南米から欧州へ。店もモノも多すぎる!
世界を巡るということは落差、格差を目の当たりにすることでもあるようだ。森本氏は真夏の南米イースター島から真冬のドイツへ移動することになった。
フランクフルト→ケルン→ベルリンと、1週間近くうろうろ。感想は…すごい都会だ。店が多すぎる! そして、モノが多すぎる! 私の大好物のグミ、ハリボだけでも、こんなにたくさんの種類が。清涼飲料水が3種類しかないキューバを見習え!
(『ビジネスクラスのバックパッカーもりぞお世界一周紀行 ドイツ&日本きっちり編』から引用)
こういう感想はゆたかな国だけを旅していたらぜったいに湧いてこないだろう。
ドイツ編では、この他、「ベルリンの赤い雨 ドイツの二大悲劇の軌跡を見る」、「前四半期 世界で一番車を売ったのはフォルクスワーゲンっぽいです ドイツ経済」、「几帳面なドイツ 芸術家のベルリン」という項目があり、著者の独特の視点で語られるドイツの姿がなかなかおもしろい。
世界は自分の目で見ないとわからないことばかり
わざわざ自分の足で歩かなくても、テレビの旅番組を観たり、インターネットを使えばバーチャルな旅はいくらでも楽しめるという人もいるかもしれない。けれども、自分の目で見ないとわからない現実はやはり世界にはたくさんある。
2009年当時、新型インフルエンザ騒ぎで日本中がマスク姿の人々があふれていたが、その最中に森本氏はロンドンへ向かった。本書のイギリス編ではそのときのことが綴られている。
ロンドン(感染者数71人)…マスクをつけているのは日本人のみ。豚インフルエンザに関する張り紙などもなし。ちなみに、地下鉄で拾った新聞3紙ほどに目を通しましたが、豚インフルエンザの記載はなし。(中略)マスコミが流した情報をそのまま信じるのではなく、新聞の中の数字を見て自分で考えてみたり、ちょこっとインターネットを検索して海外のサイトとか詳細な数字を調べてみることで、どの部分が嘘で、どの部分が本当かを自分で判断する必要があるわけです。(中略)最後に、いつもの一言を。「日本人の皆さーん。目を覚ましてくださーい!」
(『ビジネスクラスのバックパッカーもりぞお世界一周紀行 ドイツ&日本きっちり編』から引用)
森本氏は、現在、自らの経験を生かし、海外を目指す人たちにその方法を伝える「海外就職研究家」として活躍している。
【書籍紹介】
ビジネスクラスのバックパッカーもりぞお世界一周紀行 ドイツ&日本編
著者:森山たつを
発行:学研プラス
突如会社を辞めて、世界一周旅行へ! しかも、チケットは、ビジネスクラス! イースター島からビジネスクラスでやってきた先は、真冬のドイツ、フランクフルト。モアイ柄のアロハシャツが滅茶苦茶浮く…。
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