難しいこととかよくわからないけど、焼肉って美味しいよね!
「シャトーブリアン」「ミスジ」「亀の子」などなどいろんな部位がありますが、目をつぶって食べさせられてもバシーっと答えることはできません。私の知識はこんなもんっ! あなたはいかがですか?
毎日は食べられない焼肉だからこそ、どーんと大枚はたいて美味しいお肉を食べたいですよね。それにせっかく食べるなら、お肉のことをしっかり知った上で食べたい! そこで今回は『焼肉語辞典』(田辺 晋太郎・監修、平井 さくら・イラスト/誠文堂新光社・刊)より明日から使える「焼肉語」をご紹介します。お腹が空いている方はご注意ですぞ!
「和牛」と「国産牛」の違いってちゃんと言える?
先日、外国人観光客とお話する機会があり、「日本で何を食べたの?」と聞いてみたところ「神戸牛」と話していました。今や世界中に知られている日本の銘柄牛は、250種類以上あると言われており、松坂牛・神戸ビーフ・米沢牛は日本の三大和牛ブランドと呼ばれています。
ん? ちょっと待てよ。「和牛」と「国産牛」って見かけるけどどんな違いがあるのでしょうか?? あなたはちゃんと説明できますか? 『焼肉語辞典』によると、
一般的に勘違いしている人が多いのだが、国産牛とは「日本原産の牛」という意味ではない。品種を問わず日本国内での飼育期間が最も長い牛のことをさす。
(中略)
一方、和牛とは品種のこと。明治時代以降、日本の在来種と外国産の牛を交配して改良され、昭和に入り日本固有の肉用種に認定された品種をさす。
(『焼肉語辞典』より引用)
と記載されていました。
国産牛は、アメリカ生まれ日本育ちの牛でも、育ちの時期の方が長ければ「国産牛」と呼ばれるということです。なんだか不思議な感じですよね!
和牛の品種とは、「黒毛和種」「褐毛和種」「日本短角種」「無角和種」の4つで、こちらもこの品種であれば、例えばオーストラリアの牧場で育てられた牛でも和牛と呼ばれてしまうんだとか。その際は、「オーストラリア産和牛」のように表記されるとのことですが、いよいよわけがわからない感じですよね(笑)。結果、美味しければいいか! と思ってしまう気持ちもありますが、自分の口に入る牛さんがどこで生まれ、育ったのか知っておけると有り難さが倍増しますね。メニューを見る時にちょっと注意してみてみましょう!
欧米で「バラエティミート」「ファンシーミート」と呼ばれるのは?
実はこれ「モツ」のことなんです。
鳥獣肉の臓物(ぞうもつ)のこと。「内臓肉」「畜産副生物」「ホルモン」ともいうが、「モツ鍋」や「モツの煮込み」といった名称は一般に浸透している。安価で栄養もあることから人気が高く、欧米では「バラエティミート」「ファンシーミート」とも呼ばれている。
(『焼肉語辞典』より引用)
勝手にモツは日本だけで食べられているもんだと思っていたのですが、欧米では楽しそうな名前で呼ばれて親しまれているんですね。確かにモツ煮の見た目っていろんな部位が入っているからバラエティに富んでるし、見た目もファンシーですが、そんな英語にしなくてもと思ってしまったのは私だけでしょうか?(笑)
東京オリンピックに向けて外国人観光客が増えている昨今ですから、「ファンシーミート専門店」みたいな表記も今後よく見るようになるかもしれませんね。浅草のホッピーロードがグローバル対応したら今よりさらに楽しげな雰囲気になりそう!
肉の焼き加減には10段階あるって知ってた?
美味しいお肉をさらに美味しく食べるために重要なのは「焼き加減」。
ステーキ等では注文する際に焼き加減を伝えて美味しい状態で持ってきてくれますが、自分で焼くスタイルの焼肉はそれぞれの肉がどの焼き方がベストなのか知っておくことが重要です。
レア < ミディアム < ウェルダンと、焼き加減は大きく3種類だと思っている方が多いと思いますが、実は10種類に細かく分類されているんです!
1 ロー
2 ブルー
3 ブルーレア
4 レア
5 ミディアムレア
6 ミディアム
7 ミディアムウェル
8 ウェル
9 ウェルダン
10 ヴェリー・ウェルダン
(『焼肉語辞典』より引用)
「ブルー」なんて初めて聞きました!
ちなみに人気の部位のイチボ、シャトーブリアン、タンなんかはレアで焼くのがオススメ。最近では店員さんがオススメのタイミングでお皿に上げてくれるお店も多いので、美味しいお肉を美味しく食べたい! という方は焼き方にも気を使っておきたいですね。
「へぇ〜」が欲しい方にオススメワードとは?
まだまだ行きます!
焼肉用語辞典には680語も登録されているので、読んでいるだけでもものすごく勉強になるんです。最後に、知らなくても全然生きていけますが、知っておくとちょっぴり得する言葉を2つご紹介いたします。
ヤットコ
金属製の工具の一種。てこの原理を利用して握力を増大させるもので、小型部品の組み立てや熱した鉄などを挟んだり曲げたりするのに用いられる。焼肉店では石焼ビビンバ用の石鍋を持ち運ぶ際に使われることが多い。そのことから「石鍋つかみ」とも呼ばれる。
(『焼肉語辞典』より引用)
あ〜! あの店員さんが石焼ビビンバを持ってきてくれるやつ!
全く気にしていませんでしたが、名前を知っていれば石焼ビビンバを注文した際に「あの石鍋を持ってくる工具、ヤットコって言うんだよ」とネタのひとつに使えます。
グラスフェッドビーフ
牧草を飼料にして育った牛の肉。放し飼いのためストレスがなく育ち、赤みは繊細でやわらかく、旨みがしっかりしている。また、低脂肪、低カロリーなので、健康志向の高い人にうけている。穀物や化学飼料で育った牛の肉を「グレインフェッドビーフ」という。
(『焼肉語辞典』より引用)
最近注目が集まっている飼育方法のひとつで、健康志向な方に人気なんですって。「グラスフェッドビーフ」と「グレインフェッドビーフ」を合わせて覚えておくと、お店のメニュー表で見かけた時に「このグラッスフェッドビーフって最近話題でさ、健康志向の人に人気なんだって。名前が似ているけどグレインフェッドビーフもあってね……」なんて次々とウンチクを語れちゃいますね。(ウンチクの語りすぎにはくれぐれもご注意ください!)
『焼肉語辞典』は、楽しいイラストと合わせてたくさんの用語が紹介されているだけでなく、監修者である肉マイスターこと田辺晋太郎さんが教えてくれる焼肉豆知識が豊富に掲載されています。ぜひお手にとってお楽しみください!
【書籍紹介】
焼肉語辞典
著者:田辺晋太郎
発行:誠文堂新光社
牛、豚、鶏などの肉の部位についてやおいしい焼き方、タレ、流通など焼肉全般の知識やうんちくを、多数のイラスト、テキストを交えて解説した、まったく新しい焼肉用語辞典!