昨年結婚した弟夫婦に、待望のベイビーが生まれた。お盆に帰省した際会わせてもらったのだが、それはもう、小さくて、可愛くて、愛しくて、たまらなかった。
彼と同じ目線までかがみ、「抱っこしてもいい?」と尋ねたうえで、しばし抱っこさせてもらった。誰に尋ねたかって? もちろん、赤ちゃん本人に、である。
「どんなに小さな赤ちゃんでも、ちゃんと意思があって、こちらの言っていることがわかる」
これは、私自身3人の子どもを育てている最中であり、さらにはいろいろな子育て講座などにも参加し、各界の先生方を取材してきた中で、ハッキリと確信を持って気づいたことだ。
0歳だって一人の人間! 意思がある!
よく、「まだ赤ちゃんだから、言ってることなんてわかんないでしょ」と言う人がいるが、「そっちこそ何言ってるの、赤ちゃんは全部お見通しだぞ!」と全否定したい。
赤ちゃんをよーく観察していると、何かしらのリアクション返してくれていることに気づくはずだ。たとえ言葉のキャッチボールはできなくても、声で、表情で、仕草で、ちゃんと赤ちゃんは想いを伝えようとしているのだ。
たとえば、赤ちゃんに何の断りもなくいきなり抱っこするのと、先程述べたように、赤ちゃんにOKをもらうように話しかけてから抱っこするのでは、赤ちゃんの反応が違う。前者は泣いて嫌がることが多々あるが、後者の場合は受け入れてくれることが多い。
また、おむつ替えのとき、「おしっこでおむつが濡れちゃったね、気持ち悪かったね~」「さあ、おむつを替えたよ、スッキリしたね!」などと声がけを続けていると、赤ちゃんは、「このお尻の違和感=おむつが濡れた、気持ち悪い」、「おむつを替えてもらう=スッキリ、気持ちが良い」…と快や不快を学んでいくのだと保育士さんに聞いたことがある。
そんなこんなで、赤ちゃんの発達のためにも、より密なコミュニケーションをはかるためにも、一人の人として、たくさん話しかけることが大切なのだ。
6か月未満の赤ちゃんも、ちゃんと「見て」「聞いて」「反応してる」!
同じように、「絵本を0歳児に読んだって、理解できないからムダじゃない?」などという声を耳にすることがあるが、こちらも「大馬鹿者!」と喝を入れたい。赤ちゃんだって、ちゃんと物を見て、色や形に反応するのだ。
人気の赤ちゃん向け絵本『しましまぐるぐる』シリーズが、発売10年で累計180万部を突破したことが、それを証明してくれているだろう。
ご存知の方も多いかと思うが、生後6か月未満の視力が未発達の赤ちゃんでも、黒・白・赤などを生かしたコントラストの強い配色の絵に注目し、ちゃんと対象物を目で追っかけると言われている。
さて、この度『しましまぐるぐる』シリーズから最新作が発売されたとの情報を入手した。その名も『まるまる ぽぽぽん』(かしわらあきお・絵/学研プラス・刊)。
リズミカルなタイトルと、青い地球のような半円から赤い太陽?が顔をのぞかせている表紙が印象的だ。
「まる」は赤ちゃんの大好物!
今回のテーマは、「まる」。
なんでも、赤ちゃんは「顔」に見える形も、「まる」の絵も好むと言われているとのこと。泣く子も黙る「アンパンマン」は、その良い例かもしれない。
ページをめくると、「あかまるちゃん」がぽん!と飛び出して、本の中を所狭しところころころころ。楕円になったり卵型になったり、てんとう虫やおにぎり、いぬ、かたつむりに姿を変えながら、ぽんぽんぽん!とはじけていく。
ちなみに、シリーズ代表作の『しましまぐるぐる』は我が家にもあり、子どもたちが小さい頃よく見て楽しんでいたので、その威力は証明済み。しかしながら、今回の『まるまるぽぽぽん』にどれほどのパワーがあるのかは、なんとも半信半疑だった。
このコラムで取り上げるからには、効果が実証できなくては。
そこで、下の娘が通っている保育園でお願いをして『まるまる ぽぽぽん』を預け、0歳・1歳・2歳の子どもたちにそれぞれ読み聞かせしてもらった。
【0歳児の反応】泣いていた子が泣き止んだ!
まずは、一番興味深い0歳児の赤ちゃんたちの反応からご報告しよう。
「椅子や膝の上に座らせて『まるまる ぽぽぽん』を読んでみせたところ、泣いていた子が泣き止んで、じーっと絵本の中のあかまるちゃんを見つめていました! 最後までずっと見つめていて、途中「あっ!」と声を出したり、指差しをしていたので驚きました」(保育士談)
ちなみに、保育士が読み終わった後も、自分の手でページをつんつんと触ったりめくったりして楽しんでいたらしい。0歳児のハートを確実に掴んだようだ。
【1歳児&2歳児の反応】みんなじーっと集中!ニコニコで言葉を繰り返す子も
続いて、1歳児&2歳児の反応はというと、
「みんな集中してページを見ていました。とてもカラフルなので、色に惹かれている感じでしょうか。2歳児になると、「あ! ありさんがいる!」「おにぎり!」など、ページの中に描かれている細かい部分にも気づき、声を出して教えてくれました。また、読み方にも工夫してみたのですが、「まるまる ぷかぷか~」と読むと「ぷかぷか~」と全員で繰り返して楽しんでいました」(保育士談)
少し年齢が上がってくると、色や形はもちろん、リズミカルな言葉にも大きく反応した様子。「いないいないばあ」や穴あきの仕掛けがあるページもあり、成長と共に刺さる部分が違っていて、長く楽しめる1冊だと感じた。
ちなみに、我が家の5歳児&3歳児にも読み聞かせしたところ、3歳の娘は、私の言葉に続いて「ころころ~」「まるまるぽん!」と上機嫌で繰り返し、5歳の娘も「卵、割れてるやん!」などと突っ込みながら、ニコニコと最後まで聞いていた。
絵本選びというと“ママの役目”なんていう家庭は多いかもしれないが、もしもパパが絵本を買って帰ってきてくれたら、子どもはもちろんママも大喜びするに違いない。
絵本を読み聞かせて、子どもがうれしそうに反応している姿こそ、親にとって大きな喜び。愛する我が子へのファーストブックに、『まるまる ぽぽぽん』はいかがだろうか? パパの株急上昇間違いなしだ。
【書籍紹介】
まるまる ぽぽぽん
著者:柏原晃夫
発行:学研プラス
あかちゃんに大人気の絵本『しましまぐるぐる』のシリーズ最新刊! 今度は「まる」! あかちゃんが注目する黒を中心にコントラストの強い配色でデザインした、ぽんぽん元気な「まる」がいっぱいのベイビーブック。あかちゃんが大好きな「顔」もいっぱい!
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