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2018/7/16 21:00

【夜の1冊】走るババア、ついに光速に達する! あなたが知らない怪談最新事情――『日本現代怪異事典』

高速老婆(こうそくろうば)を知っていますか?

 

車やバイクなどに対して、人間離れをした速度で追いかけてくる「おばあさん」にまつわる都市伝説(フォークロア)の総称です。

 

日本現代怪異事典』(朝里 樹・著/笠間書院・刊)によれば、走るババアは日本各地で目撃されており、地域によっては快速バーチャン120キロババアなど、さまざまな異名があるそうです。紹介します。

 

 

彼女(ババア)たちの事情

【ターボババア】
高速道路に出現し、走る車を四つん這いで追いかけてきて、追い付くと横にぴったりとついて並走するという老婆の怪異。

(『日本現代怪異事典』から引用)

 

ちなみに、ジェットババアターボババアハイパーババア光速ババアという変異を遂げます。本書『日本現代怪異事典』には、高速老婆の怪というカテゴリーだけでも20項目以上を収録しています。

 

習性や呼称がバリエーション豊かであることも「ババア怪異」の特徴です。

 

首を引き抜く老婆足喰いババサイクリング婆ちゃん壁からバーサン千婆さまババサレアメおばーさんバスケばあちゃんタンスにばばあ……など。数えてみたところ、110種類を超える「ババア怪異」が収録されています。

 

ババア怪異たちの多くは、たいてい「ワケ有り」です。

 

たとえば、スケボーババアは、飲酒運転の車にはねられて事故死したという来歴があります。けっして逆恨みで怪異になったわけではありません。セーラー服のババアは、みずから命を絶ってしまったときは若い女子生徒でした。何十年も成仏できないからババアになったのです。若作りではありません。

 

 

バラエティ豊かな「トイレ怪異」

【三本足のリカちゃん】
人形にまつわる怪異。(中略)トイレの花子さんのように学校のトイレで「三本足のリカちゃん、あそぼ」といった言葉をかけると三本足のリカちゃんが現れ、場合によっては足を切断されるなど害を被るものがある。

(『日本現代怪異事典』から引用)

 

キャラクター性がある、耳目を集めるような「怪異」は、多くの派生エピソードを生み出します。

 

三本足のリカちゃん(さんぼんあしのりかちゃん)の項目には、包丁で襲い掛かってくるパターンのほか、数種類のバリエーションが報告されています。由来もさまざまです。工場から流出した「幻の欠陥ロット」である説。三本目の足は「人肉」で作られている説。いずれにせよ、読んでいるだけで背筋がゾッとします。

 

本書『日本現代怪異事典』には、数多くのトイレにまつわる怪を収録しています。花子さんや三本足のリカちゃんに限らず、怪異は「トイレ」で目撃されることが多いようです。

 

不幸の手紙は、時代とともに電子メール(チェーンメール)へ置き換わりました。怪異には、その時代の世相が反映されるからです。

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