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2018/4/30 13:30

『マツコの何が“デラックス”か?』――もはや毒舌ではなく「正論」が共感を集めている。稀代の人気タレントを徹底分析!

マツコ・デラックスの初レギュラー番組は『5時に夢中!』(2005年)です。2018年現在、『マツコの知らない世界』『月曜から夜ふかし』など、出演しているレギュラー番組は8本を数えます。

 

初の冠番組は、『マツコの部屋』(2009年)という深夜放送でした。第一線で活躍するようになってから、もうすぐ10年目を迎えます。CM出演も合わせれば、人気タレント「マツコ・デラックス」をテレビで見ない日はありません。

 

マツコの何が“デラックス”か?』(太田 省一・著/朝日新聞出版・刊)は、著書や雑誌インタビューや出演番組をもとに、マツコの過去現在未来を分析しています。

 

 

マツコの「芸」とは、何か?

マツコ・デラックスといえば、「巨体」「仏頂面」「毒舌」などを連想しますが、いちばん印象的なのは「女装」です。


女装が”仕事着”になってしまった結果、「女装をする自由」、そして女装がもたらす解放感や喜びをマツコは味わえなくなってしまった。それはマツコにとって由々しき問題である。

(『マツコの何が“デラックス”か?』から引用)

 

マツコ本人にとっても、マツコを見慣れたテレビ視聴者にとっても、「マツコ・デラックス=女装タレント」という意識は、ほとんど消え去りつつあります。女装が「強み」ではないとすれば、つぎに思い当たるのは「毒舌」です。

 

 

毒舌ではなく「正論」を吐いている


マツコ・デラックスと言えば「毒舌」の印象は強い。
ちょっと変なことや引っかかることがあれば、それをなあなあで済ませることはせずに問いただし(中略)それは共演者であれ、番組のスタッフであれ、相手が誰であろうと変わらない。

(『マツコの何が“デラックス”か?』から引用)

 

単なる「悪口」や「罵倒」では、人気タレントにはなれません。マツコの「会話力」「観察力」「分析力」から繰り出される「毒舌」だからこそ、視聴者を楽しませることができます。

 

マツコの研ぎ澄まされた舌鋒は、しばしば「正論」として共感を集めます。数百万人の視聴に耐えうる「正論」をコンスタントに吠える。それこそが、マツコ・デラックスの「芸」です。

 

わかりやすい具体例を示します。2010年9月10日に放送された『爆笑!大日本アカン警察』(フジテレビ系列)というテレビ番組のワンコーナー、《マツコ・デラックス「関西弁が嫌いすぎる事件」》における一連のやりとりです。

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