フランス車、イタリア車が感じさせるもの
『ル・ボラン2018年3月号』には、フランスとタリアの人気車種を集めた「これがフレンチ&イタリアンの最新レシピ』という特集記事が組まれている。開始ページの見開きにちりばめられた各社のロゴを見るだけでワクワクする。
プジョーのライオンもシトロエンのダブルシェブロンも、ランボルギーニの暴れ牛も、そしてマセラティのトライデントも、とても美しい。特集全体を貫くアイデアとして記された次のような文章が、ヨーロッパ車ファンの気持ちを代弁すると思う。
高品質で信頼性も高く、いかにも精密機械的なドイツ車は確かに魅力的だけど、走りがメチャクチャ楽しい! とか、デザインがサイコー! などなど、個性派ぞろいのイタリアン&フレンチモデルには、クルマ好きのハートを揺さぶる“何か”がある。
『ル・ボラン 2018年3月号』より引用
フロントグリル周りだけを見ても、フランス車とイタリア車はおしゃれで個性的な面がまえをしている。
フランス車、イタリア車の教科書
20近い車種のスペックやインテリア、そして足回りに関する詳細なレポートは読み応え十分。テイストとしては、教科書に近い感じがする。アルピーヌA110とアルファロメオ・ステルビオは海外試乗で走りの面から徹底分析。
筆者目線でそれぞれの国から1台ずつ選んでピックアップするなら、フランスのアルピーヌとイタリアのアバルトだ。
アルピーヌA110は、誕生秘話も含め8ページを割いて紹介されている。筆者は決して車に詳しいわけではない。でも、実際にシートに座ってステアリングを握っているような感覚に近いものを受け取った。助手席にわんこを乗せて、神宮外苑あたりを走ってみたい。使い方を具体的に思い浮かべることができるのだ。
ランボルギーニやフェラーリといったスーパーイタ車に対しては、正直ちょっとリアリティを感じにくい。でもアバルトは小型車の展開が多く、日本で購入したとしても、日常生活での“乗りこなせる感”を容易に想像できる。それに、ボディカラーも鮮やかで、ちっちゃくてかわいい。
オーナーなら愛車に対する思いがひときわ深まるだろうし、いつか手に入れたいと思っている人たちはいやがうえにも気持ちがかき立てられるだろう特集記事だ。イタリア車やフランス車がまとう、具体的な定義が難しい楽しさ。それを理解する助けになってくれると思う。
【書籍紹介】
ル・ボラン 2018年3月号
著者:ル・ボラン編集部
発行:学研プラス
輸入車を軸にクルマやクルマ用品、ニュースなどをタイムリーに発信。ダイナミックなビジュアルとわかりやすい記事には定評があり、欧州車を中心とする現地取材企画は高い人気を誇る。