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2018/3/12 16:53

チャーハンで酒を飲む。孤独のグルメ指南本『ひとり飲み飯 肴かな』レビュー

○○○○○○ de 水割り

サンドウィッチで酒を飲む。ビールのアテにするなら、「ハムサンド」「カツサンド」の2択です。

 

久住昌之さんの場合、「ツナトーストサンド」をお供にウイスキーの水割りを飲むそうです。銘柄は、サントリー『オールド』がお気に入り。

 

トーストサンドはできたても香ばしくておいしいけど、冷めてパンの表面のパリパリ感がなくなっても、また別のおいしさがある。
ボクの好きなのはツナのトーストサンド。ツナ缶を容器にあけ、タマネギをみじん切りにしたのを加え、黒胡椒と塩を軽く振って、マヨネーズで和えて、準備完了。

(『ひとり飲み飯 肴かな』から引用)

 

トーストサンドは2度楽しめます。「焼きたて」と「作り置き」です。久住さんは、3枚の食パンをつかって、余すところなくトーストサンドを満喫しています。つぎのとおりです。

 

まず、食パン2枚をつかってサンドウィッチを作ります。トースターで炙ったあと、それをポリエチレンラップに包んで寝かせておきます。余ったツナマヨペーストは、もう1枚の食パンに塗ります。スライスチーズを加えれば、とろける熱々のチーズ&ツナトーストが楽しめます。

 

そして、お待ちかね。時間を置いて「しっとり感」が高まったツナトーストサンドを取り出します。原理はわかりませんが、しばらく寝かしたトーストサンドは「モチモチ」しています。特に、端っこ(パンの耳)が肉々しい歯ごたえになります。噛めば噛むほど「うまみ」を味わえる調理法です。

 

 

ひとり酒食を100倍楽しむ!

これまで紹介した『ひとり飲み飯 肴かな』は、その名のとおり「おひとりさま」でも酒を楽しむための指南書です。

 

第1部「孤独の飲み飯」は、21通りの組み合わせを評論した酒食エッセイになっています。

著者の久住さんは、漫画原作者として優れているだけでなく、飲食にまつわる「意識の流れ」を綴ったグルメエッセイにも定評があります。飲食シーンだけならばジェイムズ・ジョイスに匹敵するかもしれません。

 

第2部「今夜もひとり居酒屋で」、第3部「これ喰ってシメ!」は、著者の洞察力によって《発見》された、市井のささやかなる食文化をスケッチしたものです。食いしん坊はもちろんのこと、『孤独のグルメ』を生み出した著者の頭のなかに興味がある人にもオススメします。

 

【著書紹介】

 

ひとり飲み飯 肴かな

著者:久住昌之
出版社:日本文芸社

ベストセラー『孤独のグルメ』『花のズボラ飯』『食の軍師』の原作、共作で食漫画に新風を吹き込む久住昌之氏が、ひとり酒とその肴となる飯の機微を、ときにファンキーに、ときにリリカルに綴った愉しいイラスト&エッセイ集。第1部「孤独の飲み飯」、第2部「今夜もひとり居酒屋で」、文庫化にあたって新たに収録される第3部「これ喰ってシメ!」に加え、巻中付録として実弟のイラストレーター&絵本作家・久住卓也氏との兄弟ユニットQ.B.B.による「幼稚な大人」マンガを掲載。「食の陣立て」にこだわる著者の面目躍如たるバラエティー溢れる一冊です。飲むほどに、食べるほどに、ひとりでもヨイここち!QUSUMIワールド全開の、楽しいイラストエッセイ集です。だらしない(?)酒好きならわかる、「あー、楽しくなってきちゃった」気分を存分に味わえる、そんな一冊です。
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