けるんだとしたら、遊ぶのに必要なお金はどのくらいだったのでしょうか?

 

とても一両で済む世界じゃない。どうかしたら五〇両、一〇〇両かかりますよ。

 

太夫を中心に、酒や芸事が否応なしにオプションでついてくる。まさに太夫城下町。ただセックスをする場ではなく、高級アミューズメントとして成り立っていたんです。

(『吉原と日本人のセックス四〇〇年史』より引用)

 

一両は諸説ありますが、今でいうところの10万円程度。100両って1000万円ですよ!!  こりゃ、庶民には行けるような場所ではないですよね。つまり、町人たちは、吉原には行くけれど、店には上がらなかったんです。要するに「冷やかし」ですね。実際は吉原の中を見物したあとに、「岡場所」や「女郎屋」などの許可されていない遊廓を利用していたそうです。

 

 

③吉原の花魁道中はいつの時代も豪華絢爛だった?

一晩で1000万円が飛び交うような場所なんだからそりゃ〜豪華だったでしょ! と誰もが思うかもしれないのですが、実は私たちが思い浮かべるほど豪華でもなかった? という説もあるそうなんです。どうしてなのでしょうか?

 

文化・文政年間(一八〇四〜一八三〇年)になってくると吉原を描いた錦絵は豪華ですよね。遊女はきらびやかな衣装を着ています。それは、色刷りの錦絵が登場するようになったからなんです。花魁道中も豪華絢爛になりますが、時代とともに衣装が豪華になったのはもちろんですが、出版の発展が寄与している面が大きいですね。

(『吉原と日本人のセックス四〇〇年史』より引用)

 

今のように手軽に写真で残せる時代ではなかったため、歴史として本当に豪華だったか…と言うのは、当時の資料を信じるしかないので、都市伝説のように言い伝えられたことが「本当にあったこと」として現代に伝えられている可能性もあるとのこと。あと100年後などに、コラ画像が本物として伝わってた! みたいなこともあるかもですね。

 

 

④吉原はいつの時代も繁盛していた「江戸で一番の遊郭」だった?

約200年続いた新吉原ですが、江戸の天保年間(1830〜1844年)には、吉原より品川のほうが繁盛していたとのこと。なぜ品川だったのでしょうか?

 

要するに需要と供給の関係からいっても、品川は便利ですよね。

そうするとみんな品川に行くんですよ。わざわざ吉原までは行かない。

(『吉原と日本人のセックス四〇〇年史』より引用)

 

明治以降も吉原は営業を続けますが、「吉原が遊廓の最高峰!」とはいかなくなったようです。その後、昭和33(1958)年の「売春防止法」の完全施行により、400年にわたる歴史に(表向きには)幕を閉じました。

 

こうやって吉原を通じて歴史を振り返ってみると「今の真実を残す」ことの大切さと、今も昔も性を楽しむことは変わらないのだなということをしみじみと感じました。今は、出版文化が発達し、誰もがメディアになれる時代ですが、平成の性風俗がどんなだったかをちゃんと残せているのか? と思うと、色々と規制がかけられており「真実が残せていないこともいっぱいあるのでは!?」と思ってしまったのです。エロいから、教育に良くないから、恥ずかしいから…などなど様々な理由から隠されているものを今こそ解放しちゃうか! なんて個人的には思ってしまいました(笑)。

 

【著書紹介】

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吉原と日本人のセックス四〇〇年史

著者:下川耿史、永井義男
出版社:辰巳出版

開業400年を迎える「吉原」という空間は一体何なのか? そして、日本人のセックス観はいかに変わってきたのか? 風俗史研究の二大巨頭、下川耿史氏と永井義男氏が語り下ろす!

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