意外にくつろぐ。パン屋のイートイン
近所のパン屋のイートインコーナー!
静かにゆっくりと食事ができる
あなどれないスポット
(『鬱ごはん 2』から引用)
よく晴れた朝には、ベーカリーショップのイートインで過ごしたくなります。カフェ(喫茶店)ほど広くはないですが、コンビニよりもリラックスしやすい。
その場で食べていくので、いちどに選べるのは2個か3個。最高のチョイスにしたい。どれもおいしそうに見えてしまう。いままで食べたことがなかったパンにも挑戦したいけれど、食べ慣れたパンも捨てがたい。制約を楽しみます。
お店によっては、ホットコーヒーが無料だったり、100円で飲み放題だったりします。たいていは「味気ないインスタントコーヒー」ですが、お客さんは文句を言いません。焼きたてのパンと居心地の良いイートイン。それだけで満足しているからです。
シュークリームを最大限に味わうには
最近のシュークリームは
シューに対してクリームが圧倒的に多い
(中略)
まるでジェンガだ
食べ方を誤ると タワーが崩れるように
クリームがあふれ出る
(『鬱ごはん 2』から引用)
『鬱ごはん』シリーズは、「ひとりぼっち飯」にまつわるシチュエーションを描いた、1話読み切りのマンガです。グルメ漫画ですが、おいしそうに食べるシーンがほとんどありません。主人公である「鬱野たけし」が、人生に絶望しているからです。
じつは、今回紹介した『鬱ごはん 2』には、このマンガには珍しい「真似したくなる食べ方」が描かれています。セブン‐イレブンのスイーツ『ミルクたっぷりとろりんシュー(現・ THEセブンシュー)』の食べ方です。
シュークリームは…
中身をぶちまけながら
獣のようにむさぼり食う
野生の果実!!!
(『鬱ごはん 2』から引用)
主人公・鬱野たけしは、具だくさんシュークリームを「野生の果実」であると看破しました。言い得て妙です。カスタードクリームがあふれ出しても、こぼれ落ちたとしても、口のまわりをベトベトにしながら食べることに集中する。鬱野の食べ方こそが「最適解」です。感銘を受けました。
セブン‐イレブンのシュークリームを「鬱野食い」するようになってから、わたしは充実したシュークリーム人生をすごしています。お試しください。
【書籍紹介】
鬱ごはん 2
著者:施川ユウキ
発行:秋田書店
孤独な青年・鬱野たけし。定職も仲間も無いけれど、そこまで辛い悩みもない。生きるためとりあえず毎日食べる、ただただ冴えない一人メシ。