私はラブラドールのお母さんなので“犬派”だが、一時期、猫とも一緒に暮らしたことがある。猫は愛らしいラグドールの雄で当時1歳、名前はジュリアンといった。飼い主さんが長期の旅に出ることになり、ジュリアンを預かることになったのだ。
わざわざ犬のいるわが家が選ばれた理由はこうだった。「ジュリアンはひとり息子、人間の赤ちゃんのように育てているのでとても甘えん坊。だから猫のいる家だとうまくやれるか心配。お宅にはラブラドールがいるけれどフレンドリーな犬だし、きっとジュリアンも怖がらずに遊べると思う」と。
猫の飼い主さんの判断は正解だったようで、うちのぼんやりしたおばあちゃんラブラドールと猫のジュリアンは、すぐに仲良しになった。私としてはペットの猫を預かるというより、よそ様の大事な子どもの命を任せられ責任重大と感じていた。
災害時に不安を抱える飼い主は9割以上
東日本大震災から7年が経った。当時はペットを置いて避難せざるを得ない状況があり、迷子になったり、命を落とした犬や猫は相当数に及んだ。
その後、2013年には環境省からペットの同行避難に関するガイドラインが示され、災害時にはペットと一緒に避難するのは飼い主の役割として推奨する動きが高まってきているそうだ。猫も犬も大事な家族の一員だ。だからこそ、いざというときのための備えが必要なのだ。
『ゲットにゃび』(ゲットナビ編集部・編/学研プラス)では、“ねこと防災”と題し、災害時に自分と猫を守るためにはどうすればいいか?を特集している。
同行避難に関する具体的な情報が得られず不安を抱えている飼い主はなんと9割! また、緊急時に備えてフードや水などを準備している飼い主も半数程度しかいないことが調査でわかっているそうだ。
まずは“自分”を守ることが最優先!
どうやって避難するのか? どこへ避難すればいいのか?
これについては複数の選択肢を用意しておくことが大切だそうだ。それぞれにメリットとリスクがあるのであらかじめシミュレートしておけば、状況に応じて速やかに最善の方法を選べるという。
しかし、何より重要なのは飼い主である自分を守ること! 例えば、外出中に災害にあったら、まっ先に自宅に残した猫を探しに戻りたいと飼い主なら誰でも思うだろう。しかし、慌てて行動するのは危険。もしも飼い主が倒壊しかけの家に入って被災したら、猫は自分を守ってくれる人を失うことになってしまうのだ。
そのことを踏まえたうえで、普段からできる備えについて考えてみよう。