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2018/8/7 6:00

ATMでは8000円以上おろしてはいけない。――『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』

財布にお金をかける人は多い。一流ブランドの財布、あるいは、金運を招く財布を持っていれば、なんとなくお金が貯まっていくような気がするからだ。

 

しかし! 『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』(山崎俊輔・著/日経BP社・刊)を読むと、それは間違いらしい。むしろビニール製などの安い財布に少ないカードを入れておくだけのほうがお金が貯まるというのだ。

 

 

お金が貯まる人の財布は軽い!

ファイナンシャルプランナーであり、消費生活アドバイザーでもある著者の山崎俊輔さんによると、「お金が貯まらない人は、高い財布でも金運アイテムを入れてもお金の向きを揃えても、やっぱり貯まらない」とズバリ! お金を貯めたいなら、無駄遣いをしない仕組みや貯まる仕掛けをつくることが大切だそうだ。

 

「無駄遣いをあまりしない財布」を探すとしたら、それは「安い財布」だと思います。なぜなら、財布の値段は、あなたがその財布を開いて買うモノの値段に無意識に影響を与えてしまうからです。(中略)あなたがもし背伸びをして高い財布を買うと、背伸びをして高いスーツが欲しくなり、背伸びをして高級な食べ物を食べたくなります。それに伴って仕事意欲も高まり年収も上がると主張する人もいますが、財布を高いものに買い替えたら自動的に年収が上がる、という相関関係はありません。

(『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』から引用)

 

お金を貯めたいなら、むしろ安い財布に少ないカードを入れて、常に”軽く”しておくのがいいそうだ。基本的にはキャッシュカード2枚、クレジットカード2枚で十分とのこと。

 

 

ATMで下ろす現金は8000円がベスト!

財布に入れておく現金も1万円以下のほうがお金が残るという。現金を多く持つと、人は無意識にそれが使っていいお金の範囲と規定してしまうからだそうだ。

 

毎回1万円を下ろして買い物をする生活をやめ、8000円下ろして買い物をしたと仮定します。おそらくATMを利用する回数は増えても、使うお金の総額は少し減ることになるはずです。1万円×5回に対して、8000円×6回(4万8000円)のように、同じ期間で少し節約が実現することになります。もし、お金を下ろす回数が同じなら最大で20%もの節約になります。

(『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』から引用)

 

こんな小さな差こそが、お金を貯める原動力になる、と山崎さんは言う。

 

この本を読んでから、私も財布に万札を入れるのをやめ、ATMでは8000円しか出さないことに決めた。どうか少しでもお金が貯まっていきますようにと願いながら。

 

 

口座が1つだとお金が逃げていく?

銀行口座が1つだと、少額の引き落とし履歴がたくさん残る。現金もずるずると下ろし、いつの間にかお金が消えていったいう状況に陥りやすいそうだ。

 

給料などが振り込まれる口座がメインバンクなら、それとは別にサブバンクを開設し、日常生活で使うお金、貯めるお金を分けて管理することを山崎さんはすすめている。

 

1カ月の食費や日用品にかかる費用が見えてきたら、メインバンクから月に1度、1カ月分の日常生活費をサブバンクに移します。そこから1カ月かけて生活費を引き出していくことにします。サブバンクは給料振込み日までにぴったり使い切っていい口座ということになります。

(『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』から引用)

 

こうして無駄遣いを防ぐわけだ。ちなみにサブバンクはATM手数料無料のネット専業銀行を選択するのが好ましいとのことだ。

 

 

証券口座でお金を増やす

証券口座はお金を増やすための選択肢としてこれからの時代には欠かせない存在になるという。証券口座は入れたお金は下ろさないと決め、定期的に資金を入金し、運用益を加えて残高を増やしていく口座として利用するのだ。

 

証券口座は銀行口座とリンクさせます。証券会社は特定の銀行口座番号を指定し、そこに入金されると個人の証券口座の残高に反映されます。複数の銀行口座を指示してくることがあるので、メインバンクと同じ銀行口座に入金すれば、同一行内振込ということになり、振り込み手数料が安くなりますし、同一行内手数料無料になる優遇が利用できるなら、無料で振り込みができます。

(『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』から引用)

 

証券会社については実店舗もある証券会社を用いるか、ネット専業証券を選ぶか悩むところだが、証券口座はいくつ開設してもいいので、複数を作って、後でどこで取引するか考えてもいいそうだ。

 

 

「100円」で投資家になろう!

最低でも100万円くらいの資金がなければ投資などできない、と思い込んではいないだろうか? が、これは誤りで、現在の投資の最低購入金額はなんと「100円」にまで下がっているそうだ。

 

ネット証券会社であるSBI証券や楽天証券は、投資信託の積み立て投資について最低購入金額が100円でスタートできる選択肢を用意しています。ちょっと前までは毎月数千円くらいを必要としたのですが、さらに一ケタ下げてきたのです。毎日カフェラテ1杯分(400円。毎月1万2000円)を40年間積み立てて運用し続けたとすると、複利効果により、年利3%なら1126万円までお金は増えるのです。

(『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』から引用)

 

ちなみに普通の人が普通の投資をしている限り、投資に失敗して借金を抱え込むことはないので安心していいそうだ。

 

投資をはじめると毎日のように株価をチェックしたり、夢中になりがちだが、山崎さんによると仕事やプライベートに悪影響を及ぼす投資はダメとのこと。株価を毎日見る必要もなく、むしろ10年間ほったらかしでOKだそうだ。

 

本書にはビジネスマンが投資デビューするための詳しい解説があるので、お金を増やしたい人は必見! さらに、この本には、上手な節約法、効率のいい稼ぎ方、老後マネーとなる退職金や年金の話まであり、これを読まなければ損をしそうだ。

 

【書籍紹介】

 

読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方

著者:山崎 俊輔
発行:日経BP社

知らないと生涯で2億円損する!? 口座は1つだとお金が逃げる! お金が貯まる人の財布は軽い? 「ほったらかし」投資で1000万!・・・ 何歳からでも間に合う! 日々のちょっとした心がけから将来設計まで知れば絶対得する&人生が豊かになるお金の新常識をやさしく解説。

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