本・書籍
2018/4/4 13:30

ロシアW杯前に、一歩前にいくサッカーファンになるためにーー『サッカー最新戦術ラボ プレスVSビルドアップ』

ワールドカップ・ロシア大会開幕まで3カ月を切った。コロンビアが相手の日本代表の初戦は6月19日。チームもサポーターもいよいよ本気モードに入った3月23日、ベルギーで国際親善試合の対マリ戦が行われた。前半PKで先制されてそのまま試合が進み、イライラさせられる時間が長かったが、アディショナルタイムも最後の最後、試合終了間際に代表戦初出場の中島翔哉選手が同点弾を叩きこみ、なんとか引き分けに持ち込んだ。

 

 

ウクライナ戦

続く3月27日のウクライナ戦。前半21分に相手のシュートをディフェンダーがヘディングでクリアミスし、オウンゴールで失点。41分にセットプレーから槙野選手がヘディングで合わせて同点として折り返す。

 

しかし後半24分に右サイドをドリブルで崩され、グラウンダーを絶妙な位置に折り返されて、そこに走り込んできた相手ミッドフィールダーがワントラップで右足から放ったシュートが決勝点になってしまった。

 

今というタイミング。1分け1敗という成績。マリ=仮想セネガル、ウクライナ=仮想ポーランドというコンセプトを考えれば、決して満足できる結果ではない。

 

救いは、マリ戦で同点弾を叩きこんだ中島翔哉選手がこの試合でも終了間際に光るプレーを見せてくれたことだ。日本代表新世代の中心選手になる可能性を強く感じ取った人が多かったはずだ。

 

 

監督と選手のコメントに感じる温度差

試合後のインタビューで、キャプテンの長谷部選手は「時間はあまりない」と語った。自らゴールを決めた槙野選手は「時間はまだある」と語った。本当のところはどうなのか。まだ3カ月を切ったばかりと考えるのが正解なのか? それとも、もう3カ月を切ってしまったと考えるのが正しいのか?

 

ハリルホジッチ監督は、次のようにコメントしている。

 

「マリ戦よりいい試合ができた。得点機が2、3回あって、勝てた試合だった。今回の強化試合はレギュラーだが呼べなかった選手もいるので、ワールドカップではよりいいイメージのチームを見せられると思う。日本代表にとって難しいチャレンジが待っているが、決意と意欲を持って準備していく」

 

うーん。なんともデジャブなコメント。あと3戦残っている試合の相手はガーナとスイス、そしてパラグアイ。たとえ親善試合でも、まさか1勝もできないまま本番突入なんてこと、ありえませんよね?

 

日本代表の過去5大会の戦績

過去5大会において、日本代表がグループリーグを突破したのは、ベスト16に残った2002年日韓大会(フィリップ・トルシエ監督)と2010年南アフリカ大会(岡田武史監督)だけだ。グループリーグだけの勝敗を見ると、5大会全15戦で4勝3分8敗となっている。2002年大会と2010年大会は、いずれも2勝した。

 

今のままの状態で、日本代表はコロンビア、セネガル、ポーランドが相手のグループHで2勝できるか? これまでの試合を見ていると、ハリルホジッチ監督は、縦方向の速さを強く意識した戦術を好むようだ。相手にプレスをかけてボールを奪い、素早く展開させていくというスタイルだ。

 

ところが、残念ながら満足行く結果が出ていない。戦術面に関し、長谷部選手は「積み上げたところから始めないといけない」、長友選手は「ボール保持という選択肢も必要」と語っている。ハリルジャパンは、この土壇場になって戦術変更を迫られているのかもしれない。実際、専門家の中には監督更迭論を声高に唱える人がすでに出てきている。

  1. 1
  2. 2
全文表示
TAG
SHARE ON